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那須塩原市図書館みるる公演のこと(「芝居屋ゆいまの」のはじまり)

『父と暮せば』は、原爆投下後3年の広島に生きる図書館員である娘と、その父とを描いた2人芝居です。作家・井上ひさし氏の代表作であり、氏が主宰する劇団「こまつ座」で1994年に初演されました。
その戯曲を、シンプルな舞台で動きをつけた朗読劇として上演するにあたり、「芝居屋ゆいまの」では「読み語り」と付けています。

桜井由利子の演じる娘・美津江 & 岩渕健二の演じる父・竹造 による「読み語り『父と暮せば』」

「読み語り『父と暮せば』」の初演は、2023年8月5日「那須塩原市図書館みるる」での公演でした。
午後1回きりの上演で、52人の方にご覧いただきました。

みるる公演 開演を待つ客席

「みるる」の公式インスタグラムでも舞台の様子が紹介されました。
https://www.instagram.com/p/Cvl6p1JPwEl/?igshid=MTc4MmM1YmI2Ng%3D%3D

観てくださったお客様から、
「原爆でお亡くなりになった人達の苦しみ哀しみ、それ以上に残された方の苦しみが本当によくわかりました。」
「世の中が不安なこの時代ですが、あの日のことを忘れないこと、想うことで、少しでも地球がよい方向にむかうのかなと思いました。」
「劇が始まって数秒で、あっこれは本物だ!と直感で思いました。
表情豊かに通る声で父を演じるのは岩渕健二さん、経歴を見ると現代座・ブナの木などの劇団経験者です。
揺れ動く心の女性を演じたら天下一品の桜井由利子さん、桜井さんは少し前(2023年5月)に『やまとなでしこ』(木内里美さん作)那須公演でも観ましたが、いい味を出してます。」
などの感想をいただきました。

そもそものはじまりは1980年代の関西大学演劇研究部「学園座」

2016年から群馬県内各地を巡り『父と暮せば』に取り組んできた岩渕健二。そのお隣、栃木県内で断続的に細々と演劇活動を続けていた桜井由利子。
この2人は関西大学在学中に演劇研究部「学園座」で共に芝居を作っていた仲間です。30余年の時を経て、その2人を「学園座」OB・OGの有志が繋いでくれ、そこに「学園座」の後輩(千葉県在住)の2人が演出・スタッフとして加わって出来上がったのが初演の「読み語り『父と暮せば』」なのでした。

公演日は奇しくも「広島原爆の日」の前日
“奇しくも”ついでに申しますと、『父と暮せば』の劇中、美津江が勤める“図書館”が重要な意味を占めるわけですが、上演会場はまさに図書館!――「那須塩原市図書館みるる」は、素晴らしい本との出会いをくれるような、ワクワクがマシマシの(語彙💦)、空間のデザインも素敵な図書館です。
そして、美津江を演じる役者・桜井由利子が、実際に「みるる」の図書館員だなんて!……これがエモいと言わずしてなんでしょう!?

いろんなご縁とパッションが、「読み語り『父と暮せば』」を形にしてくれたと、いま振り返っても感じます。

「みるる」はJR黒磯駅下車すぐという素晴らしく便利なところにありますが、那須塩原市、栃木県ですよ。それをはるばる関西から「学園座」OB・OGが観に来てくれて、「関西でも演(や)れ」と言ってくれました。
⇒「読み語り『父と暮せば』」京都公演 2024.4.6_7

そして、「学園座」OB・OG有志の会に呼んでもらう形で京都公演をする運びとなり、初演が終わってからですが、役者とスタッフの4人ユニット「芝居屋ゆいまの」と名付けることになったのでした。

「みるる」公演の前日、仕込みの最中にいっとき雷雨がありました。リアルな稲光と雷鳴に、作中の情景を思う体験でした。
翌日本番の日は、朝から文句なしの晴天…78年前の「あの日」を髣髴とさせるような、青い空でした。お足元が悪くならなくてよかった。
雷雨も青空も、天が応援してくれたように受け取ったことでした。

終演後、打ち上げ会場へ向かう道

「読み語り『父と暮せば』」京都公演

2024年4月6日(土)17:00~/7日(日)14:00~
会場:法光寺(京都市上京区中長者町通西洞院西入中橋詰町172)
お申し込みはこちらから↓↓↓Googleフォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe9aPB0Mxfpo0hsYRxryucjSjPXuEDomThNoRkRul75h3fjEg/viewform?usp=sf_lin



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