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かわりゆく自然環境 意識のスイッチ
この町で一番古いモーテルのロゴに、スコーミッシュの象徴であるハクトウワシと一緒に、クジラとイルカの絵が描かれている。
ほんの50年ほど前は、この町の入江にも、クジラとイルカがやってきたそうだ。
ブリタニアビーチで金や銀がとれるようになり、鉱物やケミカルが入った水が海に垂れ流しになり、彼らは入江から姿を消した。鉱山も今は閉鎖された。
去年の冬はラニーニャで、このあたりはものすごく雪が降った。
ラニーニャ現象の原因は解明されていないようだけど、彼女がもたらした影響は、この夏にもしっかり及んでいる。
今年は冷夏。
気温が30度を越えた日は一度もなかったように思う。
標高1500m以上はまだ冬の世界。
それによって、動物達が食べ物を探して、自分のテリトリーより下のエリアまでおりてきている。
高山に住むマーモット(巨大なハムスターみたいなの)は
下におりてくることでコヨーテの格好の餌食になっているそうだ。
そして、熊牧場と揶揄されるほど、ウィスラーの町にはたくさんの熊がおりてきている。
人間サイドの話で言えば、野菜や果物の収穫が遅れている。
この秋も、ラニーニャが戻ってくると言われてます。
来年も豪雪で冷夏なのかな。
人間は鈍感だから、海がちょっと汚れても、気候がおかしくても、「そんなもんかあ」でいられるし、知恵を使って、自分の暮らしを変えることなく、やりすごすことができる。
でも、動物達は敏感。
何かがおかしくなればすぐに行動にあらわれる。
しらないあいだに姿を消し、数を減らしていく。
それは、あらゆる生態系に影響がでているっていうメッセージ。
失ったものを取り返そうとしてもむずかしくなる。
彼らはメッセンジャーでもある。
彼らを通して届く自然からのちいさなささやきに声が聞こえる耳をもっていたい。
全ては繋がっているから。
自然が消えていることも、愛も、命のサイクルも、よおくみていないと、
目にはみえないし、聞こえない。
目に見えないことってやっぱり大事。
しかもその声はちいさい。
そこに気づくには、聞く意志をもってチューニングするしかない。
その上で、起こってしまった/起こりうる汚染や天候の変化や災害はうけとめて、過剰に恐れずに(人間だって自然治癒能力高いから!)
残された自然と動物と共存していかなくちゃいけないなと思ってます。
スコーミッシュの海では、浄化プロジェクトがはじまってます。
私が死ぬ頃には、この町にもまたクジラやイルカが戻り、子供達の無邪気な笑顔が溢れる世の中になっていることを願って。
*2011年8月の記事より
9年経った今、良くなった部分と、悪化した部分とあるように思う。
Howe Soundにもオルカや鯨が毎年来るようになった。
でも、全体的には悪化の一途。
コロナウイルスで人間は強制的に動くことができなくなった。
それも、自然からのメッセージだったのかな、と思わずにいられない。
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