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Bones Around The World #10 Vincent Gardner
世界の色々なトロンボーンプレイヤーを紹介するBones Around The Worldのコーナー。今回は名門Lincoln Center Jazz Orchestraで長年リードトロンボーンを務めていることでも有名なVincent Gardnerを紹介したいと思います。
J.J.JohnsonやCurtis Fuller、Slide Hamptonら王道ジャズトロンボニストの直系と言って良いストレートアヘッドなプレイスタイルで、スモーキーな音色とアーシーなフレージングが魅力的なプレイヤーです。
バップイディオムに基づきながらもトロンボーンらしい歌い口でスロウからファストまで自在に吹き上げるプレイは非常に洗練されています。
ストレートアヘッドながら現代のプレイヤーらしいハーモニー感覚も特徴的で、オルタードテンションを効果的に使用したエッジの効いたフレージングはとても個性的です。
長年リードを務め、作編曲の提供もしているリンカーンセンタージャズオーケストラでの活躍はヴィンセントの代表的なキャリアのひとつです。
オススメの一枚
Vin-Slidin'/2008,SteepleChase
Vincent Gardner - Trombone
Tom Guarna - Guitar
Greg Williams - Bass
Quincy Davis - Drums
これまでに発表されているリーダーアルバム6枚はすべて北欧の正統派ジャズレーベルSteepleChaseから出ていますが、その中で唯一のワンホーンカルテット編成のこちら。ギタートリオとのカルテットのため全体的なサウンドは他のリーダー作と比べ軽めな印象ですが、その分ヴィンセントのトロンボーンが際立って聴こえてきます。
選曲のバランスも非常に良くオーセンティックなジャズアルバムとしてとても聴きやすい一枚。
伝統に根ざしながらも革新的な個性も持ち合わせるトロンボ二ストVincent Gardnerでした。
次回も世界の色々なトロンボニストを紹介したいと思います。
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