人工楽園は腐る一歩手前の熟れすぎた南国の果実の匂い

美しいものなんて、人工的なもの以外にありえないと思っている。


春の景色が美しいなんて嘘だ。

こんなにもたくさんの命が喰らい合って、死骸の上に花が咲くというのに。

それにくらべてクリムトの絵筆が描いた景色の爛れるほどに美しいこと。


現実が小説よりも奇だなんて強がりもいいところで、いつだって現実をこえるのは創作物でしかありえないのだ。


それにしてもテレビときたら、ドラマは馬鹿でもわかるように作られているから冗漫なことこのうえないし、お笑いなんてひどいもので、自分では笑わせているつもりなんだか、笑われることに甘んじている奴ばかりで苛々する。


あー、苛々する。

いっそこの頭をぶち抜いてしまいたい。

そうしたら君に会えるかなぁ。

別段会いたくもないのだけれど。


花はどうしてこんなふうに咲くのかなぁ。

可憐だったり愛らしかったりさみしげだったり誇らしげだったりして。

人が神になるには、創作するしかないっていうのに。


現実をこえるのは創作物でしかありえない。

しかしその創作をおこなった人間がいるということはまぎれもなく現実である。


あれ、どうも、にわとりが卵を生むのか、卵からにわとりが生まれるのか、というよりもむしろ、蛇が自分のしっぽを飲み込んでいるような話。ウロボロスっていうんだそれ。

わたしは動物は好かないが、神話に出てくるのとかなんかそういう空想生物みたいなのはけっこう好きだ。


脱線に脱線を重ねて、つまり何の話だ。

花と、絵に描いた花と、花を描く人と、いったいどれがいちばん美しいのか。そういう命題だ。


ねぇ、君はこれについてどう思う?

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