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北海道移住日記|1月6日〜1月12日 旅立ち
1月6日(月)
午前中は引っ越し準備。食器を段ボールに詰めて、冷蔵庫の中身や調味料を整理する。ソース類やスパイスの賞味期限が7割がた切れていた。
アパートの餅つきを通じて夫が仲良くなった近所のお餅屋さんが、つきたての草餅を持ってきてくれる。弾力と香りが力強い。
14時に家を出て、杉並区役所へ。とても混んでいて、今日は新年初日だったことに気がつく。日程の選択ミスだ。住民票と本籍地をどちらも北海道に移すので、とりあえず転出届を書いたら、先に戸籍の窓口に並ぶよう言われる。20分以上待って係の人に相談すると、本籍の変更は余市町役場でするように言われる。並ぶ前に相談した人が教えてくれたらよかったのに。
転出届の窓口も混雑していたので、マイナポータルで自分たちでやることにした。区役所、行く必要がなかった。
気を取り直して目黒に向かう。目指すは「とんき」。ずっと気になっていたけど、夜にとんかつを食べたい気持ちと行けるタイミングが重なることが、これまで一度もなかった。年末に夫婦ふたりとも「とんかつ食べたい」欲が一致したので、今しかない!と日取りを決めた。
開店時刻ちょうどに着く。雨だからかスムーズに入れる。カウンター席のどセンターという特等席に座れた。夫とふたりでロースカツ定食2つとヒレカツの単品、ビール中瓶を注文。
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小麦粉と卵を3回まとわせてからパン粉をつけた衣は、表面はガリっとしてるのに、衣の内側はしっとりしていて、よくある衣ザクザク系とはまったく違う。ロースも脂身は控えめで、肉の旨みを噛み締める。一人で1.5人前の肉を食べるわけで、やりすぎかと思ったけど、衣も脂も重くないからペロリといけてしまった。夫はごはんを4杯食べていた。案の定、やりすぎな腹になっていた。
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雨の中、そのまま新宿へ向かって、防寒対策グッズや各所への手土産などを購入。かなり歩いて疲れたけれど、もうひと頑張り片付けをして、小杉湯へ。小杉湯の熱湯と水風呂の温度は今日も最適だった。
1月7日(火)
11時から近所の神社のとんど焼きへ向かう。我が家のだけでなく、預かった「アンドビール」と「olla」のしめ縄も合わせて焼いてもらう。松がボーボー燃えて、ものすごい煙だ。配っていた七草粥がおいしかった。
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高円寺駅前のイタリアン「ウシータ」で、「アンドビール」の元スタッフとランチ。昼からワインを飲みながらパスタをたっぷり食べて満腹だったけど、もう少し時間があったので、立ち飲みでもう一杯。よく食べ、よく飲む人は大好き。
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夜は高円寺で一番通った店「抱瓶」で、「アンドビール」の人たちと、アパートの住人さんが送別会を開いてくれた。入居当初は人見知りを発揮して、アパートの人たちとなかなか距離を詰めることができなかった。バイトを始めたことで、お店にお客さんとして来る住人さんと話せるようになり、こうしてワイワイ飲む仲になれて、働いてよかったと思う。求人情報を見て、ご近所さんである社長に応募メールを送るときは、とても逡巡したし、緊張した。
スタッフの一人から、「上の階に住んでいる人を、バイトとしてどう扱えばいいか困った」と言われた。そりゃそうだ、気を遣わせて申し訳なかった。
19時から始まり、日付が変わるまで飲んで、女性たちだけでカラオケへ。わたしは寝落ちして、4時過ぎに解散。
1月8日(水)
当然のように、朝が辛くてまったく起きられない。出かける夫を送り出し、また寝て、昼過ぎに起床。
全然お酒なんて飲みたくないけれど、今日はnoteの同僚の荒木さんと14時半に待ち合わせて、夫と3人で野毛で飲む約束をしている。どうにか出かけるも、電車に乗ってたら二日酔いと乗り物酔いで気持ち悪くなってしまった。
荒木さんと出会って1軒目のお店に入るも、顔色が悪いと散々いじられる。1杯目はウーロン茶。居酒屋でソフトドリンク頼んだの、生まれて初めてかもしれない。ツマミを食べていたら元気になってきて、2杯目からはお酒にチェンジ。
3人で6軒ハシゴした。
めのじ(大衆寿司居酒屋。とても安い!)
末広(焼き鳥の人気店。開店前から並んで満席)
ブラジル食堂(川沿いに移動して、立ち飲み。豆ごはんとチーズパンがびっくりするほどおいしかった)
野毛ハイボール(川沿いの2階にある有名店。ハイボールは氷なし)
武山人(〆はそば。蕎麦屋で蕎麦焼酎の蕎麦湯割りを飲むのが好き)
内田日和(締まらず隣の店で1杯)
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noteで一番仲良くしてもらった友人、荒木さん。「今夜、暇なんですよね」「あのお店行く日いつにする?」と毎週のように誘いあっていた日々が、急に遠くなる。
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1月9日(木)
荷物の搬出日。早めに起きて、最後の片付けをする。「ギリギリまで終わらないかも」と思っていたけど、意外にも余裕を持って片付けられた。
お昼は、ネパール料理屋をやっている夫の幼馴染がくれたカレーをチンして食べる。
14時前に引っ越し業者がきて搬出作業スタート。途中で「アンドビール」の人たちが玄関に来て、餞別をいただく。
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搬出が全部終わったのは16時半。アート引越センターさんがとても丁寧に作業してくださった。梱包し忘れて放置していたものもきれいに持っていってくれて、ありがたい。
一息ついて、夫と阿佐ヶ谷の銭湯へ向かおうとしたら、アパートの外で住人さん何人かとすれ違い立ち話。こういうのも最後だなぁ、としみじみ。
銭湯のあとは、阿佐ヶ谷で一番好きな居酒屋「越川」へ行き、食べたいものを我慢せずに食べる。焼きそばのお通しにテンションが上がり、必ず食べる鰯の梅巻きとカブトの塩焼きを噛み締める。はじめて頼んだ雷豆腐も大好きな味だった。お酒を4杯飲んで、ひとり3,500円。本当に最高の居酒屋だと思う。
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「olla」に立ち寄って挨拶だけして、帰宅。空っぽになった我が家に住人さんが集まって宴会をする。2組だけで始まり、徐々に人が増えてきて、入れ替わり立ち替わり、最終的には17人も顔を出してくれた。
最後に残ったいつもの飲み仲間が、へべれけで「余市」の空きボトルに寄せ書きをしてくれた。泣いてくれた人もいた。2年にも満たない短い間だったけど、たくさんの思い出ができたアパートだった。
みんなが帰った深夜2時過ぎに、寝袋をふたつ並べて就寝。
1月10日(金)
今日は残した荷物を車に積んで、粗大ゴミを出して、掃除するだけ。と余裕で構えていたら、残った荷物が思ったより多いわ、粗大ゴミのシールが消えてプチ喧嘩になるわ、でまったく余裕のない午前中だった。
誇張なく、引き渡し確認の業者がくるほんとうに1分前に部屋が空っぽになった。
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引き渡しを終えたら、1階の「アンドビール」で最後のランチ。住人さんが一緒に食べに来てくれたり、挨拶に立ち寄ってくれたり、昨日も夜遅くまで飲んでたのに、気持ちがうれしい。
「アンドビール」も今日はスタッフが多く、「olla」の店長もわざわざ立ち寄ってくれて、最後にちゃんと挨拶ができた。
名残惜しみながら車に乗ったら、車の通り道でアパートの女将とそのパートナーが待ち構えて手を振ってくれた。なんてエモい画なんだろう。
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車で大洗港へ向かう。仔猫2匹を連れて行くので、北海道へはフェリーで行くことを選んだ。新卒時代に水戸に住んでいたので、大洗は懐かしの地。10年以上前に何度も見てきた風景の中を通っていく。ここにいた頃は「もう二度と田舎には住みたくない」と思っていた。
17時半に乗船し、19時45分に出港。ペットと泊まれる部屋は、思ったよりも狭くて、折り畳み式のベッド2つを広げて、猫のキャリーバッグとトイレを置いたら足の踏み場がほとんどなくなった。
それでも5時間以上キャリーバッグにいた仔猫たちには十分にくつろげる広さだったようで、最初は様子をうかがっていたけど、しばらくしたらベッドの上や棚の上を探索し始めた。
夕飯はフェリー内のレストランでビュッフェを食べ、船室のテレビで『ハウルの動く城』を見ながら寝落ち。
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1月11日(土)
猫が夜の間に何度も枕元をウロウロしていて、ぐっすり眠れなかった。6時過ぎ、ちょうど日の出の時間に起きて、デッキへ出る。立っていられないほどの風で、すぐにリタイア。
大きな窓がついているお風呂に入り、海を眺める。薬を飲んだおかげか、船酔いは昨日からまったくない。
朝ごはんを食べたら、部屋に戻って二度寝。
お昼に、昨日「アンドビール」でもらったビリヤニを夫と分け合って食べたら、そろそろ着港。18時間の航路もあっという間だった。
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車に乗ったあとも、地上に出る順番はなかなか回ってきそうにない。電波もあまり通じないので、持っていた馬田草織さんの『ホルモン大航海時代』を読む。その中に、馬田さんが子どもを持つことについて考えるきっかけとなったエピソードが書かれていた。30代半ばで会社を辞め、フリーランスとなって海外を行き来しながら仕事に打ち込んでいたときの話だ。このエッセイが、ちょうどずっと自分が考え続けていたことと重なって、それがまた北海道の港というあたらしいフィールドへの入り口で読んだものだから、「あ、エイヤで決めちゃうタイミングかも」と、スッとモヤが晴れたような気持ちになった。
14時半にようやく船を出られて、苫小牧に降り立つ。港の市場に行って、海鮮丼をふたりで分けて食べる。ごはんの量が多くなくて、厚切りで脂が乗ったの刺身はてんこ盛りで、北海道の一食目にふさわしすぎる満足感だった。
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車で余市に向かう途中で、ワークマンに立ち寄る。大洗では売り切れだったスノーブーツのサイズがあり、即購入。スポーツブランドだと2万円前後するブーツが、なんと2,900円。防水で、氷で滑りにくくて、あったかい。旅のはじまりにさっそく最強の装備を手に入れた気分。
苫小牧はときおり陽も差していて、雪もほとんどなかったけれど、高速の途中から雪がぱらつき始めた。小樽で降りると、雪がしっかりと積もっていて、北海道の中でも気候がまったく異なることを実感する。でも、体感温度はそこまで寒くなく、ヒートテックにセーター、ダウンという東京と同じ格好で問題ない。
不動産屋に挨拶を済ませたら、余市のオチガビワイナリーへ向かう。落夫婦が迎え入れてくれた。
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まずは、猫のケージを、ワインショップの中に設置させてもらう。移動が続いた後に、見知らぬ場所で見知らぬ人に出迎えられた猫たちはまったく落ち着けないようで、特に警戒心の強いアメにシャーシャー鳴かれた。
用意してもらったすき焼きを食べたら、落さんの運転する車で自宅へ。なんと今朝、先に来て雪かきをしておいてくれていたのだ。中をさっと確認したら、閉館間際の温泉に滑り込む。
今夜はオチガビの客間に宿泊させてもらう。
1月12日(日)
もともとホテルや人の家のベッドでは寝付きが悪く、さらに引っ越しの興奮が重なって、ほとんど眠れないまま夜が明けた。
9時に引越し業者が来る。荷下ろしにも2時間かかった。2LDKのアパートから、2階建て6LDKの一軒家に引っ越したので、荷物をどこの部屋に割り振るかの指示がとても大変だった。
別の業者が来て洗濯機をつなげてもらうと、何やらモーターから異音がする。メーカーに見てもらったほうがいいということで、しばらく洗濯機が使えなくなってしまった。
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オチガビでお昼ごはんをご馳走になったあと、猫たちを家に連れて帰る。まだ全然片付いていないけれど、ストレスが溜まりすぎている2匹を解放することにした。ダンボールの合間を縫って2匹でずっと走り回っていて、元気な姿にホッとする。
ドッと疲れがきてしまい、眠さも相まってほとんど何も片付けられてないうちに、落夫婦が夕飯の迎えにやってきた。
車で小樽に向かい、焼肉をご馳走になる。サガリがとてもおいしかった。北海道の人にとって、ジンギスカンは外で食べるものではなく、家で食べるものだと教わる。
家に帰ってソファで寝落ちしかけるも、なんとかシャワーを浴びて、2階の寝室に猫を押し込み、あたためた部屋で一緒に寝る。夫は朝までソファで寝ていたらしい。猫が2時間おきに起きて走り回るので、全然寝られなかったけれど、2匹が元気なことが嬉しい。きょうだいで引き取ってよかった。
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