![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18129217/875d63912a88dca187b0cb52e4cc5a0f.jpg?width=800)
「どうにかして探してほしいんです、九尾の狐を」
源探偵事務所に舞い込んだその依頼は、世間を騒がす連続神隠し事件とも関係があるようで…?
調査に乗り出した探偵事務所一行が出会ったの…
¥4,000
- 運営しているクリエイター
2020年8月の記事一覧
星芒鬼譚15「身に降る火の粉は払わにゃならないってね」
アマニータ、マルコ、フランケンの三人は、鬱蒼と茂る木々の中をひたすらに駆けていた。
「おい、なんかさっきから変じゃねえか?」
息を切らせながらマルコが声を上げた。
アマニータもフランケンもなんとなく気づいてはいた。
いくら森とはいえ、景色が変わらなすぎる。走っても走っても進まないような、奇妙な感覚がしていた。
「よくわかんないけど、今はとにかくあいつから離れるしかないでしょ!」
ざあっと突
星芒鬼譚16「取引成立だ。よろしくな、相棒」
鞍馬の屋敷からそっと抜け出した武仁は、石段に座っていた。
灯籠の明かりも消え、あたりは真っ暗だ。
夜風が頬を撫でるのが気持ちいい。
眼下には、中心地の夜景がちらちらと光っているのが見える。
もう何度目だろうか、手元のスマートフォンを確認すると、武仁はため息をついた。
わかってはいたが、やはり夏美からも光太郎からも連絡は入っていない。
「ここにいたんですね」
振り向くと、ひよりが立っていた。