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北海道移住日記|2月3日〜2月9日 急に雪

2月3日(月)

数日前に見た天気予報ではしばらくずっと雪の予報だったけど、今朝は晴れていた。でも気温は-5℃で、身に沁みる寒さだ。

醸造スタッフがショベルカーで雪かきをしてくれている

長期休暇を取っていたスタッフのTさんが今日から出社。事務作業やサービスを一手に担っているかたで、さまざまな仕組みがいまの状態になった経緯などを教えてもらう。複数の会員制度があり、管理システムや毎年・毎月の対応がかなり複雑なオチガビ。この整理や改善もいずれは着手したいけれど、全貌を把握して咀嚼するにはまだ時間がかかりそうだ。

夕飯は3パックで1,280円だったお刺身。ニシンとカツオは脂が乗っていて、イカはねっとりうまい。このレベルのお刺身がこの値段、さすがの北海道クオリティに感動する。あとは夫がつくってくれたきのこパスタという家庭料理っぽい食卓。

カツオ、マツイカ、ニシン

アメルとレザンのきょうだいを引き取ったかたからインスタのメッセージがきた。写真を送ってもらうとレザンに瓜二つだった。

うちのレザン。4ヶ月くらい

2月4日(火)

今日はこっちに来てはじめて札幌へ。高速に乗っていると、天気がコロコロ変わる。日差しと道路の照り返しで目を開けていられないほど眩しいかと思えば、急に雲が覆って雪が降り始める。外気温も氷点下になったり5℃まで上がったりと、せわしない。

有名な回転寿司店のトリトンでランチ。濃厚でぷりぷりの白子(タチ)と、歯ごたえシャッキリのつぶ貝が今日のツートップ。締めにたべたアイスが、濃厚でトルコアイスのような粘りがあって、予想外のおいしさにびっくりした。二人で16皿食べて、5,000円ちょっと。

こっちはほんとうに白子がおいしい

まずは運輸局へ行き、車の名義変更の手続きを夫がする。わたしはベンチでうとうとしていただけだった。

今日から札幌雪まつりが始まったので、大通り公園へ行く。平日の昼間にもかかわらず、観光客で結構なにぎわいだった。不思議な雪像がいっぱいあっておもしろい。

いま気がついたけど、左端に写っている雪像がなかなかシュール

パルコとヤマダ電機で買い物を済ませて帰路に着いた車の窓から、時計台の前で写真を撮っている観光客を見た。「ちょっと前まで、わたしにとっても観光地だった札幌が、いまは買い物に来る場所になったんだ」としみじみする。

帰り道で「純連」に寄る。北海道出身だった学生時代のバイト先のひとに、「北海道旅行に行くなら、すみれじゃなくて純連に行け」としつこく言われたことを思い出しながら、味噌ラーメンを食べた。

上に油の膜がはっているので、ずっと熱々

ここからはわたしが運転を代わる。車体が傾くくらいガタガタの住宅街の道を抜けて、大通りに入ろうとしたら、雪にタイヤがハマってしまった。通行人も多い歩道からなんとか抜けて高速に乗ろうとしたら、車線を間違えて、またぐるりと元の住宅街に戻らなくてはいけなくなった。

高速は両脇に雪がぎっしりと盛られいて、車線にはみ出しているところもある。両脇にすごく神経を使う。途中からかなり風が強くなってきた。ときおり雪が混じった白い突風が横から吹きつけてくる。1時間のドライブにこんなに緊張したのははじめてだ。10年ぶりくらいとなる高速の運転の再デビューには、なかなかハードなドライブだった。

2月5日(水)

朝起きると窓の外では雪が吹きつけている。寝ている間に積もった雪で景色が変わっていた。暴風雪警報もでている。

こんな天気でも、日時指定していた荷物をヤマト運輸は届けてくれた。東京にいるときよりも、物流業者さんへの感謝の念を感じる日々だ。

出かけるのをやめて、家の片付けをすることにした。板が割れていた押入れの床に壁紙用のシートを貼り、破れていた玄関の目隠しカーテンを付け替える。

夕方に書斎でPC作業をしていた隙に、食卓の上に置いてあったブラウニーの袋を猫が破って、中身も少しかじったようだ。チョコは猫にとっては危険な食べもの。レザンとアメル、どっちが食べたのかわからない。もうこの時間は近所の動物病院もやっていない。焦っていても猫たちはケロッとした顔をして遊んでいる。かじった量もかなり少ないので、様子を見ることにした。

寝室のストーブの灯油が切れてしまい、底冷えがする。猫と一緒に布団にくるまったら、わたしの胸元をチュパチュパと舐め続けている。喉はずっとゴロゴロ鳴っている。元気そうでよかったけれど、2時間くらい眠れない時間が続いた。

2月6日(木)

夜にも雪が降り、リビングの窓から見える雪はもう腰を超える高さまできてしまった。「今年は雪が異常に少ない」と言われていた1月分を、一気に取り返すような降りかただ。家の前の雪かきをした夫は、顔を真っ赤にして戻ってきた。

かいた雪を集める玄関脇は、もうこんな高さ。一軒家はどこも、雪を遠くに飛ばせる電動雪かき機を持っている

ワイナリーへの坂道は公道ではあるけれど、その先に住むひとが少ないので、除雪はどうしても後回しになってしまうよう。道を雪がしっかりと覆っていて、二駆のうちの車では登り切れるか不安になった。

外はずっと強い風が吹いている。

風が強いのでつららも波打つ

業務終了後は、落さんによるワイン講座の2回目。留学していたドイツだけでなく、ヨーロッパ全体の土地や歴史、言語の成り立ちなんかも頭にはいっていて、いつもその知識と教養の深さに驚く。と同時に、受験ではあんなに頭に詰め込んだ知識がほとんど抜けてしまって、落さんに何を聞かれても「わかりません」と答えるしかない自分にがっかりする。

夕食後は、友だちに紹介してもらった地方創生や観光事業に携わっている札幌在住のかたと、Zoomで話をする。北海道の観光事情や、観光局が出しているデータの見方などを教えてもらう。いまはワインの勉強や生活のチューニングに必死だけど、ワイナリーの将来を考えると、余市の観光をどう盛り上げるか、ということもしっかり勉強して考えないといけないと痛感する。学ぶことだらけだ。

2月7日(金)

夫がいつもより30分はやく勤務開始なので、わたしも早く起きた。車が一台しかないので、一緒に出勤だ。

余市はゴミの分別が細かく、かつ、燃やすゴミ以外は出せる頻度が少ない(燃える/可燃ゴミではなく、“燃やす”ゴミだ)。今日は燃やすゴミと、2週間ぶりの古紙・缶・びん・ペットボトルの回収日。大量に溜まっているものを車に積んで運ばなければいけない。

朝ごはんの支度に洗い物、洗濯、そうじと忙しなく動いているわたしとは対照に、夫はのんびりスマホをいじっている。「ゴミを車に積んで」と頼んだ直後に、食卓に朝ごはんのパンくずが大量に落ちているのが目に入った。「その前にテーブルを拭いて」と伝えたら、「俺を振り回さないでよ」なんて言うもんだから、「朝はやることがいっぱいあるの。シングルタスクじゃ終わんないんだよ」とキレてしまった。

引き続き雪がパラついている。お客さんはほとんど来なかった。合間に、レジや出庫業務の細かいことを教えてもらったり、ECサイトの設定をしたりしてはやめに業務終了。

今日のつらら

明るいうちに帰宅したら、猫たちのあまりのかわいさに、しばらく写真を撮り続ける。

ほんとうはもっとかわいいのだ。ほんとうに

しゃぶしゃぶを食べて、隣村の温泉に行ったら、どっと眠気がやってきて、就寝。

2月8日(土)

一昨日の鍋を雑炊にして朝ごはん。今日は夫が朝の家事のいろいろを、黙々とやっていた。

雪は降っていないけれど、外に出ると、一瞬で手先が痛くなるような寒さだ。ワイナリーの中もさすがに肌寒いくらいには冷えているけれど、日が差し込むと、全面三重のガラス張りの室内は、暑いくらいに温まる。体温調節が難しい。

かなり成長したつらら

レストラン業務の合間に、オンラインショップのあたらしい商品の、オペレーション確認とマニュアルづくりをした。動作確認とか、テキストの調整とか、去年までは慣れ親しんでいた仕事を久しぶりにやってみて、懐かしい気持ちになる。でも、Windowsにはいまだ慣れない。

家に帰ったら、うずたかく積もっていた雪が、うちの前だけきれいになくなっていた。たぶん、オチガビのひとがショベルカーで除雪してくれたのだろうけど、なにも聞いていなかったのでびっくりした。春先までこの雪とともに生きるのかと思っていたから、感謝しかない。

夜は町の人が集まる会合に参加。そこで出会ったひとに、いま住んでいる町名を伝えると、「5丁目か、僕は4丁目出身なんだ!」となんだかとても喜んでもらえた。引っ越して来る人はたいてい駅近くの住宅街に住むので、めずらしいのだ。余市の冬の海の、テトラポッドに打ち付ける波の白さの素晴らしさをおしえてくれた。

2月9日(日)

出社して確認したら、やっぱり昨日うちの雪を除雪しにきてくれていた。黙ってやるなんて、粋すぎる。

雪に突き刺さりそうなほど成長したつららは、このあと撤去されてしまった

今日も先週の日曜と同じくらいレストランが混んだ。お客さんが分散していれば余裕なのだが、どこの世界でも、絶対に重なるものである。レストランとショップを夫とふたりで回すので、なかなか忙しかった。シェフに「忙しかったですね」と言ったら、夏のたいへんさについていろんな角度からの説明を受け、脅された。

クタクタで15時過ぎにまかないを食べ、残務をして帰宅。久しぶりに車庫入れをしたら、雪で景色が変わっていて、ぜんぜん感覚が合わず、5回くらい切返してしまった。雪にくっきりタイヤ痕がついていて、とても恥ずかしい。ようやく家に入ると、リビングにビニール紐が散乱していて、思わずへたり込んだ。

ちゃんとしまっていても、自分たちが遊んで楽しそうなものだけ引っ張り出してくる

冷蔵庫にあったつまみになりそうなものを寄せ集め、さっきスーパーで買ってきた白子だけソテーにして、白ワインをたくさん飲んだ。

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玉置優衣(志村)
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