4月24日

ここのところジメジメした日が続いている。
今日は一日中なぁんとなく弱い雨が降っていた。娘の降園時間にも霧雨が降っていたので公園には寄らずに、ゆっくり歩いて帰ることに。
傘はいらないくらいの雨だった。
この辺は畑も自然も多いので、せっかちの私でも歩いて帰るのは楽しい。
娘が「あ!あのお花、とんちゃんの幼稚園にも咲いてるよ!」と山の上の方を指差す。見ると、手入れの施されていない、無造作に生えた木々に絡みつくようにして、藤の花が綺麗に咲いていた。咲き散らかしていた。かな。咲き散らかってた。
「おー綺麗やね。藤の花いうんよこれ」
「あ…!!そうそう。先生も藤の花って言ってたぁ!」
こんなふうに娘の、幼稚園での会話が垣間見えると嬉しい。

そのまま山側の道を歩くと、桃色のつつじが咲いている場所があった。私の肩くらいのところで咲いていた花を一つ摘んで娘に吸わせてみた。
ツツジの蜜を初めて吸った娘は
「わぁ!甘い!お砂糖みたいな味がする!」
と目を輝かせていた。美味しいよね。
小学校の帰りに国道沿いに咲いていたツツジを同級生と吸いまくっていた過去を思い出す。ほぼみんなやっていたので、うっかり通学路側に咲いてしまったツツジは、花開いた瞬間からみんな吸い尽くされていった。犬猫の糞尿とか排気ガスとかタクシーのおっちゃんの立ちションとか誰も気にしていなかった。今元気にやっているからそんなに問題じゃなさそうだけど、娘には、高いところにある花を摘みよ、と伝えた。

娘はところどころ立ち止まって草木を見ていた。
全面に雨粒をつけた大きな蜘蛛の巣を見て
「キラキラしてて綺麗〜。これ、虫さんたちが『綺麗だなー』って近寄ったら、くっついちゃうってこともあるかもしれないよね。罠だよ、罠。」
と言ってた。そりゃうっかり虫さんやわ。
娘は最近ハマっているカラスノエンドウのぱんぱんになった鞘を摘んで帰った。
鞘を開くと小さな小さなお豆が出てくるのだが、それをゆがいて娘のご飯にだけかけるのだ。本当に小さい豆だけど、ちゃんと甘味があって豆の味がする。

私は、巨大なノビルを見つけた。
球根部分が10円玉サイズ。葉は普通にネギだった。山の、栄養満点のふかふかの土で育っていたので少し引っ張るとボコリと簡単に抜けた。巨大ノビルを何本か摘んで自転車のカゴに入れた。家に向かっている途中、後ろを歩く娘が
「ノビル臭い!匂おうとしないのに勝手にノビルの匂いが鼻に入ってくる!」
と騒いでいた。独特の言い回しが可愛い。あんたはこれをこないだ洗濯機に入れていたんやでぇ。

普段自転車で5分のところを30分以上かけて帰った。
楽しかったね。

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