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「どうにかして探してほしいんです、九尾の狐を」
源探偵事務所に舞い込んだその依頼は、世間を騒がす連続神隠し事件とも関係があるようで…?
調査に乗り出した探偵事務所一行が出会ったの…
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#小説
星芒鬼譚19「これでもう邪魔は入らぬ。たっぷりと逢瀬を楽しもうではないか」
大した準備も作戦もないままに、戦いの火蓋は切って落とされてしまった。
規模こそ小さいかもしれないが、それは“妖怪大戦争”の様相を呈していた。
まさに、多勢に無勢である。
光太郎は鞍馬と太郎丸に早々に目をつけられ、二人の激しい連携攻撃を防ぐことで精一杯だった。
ヴァンヘルシングはとにかくカーミラの目を覚まさせようと考えたが、真っ先にアマニータたち西洋妖怪が飛びかかってきた。
とはいえ、九尾の狐に比べ
星芒鬼譚26「お前にはそんな石、似合わないぜ」
―――だいぶやったが、まだ先は長そうだな。
ヴァンヘルシングは銃と剣を一旦おさめると、胸ポケットから煙草を取り出した。
マッチで火をつける。あたりは静かだ。
肺深くまで吸い込み吐き出した煙を、どこからか飛んできた矢が切り裂いた。
矢はすぐ横の柱へと突き刺さった。
「敵の城で一服なんて、ずいぶん余裕ね」
声の方向を見やると、廊下の暗がりにボウガンを携えたカーミラが立っていた。
ヴァンヘルシングは