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北海道移住日記|1月13日〜1月19日 ワイナリーでの仕事はじめ

1月13日(月)

明け方にようやく猫たちがベッドでおとなしくなり、私にも深い眠りがきた。

8時過ぎに目覚める。コンビニに朝ごはんを買いにいく。コンビニまでももちろん車。この距離感にもすぐに慣れるのだろうか。

今日はキッチンを片付けると決めて、黙々と作業をする。備え付けの棚は多い物件だけれど、扉の建て付けが悪かったり、木がかなり古くなっていたりするので、持ってきた棚と併用することにした。使い勝手のいい配置ができた気がして、満足。

ひと段落してからお昼を食べにいくも、14時過ぎにはほとんどやっているお店がなく、イオンに入っているチェーンの「味の時計台」へ。味噌ラーメンは安心の味。外食の選択肢がどうしても減ってしまうので、これからは自炊の割合がかなり高くなるだろうな。

余市にはラーメン屋はチェーンも含めて割とある

オチガビに立ち寄り、落夫婦と少し話をして、まかないの余りのハンバーグを分けてもらって帰宅。

ご近所に挨拶回りをして、キッチンと洗面所の片付けをやりきったあと、ビールで乾杯。リビングとキッチンが片付いたおかげで、ようやく落ち着いてごはんが食べられるようになった。

お風呂上がりに飲んだトマトジュースが、とてもおいしくてびっくり。

挨拶に行ったご近所さんからいただいた、余市産のトマトジュース。トマトハイにするのはもったいなくてそのまま飲んだ

1月14日(火)

昨夜も寝室で猫たちが走り回っていて、何度も起きてしまう。寝るときは暖房を寝室しかつけていないので、猫たちも同じ部屋に寝かせているのだ。北海道の一軒家における、夜間の防寒と猫との共存の最適解がまだわからない。

購入したガスコンロにガス栓をつなぐホースがついていなかった。カセットコンロでお湯を沸かして、味噌汁と納豆ごはん、茹で鯖で朝ごはん。今日は朝から雪が降っていて寒い。

午前中のうちに、ガスの開栓確認、インターネットの回線工事、洗濯機の修理、水漏れしていたトイレの修理、がやってきた。トイレはウォシュレットの管が、凍結して破裂していたらしい。入居前のことなので、新品に取り替えてもらえた。

お昼はかまぼこ工場の直販所(北海道では、さつま揚げのことをかまぼこという)で、うどんを食べる。薄味の出汁がからだに染みいるうまさで、揚げたてのかまぼこはじゅんわりあたたかい。これがなんと400円。

かまぼこは種類がいろいろあって、選んだらその場で揚げてくれた

諸々の手続きを済ませに役場へ向かう。東京の区役所だと番号札を取って待つのが普通だが、ここでは順番に列に並ぶ。呼ばれるときも番号ではなく名前で呼ばれる。職員さんと町民の距離が近い気がする。

この3年の間に、住所変更3回と氏名変更を1回行った結果、とうとうマイナンバーカードに新しい住所を書く欄がなくなってしまい、再発行になった。

隣の警察署で免許証の住所変更も終えて、スーパーとホームセンターで買い出しをして帰宅。

夕飯は鍋にした。スーパーには北海道産の海鮮がたくさん並んでいて、どれも珍しいものばかりでたのしい。その中から、今日はすけとうだらの白子と刺身の切れ端盛り合わせを買った。

北海道では白子のことを「タチ」というらしい。旬のいまはスーパーにたくさん並んでいた

1月15日(水)

昼から車で小樽へ向かう。余市にもスーパーやホームセンターなどはいろいろあるので、日常的な買い物は事足りるけれど、ユニクロやニトリは小樽にしかない。ちなみに、マックもミスドも小樽にしかない。スタバは札幌まで行かないといけない。

イオンやニトリ、無印良品が入っているショッピングモールに行くと、あまりに広くて驚いた。フロアの一部を占めているだけのニトリを見て回るのにもぐったり。無印良品の場所がわからなくてウロウロして心が折れそうになる。場所に余裕がありすぎるので、店と店の間の廊下が広いのだ。モールの中だけで1万歩近く歩いた。

帰り道で、小樽と余市の間にある「トライアル」というスーパーに立ち寄る。バーコードリーダーつきのショッピングカートと、肉の安さに興奮した。北海道のブランド牛「白老牛」がたくさん売っていた。

明日から仕事がはじまるので、景気づけにワインを飲むことにして、夕飯をつくる。キッチンの気温が低いので、料理をしているととにかく湯気の量がすごい。鍋が見えなくなるほどだ。ワインは年末でカーブドッチ(落さんがオチガビの前に立ち上げた新潟のワイナリー)で買ってきたシャルドネを空けた。

辻仁成さんレシピの、茹でじゃがいもに目玉焼き乗せたものがシンプルでおいしかった

残ったレンズ豆と塩豚の煮込みを、もう少し煮込もうと火をつけたままにしていたら、すっかり忘れてしまい、ストウブの鍋を真っ黒に焦がしてしまった。業務用のガスコンロを設置したので、安全装置がついていないのだ。結構なダメージを喰らった。

『べらぼう』の第一話を見て就寝。

1月16日(木)

今日からワイナリーでの仕事がはじまる。9時始業なので、余裕をもって7時に起きた。でも、朝ごはんをつくり、洗濯機を回し、猫の世話をしていたらあっという間に時間が過ぎていて、結局ゆとりのない朝になってしまった。

職場までは車で10分弱。朝から雪がしっかり降っていて、気温は-5℃。

まずは夫と一緒に、レストラン業務を教えてもらう。オチガビは春から畑の仕事が始まり、秋の収穫〜醸造の時期が最も忙しい。畑も雪が積もり出す前に木の剪定を終えたら雪が溶けるまでは何もすることがないので、いまが一番ゆとりのある時期らしい。たまたまだけど、業務を覚えるにはちょうどいいときに入社できた。

まかないは牛丼だった。卵を割ったら温泉卵で、うれしくて声をあげた。

夜は落夫婦に余市駅近くにある寿司屋兼居酒屋のような「ガーデンハウス」に連れて行ってもらう。ランチのちらし寿司が有名な店のようだ。

ザンギがフライドチキンのようなサイズとガッリガリの衣でびっくりした。ホッケは肉厚で脂が乗っていて、東京のチェーン居酒屋で食べるものとは、当たり前だけど全然ちがう。お寿司もいくつか握ってもらった。八角(ハッカク)のお寿司が、歯応えがあって肉厚でおいしかった。

ザンギ。小学生の拳サイズくらいある
手前の白身が八角。しゃこも肉厚でおいしい

隣で、どこかの会社か役場の人たちが大勢集まって宴会をしていた。余市には代行がない。飲み会のあとみんなどうやって帰るのかガビさんに尋ねたら、家族が迎えにきてくれたり、誰か飲まない人が代表してみんなの家を回って送ってくれたりするらしい。

1月17日(金)

6時に起床。日の出までは1時間以上あるので、辺りは真っ暗。部屋の中も4℃しかなくて、灯油ストーブを「強」で焚きながら、朝ごはんの準備をして、化粧をする。

朝は日も射していたけれど、外気温は-6℃。家の中はストーブを焚けば寒くないけれど、東京から持ってきた観葉植物たちには耐えられない寒さのようだ。引越しでもかなりのダメージを受けていた小さな鉢たちはほとんど枯れてしまった。大事に育てていたエバーフレッシュも瀕死状態だ。本当は温かいストーブの近くに置いてあげたいけれど、エバーフレッシュの葉っぱは猫たちには遊び道具にしか見えないようで、そのまま置いておくと葉っぱを引きちぎられ、土を掘り返されてしまう。苦肉の策で、ゴミ袋を被せてガードして、窓際にカーテンで隠して置いてみた。

今日は、夫は地下の醸造所でワインの瓶詰めの仕事。私は先輩スタッフと共にレストランとショップの仕事をした。夏はかなり混み合うらしいが、この季節、特に平日はお客さんはかなり少ない。

まかないは唐揚げだった。唐揚げとザンギの違いをキッチンのIさんに聞いたら、「おんなじだよ」と言われた。

これは唐揚げ

帰りはホームセンターの「コメリ」に寄る。木材が東京より安くて夫と二人で感激した。今日は何も買わなかったけれど、いずれ本棚をつくる予定。

スーパーで安く売っていた「カジカ」のパックで鍋をつくる。アラを霜降りにするのはちょっと面倒だけど、おいしい味噌味にできた。

1月18日(土)

朝の気温は-7℃。1階に降りると、室内温度は3℃だった。目玉焼きを焼こうとしたら、キッチンの窓際に置いていたオリーブオイルが凍っていた。

今朝は晴れ。通勤のときは、雪に覆われた葡萄やりんごの畑の間を通っていく。遠くには雪が積もった山が連なっている。北海道らしいきれいな景色に毎朝、新鮮な気持ちにさせられる。

今日もレストランサービスのお仕事。お客様の中に、岩永さんのインタビュー記事を読んでくださった方がいた。この記事が縁もゆかりもない北海道にやってきた私たちの後ろ盾になっていることを実感する。

帰宅したらお風呂セットを持って隣の村の温泉へ。車で真っ暗な道を30分いく。

10月に来たときは、露天風呂とサウナがとても気持ちよかった。けれど今日は、はやく帰りたいと気持ちが急いて、ゆっくり楽しめなかった。夫はかなり楽しんだようで、待合スペースで待っていてもなかなか出てこない。

夕飯はポッサムにする予定だったけど、思ったより遅くなったので、これから豚肉を茹でるのが嫌になった。昨日のかじか鍋のスープでおじやをつくって食べた。

1月19日(日)

昨日いただいたまかないの残りで朝ごはん。味噌汁をつくるだけなので、今日は余裕があって、出かける前に猫とのんびりした。

今日は日曜だからか、お客さんがいつもより多かった。トレーナーに見守られながら、夫と二人で業務。レストランの大きな窓から見える空が、晴れてたり、雪がササっと舞ったり、曇ったりと、コロコロ慌しかった。

お客さんがいなくなったら、休憩時間になる。今日はまかないも夫と二人で食べる。

夕飯は今日こそポッサムにする。葉物が高い。北海道は雪で潰れてしまうので、ハウス栽培もほとんどやっていなさそうだ。だからか東京よりもさらに野菜が高い気がする。代わりに魚は安い。ついつい買ってしまったニシンとマグロの刺身も一緒に食べた。

スーパーのパックのお刺身もしっかり脂が乗っていておいしい

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玉置優衣(志村)
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