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北海道移住日記|1月1日〜1月5日 東京のお正月

最後の東京の日々。

1月1日(水・元旦)

9時過ぎに二度寝から目覚め、おせちとお雑煮を準備する。今年は引っ越しでバタバタしているので、おせちは食べたいものを少しだけ。前日につくった紅白なますを柚皮に詰め、えびの旨煮のたれを煮絡めて、焼き豚はトースターで焼く。ころ柿をクリームチーズとあえて、いただきものの松前漬けと合わせて盛り付けたら完成。お雑煮は白味噌にした。退職祝いにいただいLOUIS ROEDERERのシャンパーニュを開けて、夫と新年の乾杯。

ちょっとのつもりだったけど、並べると意外と豪華になった

お昼に阿佐ヶ谷神明宮へ向かう。大行列の中、なんとかお参りを済ませて吉祥寺へ向かう。新年一番に『グランメゾン・パリ』を観るのだ。

元旦の吉祥寺オデヲンは、そこそこ人が入っていた。映画は割と暗めなトーンでスタートし、途中で少し寝てしまった。でも、後半からクライマックスへの高揚感は期待を裏切らずにやっぱり最高で、泣きそうになった。

阿佐ヶ谷神明宮へ戻り、お守りと破魔矢を購入して、おみくじを引く。わたしは末吉、夫は大吉。

元旦から営業しているバイト先のメキシコ料理屋「olla」へ行くと、かなり混み合っていた。ちょうどふた席空いたカウンターにすべり込む。メキシコ風お雑煮とタコスプレートとハラペーニョのフリットを食べる。カウンターには常連さんたちが並んでいて、最後の挨拶をした。あまり話したことがなかった人も北海道行きのことを知っていて、応援してもらえた。

ollaのタコスは具沢山で酒のつまみに最高

帰りに駅前の「わいたこ」でたこ焼き8個入りを買う。ほろ酔いでここのたこ焼きを買って帰るのが好きだった。頼むのは、絶対に「塩味マヨネーズ付き」。

1月2日(木)

今朝はすまし汁のお雑煮をつくって、おせちの残りと一緒に食べた。送別でいただいた日本酒「玉櫻」を燗にして飲む。

今日はいつもの感じのお雑煮。三つ葉の飾りがいつもうまくいかない

引っ越しを1週間後に控え、ようやく重い腰を上げて荷物の整理を始める。まずは本を全部段ボールに詰めた。鼻水が止まらない。

15時過ぎに家をでて、小腹を満たそうと「日高屋」に立ち寄る。軽く済ませるつもりが、チゲラーメンがおいしそうすぎて頼んでしまった。

ベッドを買い替えることにしたため、表参道のコアラマットレスのショールームへ。クイーンサイズを買うつもりだったのに、キングサイズを試してみたら、それはもちろんキングのほうが快適に決まっている。北海道の新居は6LDKの一軒家なので、なんだか気持ちまで一緒に大きくなって即決してしまう。

予定よりだいぶ遅れてわたしの実家へ。「銀の皿」のお寿司と、数の子や馬刺しのつまみを食べながら、ビールに焼酎に日本酒を飲む。60も半ばを過ぎた父親が、6月で引退するらしい。引退後の生活なんて、まだまだわたしには想像もつかない。

1月3日(金)

今日は夫の実家へ。おせち用につくった焼き豚を持っていく。

夫の実家には、夫の両親、義兄家族、義姉家族と総勢11人が集まった。まずはおせちの残りをつまみながら飲む。箱根駅伝が終わったころに、近所の神社にみんなで初詣に向かう。もう3日の午後なのに、神社の前には長い行列ができていた。みんな駅伝が終わったから来たのだろうか。

初詣から帰ってしばらくすると、姪っ子・甥っ子と義姉たちが餃子を包み始めた。輪に入り損ねたわたしは、それを横目に、少しの気まずさを抱えながら飲む。お正月にこの家に来るのも3年目だが、いまだにどう振る舞っていいかわからない。

早めの夕飯はすき焼きと餃子。キッチンにいるのが一番楽なので、肉を焼き、餃子を焼いた。食べ終わったら毎年恒例の記念撮影をして、解散。最後にみんなが輪になったとき、義父が移住するわたしたちに激励の言葉をかけ、三本締めをしてくれた。うちの親戚の集まりでは触れたことのないような空気が、こそばゆい。

1月4日(土)

夫と二人で昼から山口祐加さんのご自宅へ。北海道に行く前に、と新年会を開いてくれたのだ。

メンバーは山口さんのほかに、ツドイの今井雄紀さん、バトンズの田中裕子さん、フードコーディネーターの山本咲さん。山口さんが昨年世界各国で味わってきた料理を、たくさん用意してくれていた。

特に、メキシコの酸っぱいスープと、スペインの豆といろんな肉の煮込みがおいしかった。それぞれ異なる国の料理だけど、「家庭料理」という軸が通っているからか、不思議と全然バラバラではなくまとまっている。

最後にライムをギュッと絞って食べるスープが、食事の中盤にぴったりだった。撮影は今井さん

みんな、それぞれのフィールドで仕事も生活も目一杯楽しんでいて、さらに話し上手な人ばかりだから、なんの話をしてもおもしろい。仕事の話に、タイプロの話に、過去の恋愛の話に。たくさん笑った。

わたしは17時からバイトがあるので、夫とともに先においとまする。繁華街を小走りで駆け抜け、「アンドビール」のラストシフトに。

noteの森本ファミリーと、大学のサークルの友人たちが予約をとって会いに来てくれた。常連さんも何人か最後に来てくれて、にぎやかな夜になった。奢ってもらったビールを飲みながら、いろんな人とおしゃべりしていたら、昼間に飲んだワインも効いてきて手元が狂い、洗っていたグラスが欠けた。

21時にあがって、サークルの友と「抱瓶」へ。仕事を終えた友も駆けつけてくれて、みんな酔っ払いながら、ビールやら泡盛やらいっぱい飲んだ。子育てをしていたり、休日返上で働いていたりと、それぞれ状況は異なるけれど、飲むときはみんな学生時代と変わらない顔でバカみたいに笑っている。

1月5日(日)

二日酔いである。起きることを試みるも、全身がダルくて体が持ち上がらない。胃も痛くなってきて、夫が荷物を片付けているのを横目にベッドで丸くなる。申し訳なさを抱えつつも、体は動かない。

昼過ぎからアパートで餅つき大会。幹事の夫はそそくさと準備に向かったが、わたしはゆっくりメイクをしながらタイプロを見る。推しが落ちた。

開始から1時間が経った頃に下に降りると、何人か声をかけてくれた。北海道にゆかりがある人の出現率が、他の都道府県に比べて高い気がする。もちろん、わたしたちが北海道に行くから、そういう人たちが声をかけてくれるのだと思うけれど、それにしても、多くないかな。

お餅の付け合わせとしてアパートの人が持ち寄ったおかずのレベルがとても高かった。特に明太子バターと食べるラー油(どちらも手づくり)に、何度も手を伸ばしてしまった。

奥の白い小鉢が、食べるラー油と明太子バター。柚子が効いた明太子バターには、明太子と同量のバターが入っているらしい
餅つきの最後をわたしたち夫婦に締めさせてくれた

餅つきが終わって、日も陰って寒くなってきたのに、お酒がどんどん追加され、みんな凍えながら外で飲み続けている。こどもたちはどこからか落ち葉を大量に集めてきて、謎のサークルをつくっている。つくづく、いいアパートだと思う。

夜からは「olla」の最後のシフト。餅つき終わりのアパートの人たちが9人も来てくれた。お店はそこそこ混んで、忙しく働いていたけど、みんなお酒が入って大衆居酒屋並みの声でしゃべっているおかげで、仕事しながらもだいたいの会話が聞こえてきた。

住人さんたちは3次会をアパートでやると言って帰路へ。わたしは最後のお店の締め作業を終え、別の用事で一度アパートに戻った夫と連絡をとる。お互いにラーメンを食べたい気持ちが一致したので、家系ラーメンの「あさが家」へ。10時近いけど、普通サイズを注文。夫と付き合い始めてから、いろんな家系ラーメンに一緒に行ったけど、ここが一番好きかもしれない。

家系は味が濃すぎると感じることも多いけど、ここはちょうどいい

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玉置優衣(志村)
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