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横浜マラソン体験記:きつかったけど楽しかった!
人生2回目のフルマラソン。
とても良い体験ができたので、感想を書き残しておきたいと思います!
横浜マラソン2024
参加したのは横浜マラソン。
横浜の街中を海に沿って走るような大会だ。
参加者はなんと28000人超!
大規模なイベントで、お祭り感があってワクワクした。
![](https://assets.st-note.com/img/1730095618-FJBGUMcrQvuTDpi3sRHXaCox.png?width=1200)
https://yokohamamarathon.jp/course/
朝
5:00起床。ランの次にきつかったのが、朝食。
前日からのカーボローディングの集大成?として、当日朝も糖質をたくさん摂取した。
普段ならおいしく食べられるのに、朝5時半から和菓子を食べまくるのはなかなかきつかった…。
走るのに必要なことだと割り切って腹に詰め込んだ。
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みなとみらい駅に6:57着。
荷物預けが7:40まで、スタート整列が8:10までだったので結構ギリギリだった。
特にトイレはめちゃくちゃ混むので、次はもっと余裕をもって着けるようにしたい…
スタート位置に向かうと、とにかく人が多い!なんじゃこりゃ!
スタート前のアナウンスで「参加者は28000人」ということを聞いたが、「2万ってこんな多いんだ…でももっといそう…」というくらい、人、人、人。
みなさん色とりどりのウェア来ていることもあり、黒山の人だかりならぬ、カラフル山の人だかりである。
天気は晴れ~曇り。最高のマラソン日和でラッキー!
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スタート~10km
パァン!とスタートの号砲が鳴っても、まだ走りだせない。人が多すぎるからだ。
ランナーはアルファベットでブロックごとに分けられており、A,B,C…と前から順番にスタートを切っていく。おそらくJくらいまであった。私はCだったので、比較的前でラッキー。
号砲が鳴ってから6分ほどみんなでぞろぞろ歩き、スタートを切った。
走り出しても、人が多すぎて、速度は制限される。
元々「10kmまではアップの気持ちで走ろう」と決めていたので、ちょうどよいジョギングだ。
ペースはいつもの練習時と同じだが、五感への刺激が全然違った。
周囲にはたくさんのランナー、声援、ときどき湿布のにおい。
普段は一人で夜、近所の公園を周回しているので、目も耳も鼻も、入ってくる情報が違う。
唯一同じなのは、足裏に伝わるアスファルトの固い感触。
それにしても、沿道にはたくさんの応援の方々!
みんな楽しそうに声援を送っている。
お祭りのような雰囲気に、ふと口角が上がる。
たくさんのランナーと、たくさんの応援者。
誰もが、ベストを尽くすべく一生懸命走っている。
誰もが、誰かを想って手を振り、声援を、眼差しを送っている。
みんな仲間。どこにも敵はいない。
尊く、素晴らしい空間だなぁ。
まるで結婚式と同じくらい、ポジティブさで満ち溢れている素晴らしい空間だ。
そんなことを思いながら、笑顔で走った。
私は松岡修造さんが好きなのだが、その理由を改めて実感した。
人が人を本気で応援するというのは、本当に尊いことだ。
最初の給水パフォーマンスで、サンボマスターの「できっこないをやらなくちゃ」が流れており、最初から激アツだった。子供たちのパフォーマンスもさることながら、サンボマスターの言霊と熱は心に響く。終盤エリアでやられたらたぶん泣いていただろう。
10~20km
10kmに達しても疲労感はなく、順調に走った。
呼吸は6拍のリズム。6回吸って、6回吐く。
20km地点までは6拍を維持しようと決めていた。
大会では、雰囲気や他のランナーに流されて、つい速いペースで飛ばしてしまうという危険性がある。
その対策として、自分の心肺をひとつの基準にするのだ。
6拍で呼吸できないということは、飛ばしすぎ。6拍で呼吸できているなら、OKペース。それを常に心がけながら走った。
沿道には様々な旗やうちわをもった人がいたが、スケッチブックに「余裕」と書いたお兄さんがいた。
「余裕もっていきましょうー!まだまだこれからですよー!」
体が温まってきて、まだ飛ばせる余力がある前半の時間帯だからこそ、お兄さんの言葉は心に響いた。
10kmをすぎ、三渓園~新杉田駅あたりは首都高の高架下を走った。
太陽が出てきて日差しが暑い時間帯だったが、日陰も多くて助かった。
人が多くてペースが制限される時があったので、1つめのジェルを摂取。
レモンの爽やかな風味が口内に広がったと思ったら、濃縮された甘さが上あごを焼いて通り抜けていった。
沿道でにこにこ笑顔おじさんが「ピースして✌」といううちわをもっていたので、ピースしたらスルーされた。地味にショック。心外!
20kmの手前で、後半に備え、2つめのジェルを摂取。濃い蜜を喉へ流し込む。
20km地点で、首都高へのぼった。上り坂がきついと聞いていたが、思ったほどキツくなくてよかった。
坂を上り切ると、「よ う こ そ 首 都 高 へ」という看板がお出迎え。
これは楽園の入口か、はたまた地獄の入口か。
20~30km
首都高を走る。
この大会で楽しみにしていたことのひとつが、この高速道路である。
普段は入れない場所を走るのって楽しそう!というモチベーションだ。
首都高は、当たり前なのだが、道路しかない。すべて道路。まるでマラソン用に作られたかのような太く長い道。
視界のはるか先も、たくさんの人が走っている。
後ろを振り返ってみても、たくさんの人が走っている。
時々、道の端っこでストレッチをしたり横になっている人もいた。
脚がつったり、体調を崩しているようだ。
幸い、私は体の不調はなかったが、さすがに前半ほどの余裕はなくなってきた。呼吸も5~4拍で。
今回の大会に向けて、練習で走った最大距離は20km。
最後に20km以上走ったのは、1月のフルマラソン。
つまり、今の私の体にとって、20kmより先は未知の領域。
心肺や脚は耐えられるのか。走り切れるのか。
そんなことが頭をよぎりながらも、一歩一歩、歩を進めた。
きつい時ほど姿勢維持。
これは終始意識していた。きついからと言って姿勢を崩すと、ランニング効率が落ちるし体に負荷がかかるので、よりきつくなるという悪循環が生まれてしまう。
・腰を高く
・足は体の真下に着地する
・骨盤が前にスイーっと進んでいくイメージ
・鳩尾の下から脚が生えているイメージで、脚を長く使う
・四肢は末端ではなく、体の中心側から動かす
そんなことをこまめに意識しながら、姿勢維持に努めた。
これは仕事にも通じるところがあるなと感じる。
忙しい時ほど、基本を大事にする。目的の確認や、ToDo整理、優先順位付けを怠らない。
忙しいからと言ってそこを省略すると、ミスや手戻りに繋がり、結果的にやることが増えてしまう。
「ナイスラン!GO!GO!GO!」という特別仕様の電光掲示板に励まされながら、
残りの首都高を走り切るために3つめのジェルを摂取し、淡々と歩を進めた。
30~35km
30km地点までは、5分50秒~6分/kmを維持できていたのだが、30kmあたりからペースが落ちてきた。運歩のなめらかさが落ちたというか。
目安タイムとしていた4時間15分を切るには、6分/kmを維持しなければいけない。
目標からのバックキャストで考えるなら、きつくても6分/kmペースに戻すべきだったのだが、それをすると最後まで持たず、反動でさらにペースが落ちる気がしていた。
なので、ペースを上げることはせず、無理なく走り続けられるペースで走ることにした。
最近、仕事で"「バックキャスト」と「積み上げ」の比率をリバランスする"という考え方に触れたばかりだったので、「無理せず、積み上げで行こう」と思えた。
一歩一歩積み上げていけば、必ずゴールに近づくのだ。
ペースは上げていないものの、呼吸もきつく、この時点で4拍。
鼻呼吸だけでは苦しいので、口呼吸も交えながら。
目も半開きで走ってた。
このエリアでは、歩いて休憩している人もちらほら。みんなしんどいのだ。
ここまで触れてこなかったが、この大会は運営スタッフさんが相当な人数配置されている。募集要項を見ると、ボランティアスタッフさんだけで3200人。そのほか運営事務局、救護班、パフォーマーの方なども含めるとかなりの数だ。
首都高は、一般の方が応援に来れないため、いるのはランナーかスタッフさんしかいない。
給水所は約2kmおきにあるし、仮設トイレは約1kmおきにある。その間にも常にスタッフさんがいて、応援・声かけを行ってくれていた。
いつどこで何が起きても大丈夫なように、短い間隔でスタッフさんがいてくれるというのは、ランナーにとってとても安心感があった。
「がんばってください!」「ファイトー!」
「ナイスラン!」「かっこいいよー!」
「横浜マラソンの難所ももう半分をすぎましたよ!」
「ここまで来たら、みんなでゴールしましょう!」
「一歩一歩ゴールに近づいてますよ!」
スタッフさんの声かけで、心が折れることなく走り続けることができたのは私だけではないだろう。
脚がしんどい時は、ドラゴンボールのピラフが乗ってそうなマシンを幾度となくイメージした。
UFOのようなコクピットから、長い脚が2本生えているマシン。
まるで長い脚がみぞおちから生えていて、自分の上半身はその上に乗っかっているだけ。そんなイメージ。
(後から調べたら、乗ってるのはシュウだった)
35km地点、いよいよ首都高を降りる。
この下り坂がけっこうきつかった。
すでに脚に疲労が溜まっているので、負荷がかかりすぎないように、スピードをセーブしなければならない。
ゆっくりと坂を降り、地上に戻ってきた。
35~37km
スタッフのお兄さんが「ここからが一番楽しい時間ですよ!」と声をかけている。
なんてこった。そうだよな。終盤が一番楽しいんだよな。
肉体的には絶対そんなことないのに、妙に納得してしまい、ふと笑顔になった。
楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ。
最後4つめのジェルを摂取し、ラスト数kmに臨む。
個人的に"「あと5km」詐欺"がけっこうきつかった。
37km地点の手前に「あと5km」の看板があったので、「よし、あと5kmがんばるぞ!」と思ったのだが、37km地点を過ぎてしばらくした後にまた「あと5km」の看板があった。
いや、さっきのは!?どっちが本当なの!?笑
一生懸命走ったであろう数百mが0に戻されたような感覚がして、精神的にけっこうきつかった。
「足が痛いのは、気のせいです!筋肉痛は、明後日きます!明日の仕事は、何とかなります!」
スタッフさんの言葉に励まされながら、とにかく前へ進む。
37km~ゴール
ラスト5kmがめちゃくちゃきつかった。1kmごとがとても長く感じた。
後から分かったが、ペースは7分~7分10秒/km。前半より1.2倍かかっている。そりゃ長く感じるはずだ。
おそらく39km地点あたり。
スタッフさんが「あと3kmしか走れないですよー!」と。
(…そうか。あと3kmしか走れないのか。長かったような横浜マラソンも、あと少しで終わってしまうのか…。最後まで味わい尽くそう…)
と切なくなりかけたが、そんな感傷に浸る余裕はない。
体は「とにかく早く終わってくれ…!ゴールはまだなのか!?」と言っている。
追い打ちをかけるように今度は"「あと2km」詐欺"があり、これもけっこうメンタルにきた。
しかし、看板に悪気はないのだ。なんとか選手を騙して、最後まで気力を保たせようという仕掛けのはずだ。
とはいえ、ラスト2kmは本当にきつかった…。
赤レンガ倉庫を通った時はちょっと高揚感があったけど、「まだゴールじゃないんかい!ゴールどこ!」という気持ちも。
街中ということもあり、曲がり角が多く、ゴールが視界に入らないのだ。(事前に予習しとけという話ではあるが)
だからこそ、最後の直線で「FINISH」の文字が目に入った時は、安堵した。
あぁ、あそこまで行けば終わりなんだ…と。
YouTubeではゴール地点のライブ配信をしていて、後から自分の姿を確認したが、思っていたよりしんどそうな表情をしていた。
何はともあれ、ようやくゴール…!!
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走り終わってみて<良かったこと>
①ケガなく完走!
目標タイムには届かなかったものの、無事に完走できた!これが一番良かったこと。
前回のマラソンでは膝や足首に痛みが残ったが、今回はケガや故障もなく、本当に良かった。
それなりに体もできてきて、フォームも改善されているようで嬉しい。
②マラソンがより好きになった
終盤はきつかったけど全体を通してみれば楽しくて、マラソンのことがより好きになった。
前回のマラソンでは「年に1回フルマラソンに出よう」と思ったが、今回は「年に2回は出よう」と思えた。
マラソンに申し込んでおくと、健康意識やトレーニングの習慣も維持しやすい。
③レース中トイレに行かなかった
前回のマラソンでは20km地点でトイレに寄ってタイムロスしたが、今回は行かずに済んだ。
事前の水分摂取はかなり少なめにして、道中こまめに給水するという戦術がうまくいったようだ。
前回の課題がクリアできると、成長実感ある。
④20kmまでゴキゲンに走れた
横浜の街中を走るという特別感や、お祭りのような雰囲気で、20kmまでは楽しく気持ちよく走れた。
仕事ではなく趣味で走っているので、楽しく走る(FUN RUN)というのは非常に重要。それを体感できて嬉しかった。
⑤お尻の筋肉を使って走れた
翌日にマッサージを受けて分かったのだが、お尻の筋肉がかなり凝っていた。つまり、お尻の筋肉をしっかり使って走れていたということだ。
これは日頃からかなり意識して練習していたので、成果が出て嬉しかった。
お尻の筋肉を使えたことで、ふくらはぎや前腿への負担が減り、結果的にケガ防止にもつながっている。今後もお尻の筋肉を鍛えていきたい。
⑥首都高が思ったほどきつくなかった
首都高が難関たる所以として「上り坂がきつい」「風が強い」「地面に傾斜がある」と聞いていたが、個人的にはそうでもなかった。
上り坂は落ち着いてコツコツのぼれば苦じゃなかったし、風はほぼ無風だったし、傾斜もそんなになかった。
今回のコースを参考に、別の大会に出るときも「このコースならこんな感じかな」と想像できる幅が広がったのは意外な収穫だ。
走り終わってみて<今後の課題>
①20km以降の失速(走力不足)
ランニングを楽しむなら、後半も楽しく走れることが望ましい。きつい時間帯は少ないに越したことはない。
今回、練習としてジョギングしかしてこなかったので、今後はペース走やインターバル走も取り入れて、走力を上げていきたい。
②補給食を楽しめなかった
課題というか、ちょっとした心残りなので書いておく。
今回の大会は「ラッキー給食」という取り組みがあり、横浜ならではの補給食が配られていた。
ぶっちゃけ「走りながら食べられるかい!ゴール後に配ってよ!」というものが多く、私は1つも食べられなかった。
タイムとトレードオフなので仕方ないのだが、ご当地マラソンの醍醐味として、その土地ならではのものを食べられるというのは大きいと思うので、「タイムを狙うのではなく、道中を楽しむ」という参加の仕方もいつかしてみたいな、と思った。
さいごに(雑感)
ランニングに関する言葉で、好きというか、真理だなと思う言葉がある。
"Pain is inevitable. Suffering is optional."
「痛みは避けられないが、苦しむかどうかは自分次第(自分で選べる)」という意味だ。
脚が痛い。息がしにくい。そういったことは、フルマラソンに出れば避けられない。
むしろ、それらは体の状態を教えてくれるサインのようなものなので、ごく自然なものだ。
では、それをどう捉えるか。
ただ「苦しいもの」と捉えるか、「前向きに進むための重要な情報」と捉えるかで、精神的な辛さはかなり変わってくる。
人間には、「刺激を受けてすぐ反応するのではなく、一度立ち止まって考えて、どう反応するかを選択できる」という、動物にはない能力があるのだ。使わない手はない。
これは日常のあらゆる場面で活用できる考え方だが、ランニングはそれを顕著に感じられるし、それを養う絶好のスポーツだなと思う。
何はともあれ、無事に完走できて本当に良かったです。
ひとまずしっかり休んで体を回復させて、また次のフルマラソンに向けてトレーニングを積んでいきたいと思います。
アドバイスくださった方、
一緒に練習してくれた方、
応援してくださった方、
ありがとうございました!!
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