【第1話】科学のはじまり: 大人の学び直し
大人の学び直しのブームがきて久しいですが、なかなか続かないのも事実。
本を読むのもなかなか疲れる。
そこで、とある元先生と、そこへ訪れた青年の会話から、共に勉強してみるのはどうでしょう。
ん?よく何を言っているかわからないって?
実際にみてみればわかるでしょう。
今回は【科学のはじまり】について話しているようですよ。
元先生と青年の会話をのぞいてみましょう。
青年
先生、今回は【科学のはじまり】について話してくれるんですよね?
元先生
今はもう先生ではないですが…まぁいいでしょう。そう、科学を学ぶにあたって、その歴史を知ることはとても大切なこと。
今日はそのはじまりについて教えよう。
青年
ありがとうございます!
では、さっそくお願いします!!
元先生
まずは科学の定義ですが、これがなかなか難しい。今回は「自分とのかかわり」から切り離して対象を考える。
これを科学の定義とします。
青年
いきなり難しいですね、、
元先生
青年は花を見た時にどう思いますか?
青年
きれいとか…いいにおい、ですかね?
元先生
それは科学ではありませんね。
科学の立場で考えると、「それは花なのか?いや、木かもしれない。」「なんでこんな形をしているんだ?」「いったい何でできているんだろう」
というように、客観的に考え、実験や観察を通して反証していく。これが科学であるとします。
青年
なるほど、なかなかそんな視点で見たことはありませんでした。そんな風に考えるのが科学なんですね。
元先生
そう。そして、科学のはじまりは古代ギリシア時代にさかのぼります。
元先生
古代ギリシアの哲人達は、さきほどのように客観的に実験と観察を通して、世界は目に見えない秩序によってなりたっていると考えました。
青年
ち、秩序…!?
元先生
そう。またの名をコスモスといいます。
この古代ギリシアではすでに、数学、物理学、化学、生物学、医学、天文学などが存在していた。
青年
古代ギリシアって、紀元前ですよね。
そんな何千年も昔から科学ってあったんだ。
学校とかで教えてたのかな?
元先生
プラトンという人物は、「アカデメイア」という学園を、そしてアリストテレスは「リュケイオン」という学園をつくったそうだ。
青年
アカデメイアにリュケイオン!
ということは、教科書とかもあったんですかね?
元先生
「パピルス」という紙をエジプトから仕入れていたそうだ。
だが、当時は神の教えが全てだった。
キリスト教の教えに合わないものや、実用的ではないものは保存されず、大半は失われてしまった。
リュケイオンをつくったアリストテレスも大量に書物をのこしていたそうだが、ほとんどが失われてしまった。
青年
なんてもったいない!
でも、神様が1番だとしたら、確かに資料が大切にされなかったのも、少し納得できるか…
元先生
その後、古代ギリシアで研究された資料に目を向けたのは、ヨーロッパではなく、イスラムの人々だった。
イスラムの人々は、必死でギリシア語の文献をアラビア語に訳して、古代ギリシアの叡智を手に入れようとしたんだ。
青年
ええっ!イスラム?ギリシアの人々はなんてもったいないことをしたんだ!
元先生
そしてその後、ギリシア、いや、ヨーロッパの人々は、イスラムに移った叡智を偶然発見することになる。
青年
偶然?ヨーロッパからイスラムに行く機会っていえば…
元先生
十字軍というのを聞いたことはあるか?
青年
キリスト教対イスラム教の戦いか!
元先生
そのときの十字軍兵士が持ち帰ったアラビア語の本の中に、古代ギリシアの叡智をもとにしたアラビア科学が書かれていた。
キリスト教の教会はこれを利用して、神のために研究することを進めた。
このころはまだ科学者の肩身はせまかったが、神の証明のために、科学はまた進んでいくのだった。
青年
そのあとどうなったのか、少し知ってますよ。
キリスト教に反する研究結果がでてきて、神の存在がゆらいでいくんですよね?
天動説と地動説とか!
元先生
そうだな。ここから科学革命がはじまっていくのだか、その話はまた次回にしよう。
青年
えー、残念ですけど、楽しみにしています。
今日はありがとうございました。
元先生と青年の会話は続きます。
またのぞいてみましょう。