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二つのライブラリー

新しく大学に所属するようになる場合に、学生の場合は大学側が効率的に大量に新入生を受け入れるためにも、通常は窓口や担当者をつけて新年度が始まる9月にまとめて対応する場合が多いのではないでしょうか。

四半世紀前ですが、私がバーミンガム大学大学院に入学したときにも、学生証の発行や、銀行口座の開設方法、大学の施設の利用や、コンピューターの利用方法など、9月に毎日のように、印刷物をもらって説明を聞いたり、説明会のようなものがあったり、ベルトコンベアに乗せられたように処理をしていきました。バーミンガムは、イギリスでの最大規模の学生数を誇る、マンモス大学ですので。新任教員の方も、かなり効率的にそのような大学の説明会や、キャンパスツアーのようなものがあるようです。

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ところが、客員研究員となると、基本的には他に誰もいないので、一人一人が全ての対応を自分で行わなければなりません。新入生とも、あるいは新規採用教員とも異なり、それぞれが自らの都合で通常は訪問して、所属するので、基本的にはそれぞれの事情に応じて、自分で動かなければならない。

ちょうど昨日のお昼に、二人の若手のフェローの教員の方々と昼食後のコーヒーをご一緒しながら話していて、二人ともここ数年で新規採用され、またコロナ禍での影響もあり、けっこう誰に聞いていいのかもわからず大変だったという話になりました。片方はオクスフォード、もう片方の方はケンブリッジ出身で、学生の時は新入生として入っても色々とかまってくれる人がいたので楽たったと聞いて、まあ客員研究員だけではなく、通常の新規採用の教員の皆さんも新しい環境に慣れるのは大変なんだろうな、となんだか少し気分が楽になりました。

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それでここ数週間、そのような手続き、登録など、全部自分でやらなければならないのですが、そもそも誰に聞いていいのかもわからないし、カレッジとユニバーシティーで窓口や担当者、手続きも違うし、なんだか迷路に入ったよう。それとは別に、銀行口座開設や、こちらでのネットの利用、そして3ヶ月間カレッジ内のフラットで過ごした後の次のアコモデーションなど、対応しなければいけない作業が多くて、ちょっと疲れ気味。気がついたら朝から晩までネットの画面を見て情報収集をして、オンライン登録をしていて、そのかんにメールの返信や、必要書類の作成などが滞り、ご迷惑をかけまくっています。

それでも、今日はいくつかの懸案の問題が解決して、なんだか清々しい気分!

まず、ケンブリッジ到着当日以来の懸案の、自分のフラットに入るためのカードキー!前にこちらでも書いた通り、イギリス到着初日、夜遅くに到着してポーターズロッジで鍵を受け取ったのに、家に入れない。外から建物の中に入るユニバーシティーカードのカードキーと、建物の中で自分のフラットに入る通常の鍵と二つ必要なのですが、後者のみで前者が渡されていなかったので、家に入れない始末。一生懸命、鍵穴を探しながらも、そんなものない。カードキーでしか入れないので。

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(こちらは、私のフラットの書斎から見える景色。季節の移り変わりがわかり、なんとも心地よいです)

それで、カードキーのスペアをお借りしてしばらく建物に入れる状況だったのですが、ようやく先週にカードキーを兼ねる、私のユニバーシティーカードがで出来上がったということで、カレッジの人事部に受け取りに行きました!さっそくそれを使って家のある建物に入ろうとしても、あれ、入れない!? 理由をネットなどで色々と調べたのですが、よくわからず。

どうやらそれは、カードがアクティベートされていないらしい。人事部とポーターズロッジに相談して、そのカードをアクティベートする担当の人を見つけて、その処理をしていただいて、ようやくダウニングカレッジに到着して3週間以上が経過してから、家に入るためのカードキーにあたるものを手に入れました!それだけで今日はハイテンションです。

そのユニバーシティーカードを、さらにカレッジの図書館と、ユニバーシティーのメイン・ライブラリーに入れるようにアクティベートの処理をしていただき、いよいよ今日は、図書館初利用!さらにテンションが上がります!

これって、バーミンガム大学大学院に入学したときに、大学のスタートの初日ですぐにもらえたと思いますし、慶應でも大体入学直後に、学生証のカードってもらえますよね。ケンブリッジもそうだと思いますが、客員研究員は、なかなかそうもいきません。客員研究員担当のダウニングのフェローは、新しく担当になって、私がその第一号ということで、自分もよくわからないとのこと。まあそうですよね。私も慶應で同様の担当をしたとしても、よくわからないでしょうから。

それで、このダウニング・カレッジのライブラリー、1993年になんと、チャールズ皇太子の除幕式で開館、ないしは新規改装したのですね。プレートがありました。また、24時間、7日間空いているということで、カレッジ内のフラットに住んでいる学部生や大学院生にとっては、けっこう重宝かも。

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さて、カレッジの図書館に行った後は、いよいよ大学のメインライブラリーへ。すでに、メールのやり取りで、アクティベートをしていただいているので、たぶん大丈夫だろうと思ってカードをかざすと、ピッ、という音で赤が青に変わり、無事ライブラリーの中へ!

ライブラリーのスタッフの方に、優しい笑顔で止められると、何かと思ったら荷物の持ち込みはできずに、鞄はロッカーに入れて欲しいとのこと。地下のロッカーに鞄を置き、必要な道具のみを透明のビニール袋に入れ替えて(キューガーデンの国立公文書館と同じスタイル)、いざ書庫へ。さすが、日本にないような専門的な文献やジャーナルも色々とあり、さっそく研究モードでテンションが上がりました。これはまあまあ、使えそう。ありがたい。

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ということで、勉強用のカレッジのライブラリー、日本にないような資料や文献を入手するためのメインライブラリー、関連のアーカイブを閲覧するためのチャーチル・アーカイブ・センター、さらには、ロンドンのキューの国立公文書館と、これらが私の仕事場となりそう。もちろん、一番長い時間いることになるのは、私の自宅の書斎だと思いますが。

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ということで、少しずつ研究環境も整いつつあり、夜も暗くなったので、自分のご褒美で今日はイギリス版カツカレー!

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(今日の夕食の図。これって、箸で食べるのでしょうか?スプーンで食べるのでしょうか?それとも、フォーク?なお後ろに写っているのは、夕食中に見ている、iPadに入れてあるロード・オブ・ザ・リング!)

って、これってカツカレーではなくて、唐揚げカレーですよね…。これが、こちらでは「カツカレー」となる。もちろんかつての大英帝国の名残で、イギリス国内にはイスラム教徒も多いので、豚カツの豚肉よりも鶏肉の方が安全という考慮もあるのかもしれません。これを食べて、疲れがとれると思ったら、大量の油とカロリーで、ちょっと胃腸も疲れ気味に。でも、かなり満足できるクオリティでした。

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ここ最近、手続きなどでうまくいかないことばかりでちょっと凹んでいたので、今日は少し前進ができて良い1日でした。

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