memory

『変わったね』って言ってきた奴が一番変わってた。

友達から言われた。『変わったね』確かに変わった。校則守って黒かった髪も色を抜いて金やピンクになって服も少し、見た目は派手になったかも。でも中身は何も変わってない。

一番変わったのは『変わったね』って言ってきた君なんじゃないかな。環境や周りが変わって流されやすいだけなのかも。あの日した話もなかったみたいになって、一言で言うなら最悪かも。

でも何処かあの時の君を思い出して憎めなくなった。一緒に騒いだ笑い声も真剣に話した声のトーンを思い出すと心から憎めなかった。話を聞いて衝撃を受けた。目を逸らして笑うしかなかった。嘘は無しだよなって言葉も無かったことになってて。でもそれが今の君ならもう遊びたくないし話したくもない。大好きだった君ではもう無いなら。

帰り道1人歩いた。視力のいい眼もボヤけて見えなくなった。信号のライトだけを頼りに前に進んだ。現実逃避するしかなかった。『何か変わってしまったんだ世界が何事もないみたいなフリしてさ、君が変わってしまったんじゃない』そんな歌詞をメモに書いて部屋の電気を消した。何故か少し感傷的になりたかったのかも。

君は本当はとても優しくて繊細。もし悪いものに流されてしまってるなら、本当は今の状況に嫌気がさしているのなら、いつでも頼って欲しかったよ。そんなことはないんだろうけど。それでいいならいいと思う。ボクは君が嫌いです。思い出だけにしまっておきます。  


少し1人に。

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