鬱から脱出するには、どうしたらいいでしょうか?
こんにちは、中島です。
『自分の気持ちに振り回されるのはなぜ?』
あなたは、自分の気持ちに振り回されて、
後悔したことはありませんか?
それに凝りて、人前では自分の気持ちをコントロールして
それなりにうまくやってきたはずなのに
しばらくたつと、
その気持ちが、まったく別の形で出て来ることがあります。
B雄さん(39歳)は、
職場でのパワハラで鬱状態になり
セラピーに訪れました。
話を聞くと、
B雄さんの父親は大変怒りっぽい人で、
肉体的な暴力こそありませんでしたが、
家族全員が父親の顔色を伺い、
常に怒鳴られる恐怖に怯えながら生活していました。
思春期になるとB雄さんは
父親に対する恐怖よりも、
激しい怒りを感じるようになりましたが、
父親と同類の人間になってしまうのが耐えられず、
「怒っちゃだめだ、我慢しなくては」とこらえてきました。
やがて社会人になり、
おとなしいタイプのB雄さんは、
上司から怒りをぶつけられるようになりました。
パワハラを受けるたびに
理不尽な上司に対する激しい怒りを覚えましたが、
ここでも「怒っちゃだめだ、克服しろ」と自分に言い聞かせて、
怒りを抑えてきたそうです。
そうしているうちにだんだんと怒りを感じなくなり、
自分では「上司への怒りを克服できた!」と、
B雄さんは思っていました。
しかし数カ月たつうちに、彼は元気がなくなってきました。
何かをしようという気力が出なくなって
鬱状態になってしまったのです。
セラピーの中でも小さな声しか出せません。
そこで、催眠状態になってもらうと、
怒鳴り声と共に、激しい怒りが噴き出しました。
自分の中から消えたと思っていた怒りが、
変わらない強さで無意識の中に存在していたのです。
怒りは「力強さ」とつながっています。
B雄さんは、激しい怒りを強引に抑え込んだので
活力、生きる力までも抑えられてしまい、
鬱状態になっていたのです。
抑え込まれ、切り離されたB雄さんの怒りは、
父親のように、
怒りに駆られて衝動的に行動してしまうという表現ではなくなりましたが、
無意識の中から、別の形でB雄さんを振り回すようになりました。
さらに、無意識の中に切り放された気持ちは、
近くの人に伝染して、その人を乗っ取ります。
「転移」と言われる現象です。
職場の上司は、B雄さんが切り離した怒りに
無意識のうちに乗っ取られてしまったようです。
切り離された気持ちが、勝手に出て来て振り回される
怒りにしろ、悲しみにしろ、
自分にとって耐えがたいような気持ちを否定すると
その気持ちは
否定の圧力に対抗するために、固まります。
これは“生き残る”ための、反射的な反応です。
固まると、変化することができません。
ますますつらい気持ちになります。
だから、自分から切り離して、
無意識の中に追いやるのです。
すると、強い気持ちに振り回されなくなるので、
ついに克服した、と思ってしまいます。
ところが、
あなたから切り離された気持ちは、
いろいろな場面で、勝手に出てくるようになります。
日常生活のささいなきっかけで、その気持ちが出てくると、
自分の気持ちなのに、
自分との関係が切れてしまっているので、
どうにもできないのです。
思春期の頃のB雄さんは
父親への怒りが勝手に出てきて、振り回されていたのです。
切り離された気持ちは、他者の気持ちを乗っ取る
B雄さんは、このまま振り回されていては
父親と同じになってしまうと思い、
怒りを、さらに強く切り離しました。
そうすると、不思議な現象が起こるようになります。
深く切り離された気持ちは、近くにいる人の無意識の中に入り込みます。
強く切りはなしたので、簡単に他者に移動できるようになるのです。
職場でのB雄さんは、上司への怒りを強く切り離したので、
怒りを感じなくなりました。
自分では克服したつもりでしたが、
上司が常に怒りをぶつけてくるようになってしまいました。
つらい状況に追い込まれたB雄さんは、
怒りをより強く押さえ込むことによって、
なんとか乗り切ろうとした結果、
生きる力まで一緒に押さえ込まれて
鬱状態になってしまったのです。
「自我」には受け入れられない
自分の中の怒りを否定したのが始まりなので、
否定しないようにすればよいのです。
怒りを受け入れる(自分や人にそのままぶつけるという意味ではない)ことができると、
固まっていた怒りは緩んで変化します。
怒りから、次の気持ちに成長していきます。
ところが、
そう簡単に受け入れることができないくらい、
感じたくない気持ちなのです。
受け入れたくない気持ちを、受け入れる。
手放したくない気持ちを、手放す。
赦したくない気持ちを、赦す。
これらは心の分野では、よく聞く言葉ですが。
無理なことを言っています。
やりたくないけど我慢して、
やることになります。
我慢してやるのでは、逆効果です。
「自我」とは別の自分
ではどうしたらよいのでしょう?
私たちの心の中にはたくさんの気持ちがあります。
たくさんある気持ちの中の1つが「自我」です。
自我は、
「自分の思うようにコントロールしたい」と常に思っています。
だから、心の中で1番大きな顔をして
何かと強く主張してきます。
自我が、「イヤだ、耐えられない」と感じた
さまざまな気持ち(怒り・悲しみ等)は、
切り離され、追いやられます。
私たちは、
自我のことを「自分」だと思っています。
でも、私たちの中には、
自我とは別の自分がいます。
それは、心の全体を高い所から観察して
全体が調和するには、どうしたらよいのか
その答えがわかっている自分です。
誰の中にもこの自分がいます。
ここでは「俯瞰している自分」と呼びます。
自我は、
「自分の思うようにしたい」気持ちが強いので、
心全体の調和のためであっても、
「自我」が切り離した気持ちを受け入れることができません。
ところが、
「俯瞰している自分」には、簡単に受け入れることができます。
そして、やさしさと思いやりで寄り添ってあげることができます。
自我が「そんなことするな!」と反対しても、
その自我の気持ちさえも受け入れて、
やさしさと思いやりで寄り添うことができるのです。
普段の心の中では、
いつも自我がしゃしゃり出てきます。
だから、自我の気持ちばかりが目立って、
「俯瞰している自分」が存在していることに
私たちは気づきにくいのです。
でも、この気持ちに気づいて、
この気持ちに意識を向けているだけで
「俯瞰している自分」は心の全体をまとめ上げて、
全体にとってふさわしい目的に向かって
導いてくれるようになります。
「俯瞰している自分」を見分けるポイントをお伝えします。
自我は心の中で
大きな声で強く主張して来ます。
ところが「俯瞰している自分」は
静かに語りかけてきます。
自我は
「これをしないと大変なことになるから、やらなきゃダメだ」と、
怖れを使って行動させることが多いです。
でも「俯瞰している自分」は、恐怖で支配することはありません。
あなたの自由を尊重しながら、そっと導きます。
静かな声を探していくと見つかりやすいですよ。
「俯瞰している自分」を見つけたら、
気になっていることについて相談してみましょう。
少しずつ、コミュニケーションを取る練習を重ねていくと、
意識しなくても、「俯瞰している自分」が
常にささやきかけてくれていることが
わかるようになります。
【お知らせ】
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『心を育てるセラピー講座』第4部では、
「俯瞰している自分」とつながるには
どうしたらよいのかを学び、実習をします。
それによって、
自分の気持ちや、人の気持ちに
むやみに振り回されて、
つらい思いをすることがなくなります。
自分の心全体が調和するには、
どうしたらよいのか、
他者との関係で全体が調和するには、
どうしたらよいのか、
その答えが自然に浮かんで来るようになります。
また、ネガティブな状態になっている母性は、
「俯瞰している自分」とつながることを邪魔します。
私たちを子供のままにして依存させ
自立しないように、成熟しないように支配するからです。
「俯瞰している自分」とつながっていく中で、
ネガティブな母性についても深く学び、
そこから抜け出して、成熟した人格として
自立することを目指します。
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