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2020年11月の記事一覧
星芒鬼譚23「助太刀はいらねえ!…これは、男と男の戦いだ!!」
アマニータは杖をぎゅうと握りしめた。
いつもフランケンにやられてばかりのマルコだ。任せていいものか。
マルコは投げ飛ばされ、殴られ、踏みつけられてもなお向かっていく。
今度は地面に叩きつけられ、ふらふらと立ち上がろうとする。
いよいよ見ていられなくなったアマニータが杖をかまえ直し、イヅナも暗器を取り出そうとしたが、マルコが手で制止した。
「助太刀はいらねえ!…これは、男と男の戦いだ!!」
マル
星芒鬼譚24「俺たちは俺たちのやり方で守るべきものを守る。いいな」
山の上から爆発音がしたのは、京極が混乱する鞍馬山付近の住民たちをなんとかなだめ、避難させようとしていたときだった。
見上げると、あの不気味な城の門のあたりから煙が上っているのがうっすら見えた。
もう時間的には夜が明けているはずなのに、未だ空は暗く、大きな赤い月が居座っていた。
急に街灯がぱっと消えた。今の爆発の影響か。
子供が怖いと泣き出し、大人たちも顔こそ暗くて見えないが不安げにしているのが伝わ
星芒鬼譚25「そうじゃな…もしおぬしがそれでも気に病むならば…次にわしが危なくなったときは、助けてくれ。な」
太郎丸の動きは俊敏だった。
この屋敷に来た頃は、まったくと言っていいほど戦うことのできない少年だったのに。
いつの間にかこんなに戦えるようになって…まだまだ対等とは言えないが、上手く隙を見つけては果敢に突っ込んでくる。
稽古をつけたのは自分だが、ここまで強くなるにはきっと見えないところでも努力をしていたのだろう、と思うと、武器を交えながらも胸が温かくなった。
思わず笑みがこぼれてしまう。
それが気
星芒鬼譚26「お前にはそんな石、似合わないぜ」
―――だいぶやったが、まだ先は長そうだな。
ヴァンヘルシングは銃と剣を一旦おさめると、胸ポケットから煙草を取り出した。
マッチで火をつける。あたりは静かだ。
肺深くまで吸い込み吐き出した煙を、どこからか飛んできた矢が切り裂いた。
矢はすぐ横の柱へと突き刺さった。
「敵の城で一服なんて、ずいぶん余裕ね」
声の方向を見やると、廊下の暗がりにボウガンを携えたカーミラが立っていた。
ヴァンヘルシングは