イタリア_2022年12月
親友(以下、ゆみちゃん)がワーホリでロンドンに渡って早2年、コロナ禍直撃で一度も会えなかった隙間を埋めるように2か月に1度の電話を続けて愛を育んでいたある日、そろそろ会いに行こうかな~と言ったら「ロンドン来たことあるなら別の国で集合しない?」との提案を受けて急遽決まったイタリア旅行。
お互い多忙の中で何とか航空券や鉄道、ホテル等を手配して決まった行程は以下の通り。
1日目:日本→ローマ
2日目:ローマ
3日目:ローマ→ピサ→フィレンツェ→ヴェネツィア
4日目:ヴェネツィア→ミラノ
5日目:ミラノ
6日目:ミラノ→日本
すごく長くなりそうなので早速GO!
ローマ
今回往路で利用したのはエミレーツ航空。浮き沈みの激しい航空会社ランキングの中でもかなり評判がよく、初めての利用でウキウキしていたが案外普通だった。CAさんの制服はめちゃめちゃかわいい。
フライト時間は成田→ドバイが12時間、ドバイ→フィウミチーノ(ローマ)が6時間。遠。
今回は移動が多いのでリュックひとつの省荷物旅行のため、ネックピローは持参せずだったが案外イケるなと思った。
正午ごろ空港に着いて、やや直後にロンドンから着陸するゆみちゃんを待つ。
紆余曲折あったが、スマホを眺めていると遠くから視線を感じる。顔を上げるとそこにはゆみちゃんが!
2年ぶりの大感動の再会は、どこにいる~?などのメッセージのやりとりも無くすぐにお互いを見つけるという運命的なものになった。
早速空港からローマ中央駅へ電車で移動。券売機でスムーズにチケット購入完了!1時間弱で到着して駅至近に取ったホテルにチェックインして最初に向かったのは…
コロッセオ~!(暗)
ジェラート食べたり教会堂(ドゥオーモ)見たり寄り道してたらすっかり日が暮れてしまった。この日はこれぐらいにして、美味しそうなご飯屋さんを探して街歩きをすることに。
と、思っていたら…
真実の口、現る。
なんかここすごい人並んでるね~なんて悠長に通り過ぎようとしたらローマで1,2を争う超有名観光スポットだった。
18時頃の遅い時間だったためか列はそんなに長くなく、30分も並ばずに真実の口とツーショットを撮ることができた。
それからテベレ川沿いの遊歩道を歩いたり…
謎の遺跡に遭遇したり…
ということを繰り返しながら、よさげなレストラン発見!
その名も「Vini & Cucina Blasi」。
https://vinicucinablasi.business.site/?m=true
ここが本当に大当たりで美味しかった。白ワインと一緒に食べる生ハム&カルボナーラ最高。
お腹も満たされほろ酔いハッピーな気分になったところで夜景探訪に行くことに。
トレヴィの泉は夜でも凄い人混みで、これはアカンと思ったが翌日昼間に行ったらもっと酷かったので夜に行っておいてよかった。
この日はこれぐらいにしてホテルに戻り、翌朝に備えることに…。
Day2は早朝からバチカン市国観光へ。
確か朝6時ぐらいの地下鉄に乗っていざ入門。真夜中と同じぐらい暗かった。
聖堂の展望エリアへ入場するにはチケットが必要で、エレベーターか階段どちらかを選べるが私たちはエレベーターを選択。
エレベーターを降りた先は一番大きなドームを間近に見られる内側の回廊。
しかし本当の試練はここからからだった。
ドームの上部にある展望台に向かうため、ドームの内壁に沿って階段を登るので壁が傾いている。そして細い。そして長い!青少年科学館の「斜めの部屋」(札幌市民に伝われ)のような平衡感覚死亡空間を15分ぐらい登り続けてやっとたどり着いた景色がこちら。
はい最高。
頑張ってよかった…と二人でしばらくぼーっとして、太陽が少しずつ角度を上げていくのを眺めていた。
展望デッキを降りてからはサンピエトロ大聖堂の内部を見学。
これがまたものすごい。バチカンは国全体が世界遺産なのでこの建物個別としては世界遺産として登録されていないが、何か特別な登録をしてほしいぐらいにすごい。
そしておそらくここでもっとも有名な彫刻が、ミケランジェロの「ピエタ」。
ピエタとは、聖母マリアが死んで十字架から降ろされたキリストを抱いているシーンのこと。ミケランジェロのこの作品はその中でも最も有名で、芸術への造詣が皆無の私ですら教科書か何かで見たことがある。
バチカンは本当に行って良かった場所のひとつ。
10時頃エリアをあとにする頃には展望台の入場が長蛇の列で恐ろしいことになっており、行くなら朝イチと地球の歩き方に寄稿してくれた先人に心から感謝したのであった。
早朝6時ごろに食べたパンを消化しきってしまったので、バチカンをすぐ出たところのカフェに入り一旦ティーブレイク。
マリトッツォはコッペパン的なパンに生クリームを挟んだだけのシンプルな一品で、私は日本でも食べたことがなかったのだが、これが本当に美味しかった。
生クリームが甘すぎず爽やかで、ふんわりとしたパンに合うことといったらもう。これとアールグレイさえあればイタリアの日常は最高になること間違いなし。
もちろんピザもチーズたっぷりで味も完璧、さすが美食大国イタリア。どこで何を食べても全部美味しい。こんな幸せな旅行ってあるんだなぁ。※前回のエジプトが酷すぎたため
ここからは再び街歩き。犬も歩けば観光スポットに当たるような見所たっぷりのローマ。主要な観光名所はほぼ徒歩で回ることができる。
そして地味に楽しみしていたコロッセオに潜入!
格闘場だと思っていたのでフロアがまるで迷路であることに驚いた。が、調べてみるとやはり当時はフラットな床があって、現在見えているのは床下の控室や猛獣の収容所、囚人用の牢屋などの小部屋なのだそう。
それでもコロッセオが建設されたのは西暦80年。約1900年前の建物が現在もここまで姿を保っていることが凄すぎる。ローマ人の技術力を感じた。
ここで早めの晩御飯。
繁華街に入ってすぐキャッチしてくれた愉快なお兄さんに導かれるまま入店したが大正解だった。真冬だけどテラス席でも寒すぎず、お酒も料理も超おいしい。フォカッチャとステーキは少し多かったのでお持ち帰りに。
夜はカルボナーラ発祥のお店で食べよう!と意気込んでいたが歳のせいか毎日21時にグロッキーになるという時差ボケ病に悩まされ、せっかくタクシーでお店まで行ったのに満席&1時間待ちとのことで断念。ゆみちゃんごめん…。
ピサ、フィレンツェ
翌日は早朝5時の電車に乗ってピサへ。事前に予約してあった高速鉄道でフィレンツェ乗り換え、朝9時頃ピサに到着。
斜めってるわ…。
斜塔を支える写真などもひとしきり撮り終わり、目の前のカフェで朝食をとることに。
いただいたのはカルツォーネ(中にミネストローネ+チーズみたいな具が入ったパン)と紅茶。これもまた美味しかった。
10時ぐらいにピサの全てを見終わってしまい、ランチまでも時間があるので先にフィレンツェへ移動することにした。
そしてフィレンツェで私たちを待ち構えていたのが、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。
これが美しすぎる大聖堂。建築の外観としてはイタリア旅行の中で一番ゴージャスだった。
色とりどりの大理石が緻密に組まれた装飾と彫刻、そして絵画。時間が無くて中に入れなかったのがとても悔やまれる。
のんびりしていたら電車の時間ギリギリになってしまい、たった数時間のフィレンツェ観光はこれにて終了。
ヴェネツィア
フィレンツェから再び高速鉄道に乗り、次なる目的地は水の都・ヴェネツィア!
どこを切り取っても絵になる風景。
ヴェネツィアの島内には電車が通っていないし道が狭すぎて車も通れないので、基本的な交通手段はヴァポレット(運河を走る船)か徒歩。島の端から端まで歩いたら多分1時間ぐらい。そんな規模の小さな島。
ヴァポレットには数時間~数日の乗り放題チケットがあるので購入するのがオススメ。気軽に乗れてすごくよかった。
そうこうしているうちに日も暮れて…
この日の宿は、サンセヴォーロ島というヴェネツィア本島からヴァポレットで10分ぐらい移動したところにある離島のホテル。
翌朝はホテルのビュッフェから。
パン・卵・ベーコン類、オレンジやリンゴ、ヨーグルトなどどれも美味しくて至れり尽くせり。ホテルマンのホスピタリティも◎で文句なしの滞在であった。
朝早く本島に戻り、鐘楼に登ることにした。
時間指定のチケットをネットで買ったけど、時間よりだいぶ早くエレベーターの列に並んでみたら普通に乗れた。臨機応変で素晴らしい。
この時までイタリアでは一瞬たりともマスクをしていなかったけれど、この時初めてエレベーターの係員からマスクをしろと言われて外国人仕様のマスクを手渡され着用した。日本人は顔面平べったいし鼻低いから全てが浮いてマスクの意味ゼロ。
そして鐘楼からの景色がこちら!
ちょっと朝早すぎたのか、それとも天気が悪いからなのか少しパッとしない感じだけど、赤茶けた建物たちが運河に縁どられた美しい景色。
イタリアの観光施設はどこも入場料お高めだけど、せっかくの旅行なんだからケチってはいけない。
鐘楼を降りて最後のヴェネツィア観光へ。
このあとゆみちゃんのイギリスのお友達(日本人)がたまたま同じ日にヴェネツィアにいるというので一緒にランチをして楽しい時間を過ごし、再び高速鉄道に乗って次なる目的地へ。
ミラノ
ミラノ中央駅に着いたのは夕方。この日は12月31日、そう大晦日。
大晦日はいい物を食べよう!ということで、ゆみちゃんがイタリア人の友達にリサーチして「ニューイヤーズイブメニュー」のコースがあるステキなお店を予約してくれた。
コースの開始時刻は8時。どんなにゆっくり食べても23時には終わるでしょ、ということで年越しの瞬間は大聖堂の前の広場で打ちあがる花火を見る予定だった。のだが…。
冗談や大袈裟じゃなく、料理の提供スピードが1時間に1品。
調べてみると、これはイタリア式の年越しスタイルで、みんなで同じ料理をゆーーーーっくり食べながら年越しをするらしい。
私達は花火での年越しをあきらめた。
ちなみにこの旅行、私は人生で初めての時差ボケに悩まされており、毎日21時になると脳みそが強制シャットダウンされて「眠い」以外の感情が無い状態になっていた。
この日も3品目ぐらいから深夜4時ぐらいのグロッキー感覚に陥ってしまい、ろくに料理が食べられずゆみちゃんには悲しい思いをさせてしまったと思う。(怒るどころかいつも笑顔で許してくれてありがとう)
私、もう若くないんだねきっと。これからは時差ボケはするものと思って生活しようと思う。
そんな中、最後から2番目の料理が提供されたころに年越しの瞬間はやってきた。
なんとなく建物の隙間から広場の花火が見えるかな?と外に出たら、ハイテンションでカウントダウンをする若者たちにエンカウントして一緒にハッピーニューイヤーを叫んだ。そして花火も見えた。よかった~。
この頃には時差ボケのグロッキーからもすっかり回復して徹夜明けテンションになり、満腹すぎて最後の料理もそこそこに電車でホテルまで戻った。
飲み過ぎて道端で吐いてる若者とか、ミニスカキラキラのドレスでクラブに吸い込まれていく女の子たちとか、ミラノは東京より明るい世界だと思う。
二日酔いになることもなく、翌朝からやっとミラノ市内の観光へ。元日ということもあり色々なお店がやっていないかと思われたが、とりあえず駅のカフェでパンと紅茶をいただくことに。
まずは世界遺産の「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院」へ。この中に、かの有名なミケランジェロの「最後の晩餐」の壁画がある。
元旦なのでほとんどの協会では宗教行事が行われていて、この教会も例外ではなく、入り口に「ミサの最中は入らないでください」と書いてあったので肩を落としていたら、中から出てきた信者と思わしき貴婦人が「どうぞ」とジェスチャーしてくださり、中に入ることができた。
儀式も佳境を迎えているところのようだったので後方に座って静かに話に耳を傾け、周囲に合わせて立ったり俯いたり座ったりすること10分、儀式が終わったのに合わせて中を散策。
残念ながらミケランジェロの「最後の晩餐」は確かにこの建物の元食堂にあるが、別の入口だということがわかり、しかも元旦なので休業日だった。残念。
小腹も空いた&洋食を食べすぎて少し東洋の料理が恋しくなってきたところに加え、元日のランチはやっていないお店がほとんどな中、中国料理は何故かオープンしていることが多いとの情報をGET。
調べて美味しそうなお店を選び、到着してみたら本当にやっている!
入ると中国人のおばあちゃんと息子が2人で切り盛りしていて、お客さんはたくさん入っているけどみんな中国人。
おばあちゃんも息子もすごく人柄がよくて、少し気が弱そうだけど笑顔のきめ細やかな接客が素晴らしかった。
そして料理が美味すぎる。アジア料理に飢えていたことを抜きにしても絶品。日本では食べたことのないクオリティの中華を味わうことができた。さすが美食大国イタリアのミラノで出店できる中華はレベルがちげえや。
そしてこのお店、なんとメニューの表記がイタリア語、英語、中国語のほかに、日本語が書いてある!美味しいだけじゃなくて日本人にも優しい。お店の人もカタコト日本語で話しかけてくれるし、年明け早々ほっと生きた心地がした瞬間であった。
早めのランチでお腹を満たした後は、ミラノ市内の散策。
無駄に遠くまで歩いたりして疲れたのでここで一息。
甘いものを食べながら足を休めて、イタリア最後の夜景散策へ。
翌日は私が早朝便で日本へ、ゆみちゃんが昼頃の便でイギリスへ戻ることになっていたので、この日はミラノマルペンサ空港のMoxyに宿泊。お腹もいっぱいになったところで電車に乗って空港へ。
翌朝は朝5時ぐらいに部屋を出て、ターミナル行きの連絡バス乗り場まで見送りに来てくれたゆみちゃんと惜別して帰路についた。
帰りはミラノ→フランクフルトがANAとのコードシェア便でルフトハンザ航空利用、フランクフルト→羽田がANAの単独運航便。
フランクフルトでの乗継がやや高難度だったが持ち前の課題解決能力で乗り切ったし、本場のソーセージが挟まったホットドッグ美味しすぎた。
ゆみちゃんとは10年強の大親友だが、思い返せば丸5日も二人きりで過ごしたのは初めてのことだった。
でも当然のように不安は無かったし、旅行中も最大限の思いやりを持ち寄って接しているのがわかっていたから、最初から最後まで手放しで「楽しかった!」と言える旅だった。
イタリアもゆみちゃんも最高!次はどこに行こうかな。