もし現実の上のレイヤーの世界があったら――。
現実、紛れもない現実、それより上位の世界、空想、幻想〈フィクション〉人間が真に自由でいられる場所。
空想〈フィクション〉は人間が現実から逃げる下位の世界ではなく現実より上位のより真なる世界。そうであったなら――物語は現実の為に存在するのではなく、現実が物語の為に存在する。
はは、馬鹿を言うなと、そんなもの空想に浸った者の戯言だと、物語は現実の為に消費されるだけの存在で、現実はなによりぜも絶対の至上のモノ、他に比類するものなどありはしない。
それが普通の考え、空想の為に生き、現実を空想の下位に置くなど愚か者の馬鹿者だと、人はそういうだろう。でも、空想が現実を変えることだってあるんじゃないか。
例えばアイドルというのは字義通り見ればそれは偶像である。だがその偶像が現実に現れるとき、それは幻想の存在でありながら現実に存在する、つまり非実在性的存在ではないか。
そんなアイドルを生きる糧にして生きている人たちいる以上、それは偶像〈幻想〉が現実を変えていると言えるのではないか?人間には想像する力がある。その頭の中だけの想像を、
どうあれ現実に出力された結果現れたのが、あらゆるフィクションであり、それが幻想が現実に現れることを唯一許された結果。だから永遠に届かない理想でありながら、
それを眺める形でしか現実というものは、在り方を許されない。幻想が現実に影響を与えることはない、逆はあっても――という人もいるが、現実と幻想は螺旋構造で現実が幻想を作り、
幻想が現実を変える、それが真実なのではないか。つまり一方的な関係ではなく相互作用を持つ関係なのである。
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