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星芒鬼譚3「妖怪だろーと人間だろーと、困ってるやつは助けてやるもんだぜ」

源探偵事務所の革張りのソファには、先程訪れた可憐な女性がちょこんと座っていた。
時刻は20:05。業務時間はすでに過ぎている。
女性の向かい側には所長の光太郎がキリッとした顔で背筋を伸ばして腰掛け(着ようとしていたモッズコートは横に放ってある)、その斜め後ろでは腕組みをした夏美が仁王立ちしていた。
キッチンから武仁が白いマグカップを持って戻ってくる。

「女性が来た途端これだ」

苦虫を噛み潰したような顔で小さくぼやく夏美を、横を通り過ぎながら武仁がなだめた。

「まあまあ。でも、わかりやすいですよねーホント」

コーヒーでよかったですか?と武仁が女性に声をかけると、女性はちょっと微笑んで、はい、ありがとうございますと丁寧に言いながら受け取った。

「貍塚ひよりさんとおっしゃいましたか。お話を詳しく聞かせていただいてもよろしいですか?」

やたらいい声で光太郎が言った。
ーーーなんだその声色は。というか眉毛と目の距離を急に縮めるな。作画崩壊か。
夏美はもうどこからツッコんでいいのかもわからなくなり、頭を抱えた。武仁は苦笑いしている。
女性ーーー貍塚ひよりはコーヒーを一口飲むと、光太郎の顔を上目遣いで見ながら話し始めた。

「探偵さんは、連続神隠し事件はご存じですか?」
「ええ、もちろん。それとご依頼に何か関係が?」

ひよりが持っていた小さなバッグをごそごそと探った。

「実は、私の家族も失踪してしまって…姿を消した場所に、これが」

バッグから取り出したハンカチの中には、真っ白に輝く毛髪のようなものが包まれていた。
それを見た武仁が顔色を変えた。

「あっ!これさっきのニュースでやってましたよ!失踪現場に正体不明の毛髪のようなものが残されていたって!!」

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