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未知の島

穏やかな海岸
2人でボートを漕いで
着いたのは誰にも知られていない場所

手を引かれて森の中へ
道は人工的に作られたものか
もしかして向こうにあるのは井戸?

そんな考えは知られることなく
手を引かれ歩き続ける

ふと前を見ると
さっきまでと全く違う景色が広がっていた

ススキだろうか
黄金色で細長く柔らかい草が
一面に生えている

天井からはシャンデリアのような
キラキラしたものがたくさん
上品に吊り下げられている

柔らかな空気に包まれた神秘的な部屋

吊り下げられているものの中に
銀色の笛を見つけた

高く細い音が鳴りそうな笛を
私は手に取り
大きく手を振って
「今から吹くよ」とみんなに合図を送る

みんなは笑顔でこちらを向く

笛を吹こうとしたとき
私の意識は失われていく

笑ってくれたあの人の名前が思い出せない

あれは誰だったっけ

私の大事な人なのに


意識は戻った
今ならもう一度あの場所へ行けるはず
もう一度行ってみよう
今度は大事な人をはっきりと思い浮かべて