自殺志願者が神から「死」を拒否された!
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私は死んだ。
死ぬことに意味はない
ただ死んだ
王都ブリュッセルで私は死んだ
死ぬまで何をやっていたかといえば、詠唱の練習だった。その国ホーミングでは古くから詠唱が有名であり、国民の八割は詠唱に一度は触れる。そんな私も詠唱を練習している最中であった。詠唱は誰もが習うので詠唱を専門とする学校はいくつもあった。私はある学校に通っていた。最初は順調に思えた詠唱練習もだんだん雲行きが怪しくなった。
それから私の詠唱道具には毎日手が施されていた。
私は気にしないようにしていたが、そんな日はまだ序の口だった。
もう嫌だ
私はその国から出ることにした。
なにもかもどうでもよくなった。
私は王都ブリュッセルに向かった
自分の死に様を多くの人に観てもらいたいからだ。
王都ブリュッセルには街を一望できる場所がある。そこはもちろん一望できるほど高さがあるので、ピッタリだと思った。
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私は死んだ
私は天国に来たと思っていた
天国にきたときはまず最初はいつも通り目覚めるのかと実感したと思っていたのはすぐに覆される羽目になった。
私はある宿屋にいた。
なんでも倒れていた私を引き取ってくれたらしい。
私は死んだ、はず。
私はまた死んだ。
今度は心臓を一突きで潰した
私は岩を真上に投げたあとその落下地点に入り体を潰した。
毎回目が覚める場所は異なりつつも激痛のあとは天国か地獄かわからないこの不快感が身を襲う。
この現象を不快に思わないはずがなく、王都で一番有名な詠唱家マリーに話を聞くことにした。
マリーは城で詠唱に関する研究をしているらしく、マリーに会うには城に入らなければいけない。城に入るのが簡単なわけがなく、私は案を考えた。
その一
真面目に交渉する
「すみません、私マリーさんに用があってきたんですけど、マリーさんに合わせて貰えませんか?」
城の門番が言うには、
「マリーさんは研究で忙しいんだ。そんな一般に相手できる時間はない。帰れ。」
その二
「すみません、私両腕が取れてしまったんですけど、マリーさんに治して貰えませんか?」※痛覚は存在しています。
これは私にしか出来ない荒業だ。
何回死んでも生き返るなら、体を激しく損傷してもまた死ねば全て再生されるという、自分の体の特性を生かした技だ。ただ、激痛な点が難点である。
「お前大丈夫か!? マリーさんなら治してくれるから急げ!」
私はダンジョンのような城で血を流してまるで他人から見れば勇者のように見えてしまうだろう。
「マリーさん、いますかー?」
扉の奥から足音が聞こえてきた。
「はーい、どうしました、、、、、えぇ!大丈夫ですか!?すぐ治療します!」
それからマリーさんはすぐに治療を始めてくれた。
私はマリーさんの綺麗な緑の髪と整った顔も癒されながら治療が終わるところであった。
「マリーさん、実は私、死なないんですよ」
マリーさんは眉を真ん中に寄せて問う。
「そんなこと今まで発見されてないわよ」
「では、ここで証明しましょう」
私は両腕切断したときと同じナイフで心臓を一突き。
意識が薄れる前にマリーさんが私に辞めさせるような仕草が見えたのをかすかに覚えている。
でも
私は倒れそうになったがすぐに正気を取り戻し、必死なマリーさんの前に体勢を取り戻した。
「これでは不十分ですか?」
「いえ、今ので私の知恵がまだどれだけ浅はかか分かりました。それで、証明することだけが目的ではないですよね?」
「はい、実はこの能力、、いや呪いは最近見つけたものなんです。」
マリーさんは終始私の話に夢中だった。
「なにがきっかけだったんですか?」
それから私はマリーさんに私が自殺しようとしたときに死ねなくて、もうこの世の中はどうでもよいから早く死にたいと言ったところ、
マリーさんの真剣な眼差しが私に刺さった。
「それで、私に何をして欲しいの?」
「この呪いを解いて欲しいです。」
マリーさんは顔を曇らせた。
「一応、詠唱界隈では呪いを付け外しする魔法はあるから、やるだけやってみるわ。」
「お願いします」
私はマリーさんが詠唱を唱えている間、緊張と一緒に迷いが存在していた。
マリーさんが詠唱を終えると何やら私の胸から見たことの無い無数の手が纏っている呪いの印が出てきた。
「なんですかこれ?」
私は見たことない光景に唖然とした。
「▼■△■▼■△■▼」
マリーさんが意味のわからない言語を話し始めて、研究のブラックさを知ってしまったかと思っていたが、
「これは相当強い呪いね」
どうやらそんなことは無かったみたいだ。
「なんて書いてあったんですか?」
「汝、これにて死ぬこと能わず。
つまり、
お前は死ねない」
「そんなこと分かってますよ!どうしたらこの呪いを解けるんですか?」
マリーさんはさっきより曇った顔だった。
「私はこの国、いやこの世界で最も優れた詠唱家と言われている。そんな私で無理なら他を当たってくれとも言えない。」
私は目の前の一つの現実が閉ざされ、もう一つの現実への扉が開こうとしているのが分かった。
「私、死にます。」
マリーさんはもう同じ手で驚かないつもりでいた。
「君は死ねないんだよ。この強固な呪いを見てわかるだろ?」
「だから自分の身体を使い切って自分の人生やりたいようにやって、この身体を無限に使い切ります!」
「無限に使い切るって、それ終わらないじゃん。」
「いいんですよ。こんな能力得ようと思って得られるものじゃない分、私がこの能力でこの世界を味を感じなくなるまで味わってやります!」
「それで、この後は具体的に何をするの?」
「えぇと、、、、、、」
「決めてないんかい!」
マリーさんは呆れたように言った。
「私、あなたが興味ありそうなこと知ってるわよ」
「教えてください!」
「それは、」
そして私は「▼△▼△▼△」を求めて、旅に出た。
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