仕事、恋愛、友人関係……日常生活の中でぶつかる課題は「デザイン思考」を用いれば大体解決する。という話
はじめに
こんにちは、アドウェイズの遠藤です。2022年も、もう残りわずかになりましたね。
年末に発表されることが恒例の、1年の世相を表す「今年の漢字」には「戦」が選ばれたそうです。緊迫度を増す世界情勢や、円安・物価高による生活上での「戦」い、スポーツでの熱「戦」・挑「戦」が注目されたことなどが、主な理由とのことです。
私の2022年も、それはもう「戦」いの1年でした。2歳の子供は、会話ができるようになり、自我や自立心が芽生え始めた一方で、“イヤイヤ期”がスタート。毎朝「保育園に行きたくない!」と駄々をこねる息子と、現在もあの手この手で戦い続けております。
また、仕事においても、立場が変わり業務面などで新しい環境で慣れないことも多く、戦いの日々。成長の機会も多かったけれど、反省も多かった1年でした。
ただ、そんな2022年でしたが、息子と同じく「イヤだ!」と言って投げ出したり、諦めたり、怒ったりしなかったのは、私が経験を重ねて大人になったからだけではなく、ここ数年で“素晴らしい術を身につけた”、という理由もあるのです。
その術が、今回のnoteのテーマに挙げた「デザイン思考」です。
この「デザイン思考」が身につけば、仕事、恋愛など生活の中でぶつかる課題は、だいたい解決すると私は思っています。10〜20代前半に、もしこの手法を知っていれば、私の人生は今より少しばかり満ち足りていたことでしょう(決して、大袈裟ではありません!)。
今回のnoteでは「デザイン思考」がなぜ生活を豊かにしていくのか、どのように活用していくべきなのかを紐解いていきます。「デザイン思考とはなんぞや」という方はもちろん「デザイン思考なんて当たり前のように知ってるよ」という方も、また「これから学びたい」と考えている方も、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
生活でも「デザイン思考」を活用する
「デザイン思考(Design Thinking)」とは、商品やサービスを使う“ユーザーの視点”から課題を見つけ、解決策を考える手法のことを指します。
デザイナーやクリエイターが仕事を行う際に用いる思考のプロセスを、他のビジネスカテゴリーでも活用しようという動きによって、提唱され始めました。
つまり、色や形といった「デザインを考える」ことではありません。ビジネスや人とのコミュニケーションにおいて、前例のない課題に直面したり、商品やサービスの改善策に行き詰まったりした際に役に立つ「思考法」のことです。
この手法が提唱され始めたのは、約10年前。そのため、記事を読んでいる方の中には「なぜ今さらデザイン思考なのか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、今回のテーマは、ビジネス視点で「デザイン思考」を活用することを説くのでなく、あくまで「普段の生活で活用してみると、人生がちょっと豊かになるかもしれないですよ」ということをお伝えしていくものです。その点も考慮してご覧になっていただけると助かります(どうぞお手柔らかに)。
脱ぎっぱなしの靴下を洗濯機に入れるには
普段の生活において、デザイン思考を活用した例を紹介します。
例えば、皆さんが家族やパートナー、ルームシェア、居候、どんな形でも良いのですが、現在自分以外の誰かと暮らしている状態にあるとします。
そして、その同居人は、いつも靴下をソファの下で、脱ぎっぱなしにして放置しています。なぜ、歩いてすぐそこにある洗濯機の中に靴下を入れられないのか……。想像すると、ちょっとだけ腹が立ちますよね。
さて、この場合、自分の欲求を満たすという行動だけで考えれば「脱いだ靴下は洗濯機に入れてね!」と相手に伝えれば良い話であり、それが一番ベターな選択に思えます。
しかし、本当にその方法で良いのでしょうか。ひょっとしたらそのことを伝えたのち、相手から「今やろうと思ってたんだよ!」と“逆ギレ”され、喧嘩や言い争いに発展することも十分あり得ます。
人間は感情を持つ生き物だからこそ、自分の承認欲求を満たすための行動を先に設定しがちになります。今回の目的は「洗濯機の中に靴下が入っている状態」を確保できれば問題が解決するはず。しかし、相手に「靴下を放置していること」を安易に伝えてしまうことで、相手は怒り、いつのまにか喧嘩が始まってしまう。そしてその状態は、問題が解決したとは決して言い難いもので……。喧嘩やトラブル、行き違いは、こういったケースが要因となることが多いのではないでしょうか。
では「デザイン思考」の考え方で、この問題を解決に導いてみましょう。
上記の図が「デザイン思考」の5つのプロセスを表したものです。このプロセスのゴールに「脱ぎっぱなしの靴下を洗濯機に入れること」を設定し、1からステップを踏んでいきます。
1.共感(靴下を脱いで放置する相手の気持ちを理解する)
相手に直接「靴下を洗濯機に入れて」とお願いするのではなく、なぜ靴下が洗濯機に入らないのかという課題を紐解き、相手の気持ちを理解し、共感します。
2.定義(「洗濯機の中に靴下が入っている状態」を確保するのが目的である)
共感を得ることができたら、次に改めて目的をおさらいします。先述したように今回の目的は、あくまでも「洗濯機の中に靴下が入っている状態」を確保すること。つまり、そのゴールを達成するためのプロセスを考えれば良いだけの話なのです。
3.概念化(どうすれば靴下を脱いで放置することがなくなるか)
「洗濯機の中に靴下が入っている状態」を確保するために、記事を読んでいる皆さんの頭の中にも、すでにさまざまなアイデアが生まれてきた頃ではないでしょうか。
4.試作(前段のアイデアを形にする)
捻出したアイデアの中から、何を選択し、どのように形にするかを考えていきます。
5.テスト(実際に試し、結果と課題点を考察する)
形になったアイデアが、実際に現場で役に立つのか否かのテストを行います。上手くいかなかった場合は、もう一度最初のプロセスに戻り、別の方法を考えていきます。
いかがでしたでしょうか。無駄な衝突やトラブルは免れ、より進むべき方向に二人は向かうようになりましたね。多少の労力はかかるかもしれませんが、時間や頭を効果的に活用した方が、喧嘩によって解決するよりも随分と楽であり、また、本来の目的を見失わずに行動することができると思います。
冒頭でお話しした息子の“イヤイヤ期”に対しても「デザイン思考」を取り入れ、頭ごなしに叱るのではなく、一度息子の気持ちを理解してあげることを大切にしています。そうすることで、お互いの怒りが自然に収まっていくことを感じています。
もし世の中に「デザイン思考」が溢れたら、平和で幸せな世界の実現に一歩近づくかもしれませんね(大袈裟ではないです)。
恋愛にも「デザイン思考」を活用してみる
上記では「脱ぎっぱなしの靴下」を例に出しましたが、冒頭でも伝えた通り、生活の中でぶつかる課題の大体は「デザイン思考」を活用すると解決に近づくのではないかと私は思っています。
恋愛もその一つです。当たり前の話ですが、相手の気持ちを理解せずに、単に「好きだ」と伝えるだけでは、相手は振り向きませんよね。恋愛がそんな簡単な話ではないことは、誰もが知っている事実です(お互い一目惚れとかでない限りは!)。
改めて「デザイン思考」を用いて考えてみましょう。相手の行動を観察し、その人が自分に求めていることを言語化することから始めていきます。
仮に、気になった相手の趣味が「音楽を聞くこと」だとしましょう。
この場合「へえ、そうなんだ。音楽が好きなんだね」と単純に思うだけでは、何も始まりません。まずは共感をし、定義をしていくことが大事なポイントですからね。
そして「音楽が好きです」という話題だけでは分からないインサイトを探し出し、コアなポイントを捕まえ、相手に興味を持ってもらえるようなアイデアを創出することができれば、自ずと結果が見えてくるのではないでしょうか。
その後のコミュニケーションにおいても「デザイン思考」を活用し、無駄な衝突やトラブルを避け、相手にとって必要な存在になっていく。恋愛はその繰り返しです。これはとても大切なことなので、学校の授業で教えてくれれば良かったのに、と切に思います。
「失敗と消費が繰り返されていた」20代の頃
20代の頃の私は、感情的に動くことが多いかった人間でした。そのことが課題であることは理解はしていたのですが、きちんと向き合うことからは逃げていたのです。似合わない服を買ったり、財布を何度も失くしたり、ちょっとした怪我も多かったり、誰かと喧嘩をしたり……。失敗と消費が繰り返されていたんですね。
しかし「デザイン思考」を学び、取り入れるようになってからは「目的を達成するためのプロセスを考えれば良いだけだ」と思うようになり、自分の感情を出すのを自ずと控えるようになったんです。そうすることで、自分にも他人にもストレスを与えることが少なくなったと感じています。
なお、この思考が身についていけばいくほど「ああすればよかったのに」と、後悔することが増えるようになっていくと思います。
ただ、それと比例し、後悔を繰り返すことで「つまり、初めからこうした方が良いのでは」と自然に考えられるようにもなるでしょう。これが、俗に言う「成長」というやつです。
また、プロセスが見え、自分の欠点を知り、それを修正すれば上手くいくことを理解すれば、より新しいことにチャレンジをしていく気持ちも芽生えると思っています。なおかつ、5つのプロセスが頭に入っていれば、途中でめげずに頑張れるので、チャレンジをする際はいつも新鮮で楽しい気持ちで臨めるでしょう。
今後も、慌ただしく大変な世の中が続くと思いますが、少しでも肩の荷を下ろして、生き生きと過ごしていただける人が一人でも増えるといいな、と私は思っています。また、そんな発信をこれからもしていくことができるよう、これからもnoteの更新をしていければと思います!。そして今回も、記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、2023年も、どうぞよろしくお願いいたします!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?