メモの魔力1000問:小学校後編
15.理想の住まいは?
入学した頃は、永遠にずっと今のこの家で暮らすのだと思っていて。
卒業する時には、ずっとこの家で暮らしているなんて絶対にありえないと信じていた。
よく覚えていない。
この頃のあの古い、日当たりは悪いけれどしっとりと庭から緑の匂いのする和室、父の隣に座る、アコースティックギター、そんな時はたいがいビートルズ。
当然の自分の城と思っていたあの家を、夢の桃源郷と思い始めるのは、まだもう少し先なのだ。
16.理想の年収は?
中学入学準備の買い物に行ったときに、母が「今日はたくさんお金を持ってきた」と言うのを聞いて、「10万円とか?」と無邪気に言った。
通学カバンや靴を買うのに10万円は、そこそこいい線をついているが、おおむね偶然である。
お金のことをもう少し学校で教えたらいいのに、と最近すごく思っている。わたし社会人になったばかりの頃は給与明細の見方もわからなかったし、普通預金と定期預金と引き出し貯金の違いもわからなかったし、生命保険はサスペンスドラマで殺されるやつだとばかり思っていたわ。脱線失礼。
17.理想のパートナーは?
そんなこと考えたこともなかったのかもしれないし、覚えていないだけなのかもしれない。
18.あなたの信念は何か?
なんかもう図書館が好きで、アルセーヌ・ルパンが好きで、あっという間に読みきってしまったから海外推理小説全集を片っ端から全部読んだくらいで、思えばそれが芽を出してわたしの信念に育っていったのか。