ハルニキミト
新しく出会い、どんどん親しくなるうちに、昔の人間関係を忘れていく。寂しい。
私はいろんなことを忘れやすいから、紙に書いたりツイートして、いつでも読み返せるようにしていた。
それなのに、別れてしまった悲しみを思い出したくなくて、新しい友達で記憶を上書きしている。
ひとは、声、顔、思い出の順番に忘れられていくらしい。私は君の声を知らないし、顔は部分的にしか知らない。だから他の誰よりも記憶に残りにくいのかもしれないね。
でも君は、私が投稿した弾き語りの曲のタイトルをツイートしたことがあったね。
また、亡くなる数ヶ月前に春のおすそ分けと言ってお花の写真を何枚もLINEに送ってくれたね。
だからね、私はその曲を聞くと君を思い出すし、その季節を思い出すだけでも君が脳裏に浮かぶんだよ。
ごめんね。てっきり君は立ち直ったからツイッターを辞めたんだと思った。何かあったのか聞いても「ちょっとね」と伏せるから、聞くに聞けなかった。君が亡くなった夏、私は全然それに気が付かなかった。電車に飛び込むだなんて、とてつもない絶望がないとできないよ。そうだ、君が亡くなったのを知ったのも春だった。寂しいよ。寂しい。
でも、君は私にいろんなものをくれた。命は自分だけのものじゃないってことも教えてくれた。
僕がここに生きた証
君がここに生きた証
忘れないよ、またね