続 zoom イタリアのフルインクルーシブ教育について
前回の続きです。
今回は内容についてと、その感想を書いていきたいと思います!
でも、結構ボリューミーなので、zoomを聞きながら箇条書きにメモしたものを主に書いてみます!
イタリアの学校には他業種がいる
医師、ST、心理士、精神科のお医者さん、など色んな職業の人間が、学校にいる。
そして、子どもの個別の指導計画はその様々ない職業の人たちみんなで立てる。
先生が教材を作って自発的に授業を行なっている
これは日本でもそうだと思うけど、ニュアンス的にあまり教科書の通りに、とか、学習指導要領のようなものはゆるいのかな?と感じた。
中学校の用務員さんが障害をもってる人だった。
大内進先生が実際見に行った時のエピソードとして「日本ではありえないこと」と、話してくれました。
小学校は人格形成を主な目的としている。
日本は知識の詰め込みが多いように見える。
逆に高校になると日本の比じゃない量の教科書の中身。
小学校以降(人格形成に力を入れた後)で、知識の詰め込みをする感じ。
今の日本の現状では“共生社会”の実現は難しいのでは。
障害者の権利条約ができた時(日本が賛同した時?)、大手の新聞を見ても10行記事程度だった。
日本社会の障害や障害者に対する意識の低さがわかる。
インクルーシブ教育を実現させる為に変えるべきは通常クラス。
支援員の増大や担任教員の学習補助は臨時感がある。
今だけではなくて、安定的、長期的にやっていかないといけない。
イタリアでは「ICF(国際生活機能分類)」という共通認識、理解をもって、省庁の壁を越えて動いている。
→制度的に考え方や捉え方ができている(実現している)。
障害のある人を社会が受け止める必要がある。
医療、福祉、教育全ての業界でICFのような共通認識、理解がある。
日本の法定雇用率のクリアの仕方は障害者だけの部署を作る→それでもOKになってしまっている。
イタリアではそれを政府が許していない。全体の30%を越えないように、など決めている。
「社会全体で変わらないと」「国がもっと考えてくれないと」と、思う根拠にもなる話だなと思った。
昔の盲学校だった所が支援施設になっていて、点字の教科書を作ったり学習支援したりする。そういった施設の背後には色んな団体が支えている。
→みんなで支援する体制ができている。
インクルーシブ教育が始まった当初は「障害者を通常級に(言葉を選ばずに言うと)ぶち込んで、その後のサポートが全然できていない」という批判があった。
→政府が体制を整えて今はそんなことはない。
ここでも政府の話が出てきて、イタリアでの取り組みは国全体で行われてることがわかる。
中学校、高校以降もインクルージョン。ただし、高校は卒業が難しい(比較的入学は難しくない)。
場合によって、在籍証明を出すところもあるみたい。
イタリアでは落第は結構当たり前。
重度の障害があっても通常級。
一日を通して校内、校外を必要に応じて学校や他施設を行き来するのは当たり前。
イタリアは先述の障害者の権利条約を法律に組み込んだ。
→これは結構驚いたし、日本でもやろうと思うとかなり批判が出るだろうなと思った(イタリアでも批判はあっただろうけど)。でも、これによって、国民全員の問題、または課題となったのかなと思った。
太字のところは書きながら思ったことを書いてみました。
メモを読み返すだけでも、かなり色んな気付きになるし、上手くいっている理由がわかるなって思います。
残念ながら、今の日本では同じようなフルインクルーシブ教育を実現するのは難しいようです。
zoomの中でも大内進先生は、イタリアのこの取り組みを“思い付き”のようなものでできたわけじゃない。とおっしゃっていました。(前回も書きましたが)
本当にその通りで、
思い付きでないから
問題や課題を正確に捉えて対策をかんがえてきているから
国が実現に向けてしっかり機能しているし、国民にも国の目指すところや障害についての認識や理解が長い時間をかけて浸透しているのがわかる。
海外の話をしていると、
その国だから上手くいっている
日本は日本の良いところがある
というような意見をよく見ます。
日本の良いところはもちろんわかるし(日本に住んで保育・教育現場で働いてるから)、
その国の国民性、文化、など色んなことが影響することもわかる。
日本の良いところを残す為、伸ばす為に、
まず知って、その上で取捨選択をしたらいいんじゃないかなと思う。
私はこのイタリアの話を聞いて
今まで私が関わってきた
障害のある彼ら彼女らは生きやすく、
親も負担が減ったのかなと思うとすごく悲しくて悔しく思いました。
今の日本の現状とは根本的に違うなと感じたから、すごく難しい問題なんだと改めて思ったし、自分にできることは果たしてあるのかなと考えています。
せめて、この内容や、イタリアの取り組み、日本の現状、を少しでも知ってもらえるといいのかなと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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