🩰夏公演を経て-その2
前回の続きで、今回も音楽について書いていきます。
マエストロとして来日してくださった、ポール・ストバートさん。一度だけ、バレエクラスでピアノ伴奏をしてくださった日があったのですが、「なんてまろやかな演奏をするんだろう!」と衝撃を受けました!ポールさんの演奏は、音楽の流れ(とか線みたいなもの?)が絶対に途切れない。同じフォルテ(f)の音でも、日本人の感覚だと上から下に振り落とすように音を出してしまうことが多いのですが、そうすると音がそこで切れてしまう。けれどポールさんのフォルテは、出てきた音が円を描いて必ず始点に戻ってきているように聴こえる。例えるなら、ヨーヨーの糸が伸び切らずにちゃんと戻ってきているイメージ🪀。だから、全体を通してまろやかさを感じるんだろうなぁ、と思いました(この文章を打ちながら初めて知ったのですが、「まろやか」を漢字で書くと「円やか」なんですね!正しくその通りすぎて自分でも驚きです笑)。それと同時に、子供の頃「ワルツは3角形(=直線)ではなく円ですよ」と習ったことを思い出しました。このワルツの文化・遺伝子を持つ西洋人とそうでない日本人という違いが、このような演奏の違いの一因になり得ると考えると、改めて芸術の世界は残酷だなぁ、とも思いました。