グループホームで出会った気の強いおばあちゃんの話
「あんたのしゃべりかたは、ゆっくりすぎて、イライラするわ( ;゚皿゚)ノシ」
グループホームで、働いている時に認知症のおばあちゃん金原さん(仮名)から、言われた。
金原さんは、おかっぱ頭の気が強くて、若い時は世話好きで、思ったことを素直にポンと言う人だった。
衝撃の一言は、職員の事務所で日誌を書いていた時に言われた。
時計は、14時ごろだ。
金原さんが、「おやつは、まだか?」と聞いてきたので、「まだですよ~もうすこし、まっててくださいね。14時半になったらホットケーキを焼きますね」と言うと
金原さんは、「あんたのしゃべり方はイライラする、もっとはやくしゃべらんかい❗️」と突如、言われた!!(゜ロ゜ノ)ノ
認知症のお年寄りには、「優しく、ゆっくり話をしましょうね」と、ホームヘルパー2級(いまの、介護職員初任者研修)の先生に教わった事を、瞬殺で否定してきた!Σ( ̄□ ̄;)
自分の中で、ものすごい衝撃が走った。
私は、笑いながら「いや、生まれつきなんで( 〃▽〃)」と、笑いながら返した。
「生まれつきか、ほな、仕方ないな」と言われ、プイと背中を向けてスタスタと部屋に帰っていった。
認知症の利用者さんとは、お腹が空くとイライラする。
そんな傾向があると、私は思っている。
金原さんは、イライラしてたのかなσ(^_^;)?
でも、私のしゃべり方が、地雷とは…!Σ( ̄□ ̄;)
地味に衝撃的だった。
ゆっくり話すのがいい人もいれば、イライラする人もいる。
いろんな人がいるんだな~と思っていた、数分後、金原さんは、別の職員にこう言っていた。
「あんたのしゃべり方は、早すぎて聞き取りにくい!ゆっくり、話さんかい!」
吉本新喜劇並みに、心の中でずっこけながら、「どっちやねん!」と呟いた自分がいたヽ(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ノ
私のしゃべり方は、その時に気になっただけの話だった。
金原さんは、割と初期症状の認知症。物忘れ程度の認知症。
歩くことも、食べることも、トイレに自分で行くことができる。
ある意味、普通の人と変わらない。
介護職員は、しっかりしている利用者さんから、ストレスをぶつけられることもあるけど、仕方がない。
これでお金をもらって、たまに人生で経験した深い話や知識や知恵を教えてくれたりするから。
金原さんも、長年主婦をしていた人で、料理のことはとても詳しくて、おいしい出汁のとり方や魚の煮つけの仕方とか、くわしく教えてくれた。
あと、子育てで大変なことを聞くと、延々と語っていた。
そんな時は、かわいらしい認知症のおばあちゃんの顔になる。
人には、いろんな顔がある。
優しい顔もあれば、怒った顔・怖い顔・悲しい顔。
一場面だけを切り取って、その人を判断すると、大事なものを見失う時があると、玉子焼きをおいしく焼く時の火加減を熱く語る金原さんを見て、そう思った。