勉強しない我が子が、自分から勉強する方法
「もう宿題やったの?」
「はやく勉強しなさい」
「そんなんじゃ、将来困るよ!」
「あなたの為に言ってるんだからね!!」
我が子に勉強をさせるのは難しい。
何を言ったら正解なのか。
結局、無理やり勉強させたとしても、長くは続かない。何とかしてやった風にみせるやり方が上手くなるばかりだ。
今となっては自分から勉強するようになったが、昔はよく「勉強しなさい」と言われながら過ごしていた。
しつこく言われるものだから、しぶしぶやってみるがすぐに飽きる。
とくに目的意識もないため、時間が過ぎるのを待っているだけだ。
本当に我が子に勉強をさせるつもりなら、迷わずこの方法を使ってほしい。
今回は更に、自分から勉強する方法について述べていこうと思う。
前回の記事を読んだ人にとっては当たり前だと思うが、大切なのは
習慣×環境
そこに、今回は付け足していこう。
まずは勉強しない我が子に勉強させる方法を実践しよう。
すると、勉強する習慣とそのための環境は整うはずだ。
その上で、自分から勉強するには…
ちなみにご褒美作戦は危険だ。
勉強したら〇〇を買ってあげる。
テストで何点取ったら〇〇をプレゼント。
頑張ったご褒美に〇〇に遊びに行こう。
こういうのは外発的動機といいます。
なんとなく、何もないよりかは頑張りそうですが、いくつか落とし穴があります。
整理していきましょう。
1. 持続性の欠如
外発的動機は、それが提供されている間は効果的ですが、取り除かれると行動が続かないことがあります。
例:子どもが「テストで100点を取ればおもちゃをあげる」と言われて頑張るが、おもちゃがもらえなくなると勉強への意欲が低下する。
2. 内発的動機の低下
外発的な報酬に頼りすぎると、本来その行動に内在する楽しさや意味を感じにくくなることがあります。これを**アンダーマイニング効果**(動機づけの弱化)といいます。
例:もともと絵を描くのが好きな人が、賞金目的で描くようになると、やがて絵を描くこと自体が楽しくなくなる。
3. 報酬のエスカレーション
ご褒美が必要になると、次第により大きな報酬を求めるようになり、コストが増大します。最初の小さなご褒美では満足できなくなる可能性があります。
例:小さなボーナスで喜んでいた社員が、次第により大きなボーナスを期待するようになる。
4. 創造性や自主性の阻害
外発的な動機づけに偏ると、個人が主体的に考えたり創造的に行動する能力が低下する可能性があります。与えられた目標に固執し、自己主導の学びや工夫が減少します。
例:スコアだけを目標にした競技スポーツで、プレイヤーが自由なプレースタイルを捨てて勝利だけを追求する。
5. 倫理的な問題
過剰に外発的動機を利用すると、相手が「操られている」と感じたり、不快感を抱くことがあります。特に報酬が不公平に見える場合は逆効果になることもあります。
例:一部の社員だけが特別な報酬を得て、他の社員のやる気が下がる。
ということで、
結論としては、外発的動機は短期的な行動変容には効果的ですが、それに頼りすぎると持続的な成長や自主性を妨げる可能性があります。
ちなみに罰を与えることも外発的動機になります。
適度に飴と鞭を与える!
なんていいますが、実は甘い飴も、痛い鞭も、同じなんですね。
ここで勘のいい人は気づいたかもしれませんが、外発的動機ではダメなんですよね。
外発的動機の逆、内発的動機ならどうだろうか。そう、考えますよね。
内発的動機とは、外部からの報酬や罰とは無関係に、本人がその行動自体に興味や喜びを感じたり、達成感や成長を求めることで生じる動機のことです。つまり、「やりたいからやる」という気持ちに基づく行動です。
つまり理論上は、内発的動機さえあれば、自分から勉強するってことになりますね。
内発的動機の特徴は、
1.自己決定感が高い
自分で選んで行動しているという感覚がある。
例えば、好きな本を読んでいる、趣味を楽しんでいる。
2.行動そのものが目的
結果ではなく、プロセスそのものに満足感を得る。
例えば、絵を描くことが好きだから描き続ける。
3.持続性が高い
外的な刺激がなくても続けられるため、長期的な取り組みが可能。
例えば、成績や評価を気にせず、自発的に勉強する。
そして重要なのは、内発的動機はどうやったら生まれるのか。というところですね。
内発的動機が生まれるには、
「興味や好奇心」「達成感や成長」「自信」「目的意識」などが必要です。
これらを高めるには、
まずは選択肢を与える必要があります。人に決められると、やらされている感がでるので、自分で決められる自由度を増やします。
次に適度な難易度の課題を用意して達成感を得られるようにする必要があります。簡単すぎるたり、難しすぎたらいけません。
そして、
なぜその行動が重要かを理解させることでモチベーションを高め、成果に対して適切なフィードバックを行い、成長を実感させる。
お気づきでしょうか。
選択肢を与えることはできますが、結局は本人が勉強をやりたいと思うかどうか。必要と思うかどうかです。
【馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない】
この言葉を知っていますか?
この言葉はイギリスのことわざで、英語表記では「You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.」と書きます。
馬が水を飲むかどうかは馬次第なので、人は他人に対して機会を与えることはできるが、それを実行するかどうかは本人のやる気次第であるという意味です。
しかし、勉強するという選択ができる環境がなければ、その選択をすることはありません。
また、仮に勉強をしなかったとしても、他に輝けることが見つかるかもしれません。
水を用意し、いつでも飲めるようにする。
それが保護者のやるべきことだと思うのです。