アンパンマンMADで大バズり?!マイファス「I'm a mess」急成長を分析!TikTokでバズってる曲を現役東大生マーケターが考察してみた【第2弾】
株式会社WAND(ウォンド)代表の黒﨑です。
普段は国内の大手音楽レーベル様や音楽事務所様に向けて、年間100件以上音楽のSNS売れを支援するUGCマーケティングサービスを提供しています。
前回のnoteに引き続き、現役東大インターン生のYが、TikTokでバズっている曲を分析・考察しました。
「現役東大生がTikTokでバズってる曲を分析してみた」シリーズの第二弾として、今回はMY FIRST STORYさんの「I’m a mess」を取り上げます。
TikTokをきっかけにバズり、THE FIRST TAKEの出演にも繋がった楽曲ですが、TikTokでバズった経緯に加え、その裏にある施策にまで踏み込んで分析を行いました。
楽曲のマーケティング・プロモーションにおいて、SNSの攻略は必須の時代。レコード会社のデジタルマーケティングや宣伝担当の方々、インディーズレーベルや音楽事務所の方々など、様々な音楽関係者の方の参考になれば幸いです。
また、今後も定期的にバズ曲分析を行っていく予定ですので、宜しければnoteとTwitterのフォローをお願いします!
楽曲サマリ
アーティスト概要
デビュー:2012年
事務所:コネクテッド・セルズ
レーベル:INTACT RECORDS
YouTubeチャンネル登録者数:40.8万人
楽曲概要
楽曲名:I’M A MESS
リリース:2021年7月14日(シングル『告白』のカップリング)
作曲:Hiro
作詞:SHO
Spotify再生数:18.05M(6/13現在)
TikTok UGC数:15.2K(6/13現在)
ある投稿をきっかけに、リリースから2年後のタイミングでヒット
まず「I’m a mess」がバズったタイミングですが、各ストリーミングの再生数のデータを見ると、2023年3月末から急激に再生数が伸びています。
daily 2万回再生→daily 16万回再生(7/1現在)
前回の分析で取り上げた新しい学校のリーダーズさんの「オトナブルー」もリリースからヒットまで3年のラグがありました。「I’m a mess」もリリースは2021年ですので、同様に2年のラグがあることがわかります。
「オトナブルー」に関する分析記事はこちら↓
きっかけはアンパンマンのMAD動画
始まりは2023年3月18日に一般ユーザーによってアップされた『2023年アンパンマンOPが凄いw』という一本の動画からでした。
シリアスで壮大な曲調と、アンパンマンのほのぼのとした世界観とのギャップのシュールさが受け、瞬く間に拡散されていきます。
翌日には上記の動画がTwitterでも拡散され、マイファスのHiroさんも当該ツイートをリツイート。
さらにこの2週間後にはマイファスHiroさんご本人からも下記のツイートをされており、偶発的なバズに機を逃さずアーティスト自ら乗っかる様子が見られます。
ここで、TikTokの投稿数(UGC数)の推移を確認してみます。
たしかに3/11頃を境に投稿数が伸びており、ストリーミングが伸びた時期も合わせて考えると、TikTokのバズが曲の人気を引き起こしたと言えそうです。
※先程のアンパンマンOP風MAD動画のTikTok投稿日は3/18ですが、それ以前にアンパンマンのMAD動画は確認できなかったため、この投稿がバズのきっかけになったと考察します。
この投稿以降、アンパンマン以外にも様々なアニメのMAD動画が投稿されており、「I’m a mess」を使用した投稿の一つのフォーマットとして、一連のバズが起きています。
自然発生したバズを上手く利用した施策
ここまでTikTokのユーザーの投稿から自然発生的にバズったことは指摘しました。
それだけであれば他の楽曲でも見られることなのですが、「I’m a mess」のヒットの特徴として、そのバズを上手く活用したということが挙げられます。
HiroさんがTikTokでバズった投稿をリツイートしていることは紹介しましたが、その後の4/4に下記のようなツイートをしています。
著名なアーティスト本人が直接UGCの投稿を呼びかけるという事例はあまりないのではないでしょうか。
またその2週間後の4/18には、「マイファスチャレンジ」を実施するとYouTubeで発表しています。
これはTikTokで「I’m a mess」を使用した投稿のうち、最もバズった投稿をした人Top3に、総額60万円の賞金を与えるというものです。
このように、発生したバズをアーティストが積極的に盛り上げて、さらにバズを大きくしていこうという姿勢が伺えます。
実際この「マイファスチャレンジ」で投稿された動画は382本、全部で890万回再生(7/4時点)されています。
ファンダムを活用したこの企画だけでかなりのマーケティング効果があったことが伺えます。
関連して、優里さんも同様の仕掛けでTikTokで楽曲PRを実施していました。
「I'm a mess」分析から得た学び
①複数のSNSを連携させてバズを拡大させる
今回の施策の特徴として、TikTokのバズを起点にYouTubeやTwitterを使いながら、立体的な施策を組み立て、バズを大きくしていったことが挙げられます。
さらに各媒体でユーザーのタイプなどが異なるため、より幅広い層にリーチできるというメリットがあります。
またTikTokは自然発生的にバズが起こりやすいのに対し、YouTubeやTwitterはアーティストからの発信がしやすい媒体です。
日頃からこれらの媒体に力を入れることで、TikTokでのバズが起きた際にSNS間の連携を効果的に行うことが可能になります。
②アーティスト本人が先頭に立ち、ファンダムの力を借りてお祭り騒ぎを起こす
とはいっても、バズを意図的に起こすことは簡単ではありません。しかしファンダムの力を借りることで、バズの火種を作ったり、機動的にバズを大きくしていくことが可能になります。
今回の事例であれば、ファンダムがこぞってUGCを投稿することで382本の投稿、全部で890万回再生を生み出すことでできています。
60万円の賞金でこれだけの投稿を生み出せているため、費用対効果としても良いのではないでしょうか。
このようにユーザーに投稿のインセンティブを提供することで、特定のUGCの拡散を狙えます。
【宣伝】ちなみにWANDでは上記をサービスパッケージ化した「バズチャレ」というインセンティブUGCソリューションを提供しています!(詳しくは後述)
③アニメMADミームの爆発力
さとうもかさん『melt bitter』、AliAさん『かくれんぼ』など、アニメMADの定番化してバズる事例は年に数回発生します。中々狙って創出することは難しい部分がありますが、当たったときの爆発力は非常に大きいです。
【宣伝】MADを絡めた施策なども一部弊社でご案内を行っています。お気軽にお問い合わせ下さい!
④アーティスト様ご本人がSNSでガッツリ稼働できるのはアドバンテージとして非常に大きい
今回の事例分析を通じて、ネットミームをアーティスト本人が面白がって素早くキャンペーン化するなど、火が起きた時に機動的にアーティスト様/マネジメントサイドが動いて、大きな炎になるべく薪を素早く焚べつづけられることは非常に強力なアドバンテージだと感じました。
ご本人がインフルエンサーとコラボしたり、オフショットをアップしたり、余白のあるTikTok感のあるコンテンツを投稿できる状態を作っておくことにより、火種を起こしやすく、起きた火種をさらに燃え上がらせるための施策の選択肢が多くなることは間違いないと思われます。
以上、「I’m a mess」のヒット要因についての分析でした。
(著:現役東大インターン生Y)
バズチャレについて
株式会社WANDではレーベル・レコード会社様や音楽事務所様向けに、バズチャレというサービスを提供しています。
固定報酬に加え、成果報酬型のキャスティングサービスで、マイクロナノから中堅大型クリエイターまで幅広くキャスティングが可能です。
曲をバズらせる、もしくは今回取り上げた「I'm a mess」の事例のように、既存のバズをさらに拡大させることが可能です。
ご興味のある担当者様がいらっしゃいましたら、事例などを交えてご説明させて頂ければと存じます。ぜひお気軽にお問い合わせください!
■代表黒﨑のTwitter
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株式会社WANDについて
株式会社WANDではレーベル・レコード会社様や音楽事務所様向けに、「楽曲のTikTok売れ」を提供する国内最大級のTikToker MCN『LUMOS』を運営しています。
最新の楽曲マーケティング手法について研究しながら、多数レーベル様と年間100件以上のお取り組みを通じて新たなソリューションを日々開発しています。
『どうすればTikTok音源利用数(UGC)が増えるかわからない』
『メガインフルエンサーやハッシュタグチャレンジを活用し、上からの認知獲得を狙ったが、思ったようにUGCが広がらなかった』
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