不機嫌なお年寄りにかけると喜ぶ言葉①
ヘルパーの顔を見るなり、不機嫌になるおじいちゃん、おばあちゃんに遭遇する。
私の働いているところは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護もしている。
これを利用している人は、安否確認のためだけに、訪問することがある。
その安否確認は、バイタル測定か口頭で、「元気ですか?」と聞いて、
問題がなかったら、スマホに「問題なし」と打ち込んで、すぐに帰る。
このスマホは、家族も見られるので、遠く離れている家族が
「あっ、おばあちゃん、元気にしているのね~」と確認するもの。
これだけでいい。
なんて、楽なんだ~(*´▽`*)
と、感動したことも。
でも、この安否確認だけで、手ごわいおばあちゃんがいる。
訪問すると、さっきまで、普通に洗い物をしていたのに、
リビングのソファーに雪崩のように座り込み、突然、
「あかん!私、もうあかん!」と言い出す。
私、「・・・大丈夫ですか?」と恐る恐る声をかける。
「しんどいんや!もう、ほっといて、バイタル計ったら早く帰って!」
と言われる。
私、(いやいや、さっきまで、普通にお皿洗って、歩行器押して歩いてましたやん(;^ω^))と心のつぶやき。
不機嫌な時は、いつもこんなやり取りで、言われたとおり、さっさとバイタル計って退散する。不機嫌オーラは、ヘルパーのメンタルをも、攻撃するため。
最初の頃は、事務所に連絡して、報告していたけど、その人いつも、そんな感じなんでバイタル計って、問題なかったら、適当に声掛けて、帰っていいよ~と言われる。
でも、最近は、さっさと帰るのもどうかな~と思って、おばあちゃんが、なぜ不機嫌になるのか?を考えてみた。
・そのおばあちゃんの生活は、一人暮らし。
・子供は、遠くに離れている
・歩行器で歩いているけど、最近はフラフラとしていて、最近はこけたりもする。(それでも、骨折していないだけ、このおばあちゃんは、足腰が強い)
・体が日に日に弱っていき、何か一つするのも時間がかかるのが辛いとぼやいていた。
・誰かに、心配してもらいたい。かまってほしい。
結論としては、体が弱っていて、不安だ。さみしい。こんな私、だれも必要となんてしてくれない!と言う不安の塊を、ヘルパーにぶつけている。
誰でも、わかるか、そんなこと(;^ω^)
と思いながら、そのおばあちゃんの不機嫌な時は、また訪れた。
私の顔を見るなり、
「あんた、来る時間が早すぎるんや!洗い物もろくに片付かんし、バイタル計ったら早く帰って!」と言われる。
時間は、いつも通りなのに、この言われよう・・・(T_T)
バイタルを計った後は、おばあちゃんは、ソファーに座って眠るように目を閉じた。
バイタルは、問題なかった。
ただ、(私、しんどいんです~辛いんです~)という、心の叫びがダダ洩れであった。
とりあえず、しんどいであろう、原因の家事を一つでも片付けてあげようと、残っている洗い物を洗ってあげようと、台所に行った。
私の動きを素早く察知して、「あんた、何してるの!」と、止められた。
(この時点で、病気の心配はなくなった)
私、「いや、洗い物をしようと・・・いつも、世話になっているんで。体もしんどそうやから、何かお役たてばと思って」
と声をかけると、おばあちゃんの顔つきが、キラキラと星を輝かせたようにご機嫌になっていった。
「いや~そんな、世話になってる!って私の方が世話になってるんやから、そんな洗い物せんでもええんやで!」と言う。
本音は、(その日は、訪問が1件キャンセルになって暇なので、時間つぶしに洗い物して、時間をつぶしたいというのもあって)
おばあちゃんに喜んでもらいたくて、
「いや、ちょっとでも、役に立ちたいんで、洗い物させてください」というと、洗い物は、させてくれなかったけど、デイサービスの愚痴・ほかのヘルパーの愚痴・家族の話をマシンガントークの様に話して、話し終えたら、不機嫌な顔からご機嫌な顔になった。しんどいんですオーラも消えた。
「お世話になっているから!」という言葉一つで、人の機嫌はこうも変わる(;・∀・)
人にかける言葉って、本当に大事!
と実感した瞬間であった。
「自分の機嫌は、自分でとるもの!」という名言もあるけど、世の中それが、できない人もたくさん存在して、自分もちゃんと、できているか、怪しいもんで・・・(;^ω^)
お年寄りになると、どうしても感情を抑制するブレーキが利きにくく、逆に悪気なく(中には、悪気がある人もいるけど)感情のアクセルを力いっぱい踏んでしまう人がいる。なので、言葉をかけて、ブレーキがかかるなら、たやすいことなので、不機嫌オーラをご機嫌にする言葉を、探してみようと思う今日この頃です。