序文
「夜回り自警団」に入団した少年アルグレンを主人公とする
不思議な世界のおはなし。
聖典にもたびたび登場する「ハプナシオン」にまつわる伝記、
『アルグレンの懐中電灯』(ベリツェ写本)を一部、紹介。
歴史上いくつもの写本がつくられてきたが
他と違い、その内容はほとんど知られていなかったにも関わらず
現代まで”生き延びた”写本である。
この写本を、永く奉じてきた通称”ベリツェ派”を由来とする『ベリツェ郡』は今、地方都市としても古都としても世界中の人々に魅力を伝えている。
かの偉大な為政者ポスカはこう云う。
「ベリツェには深い愛と哲学がある。
いつの時代も希望を求めて生きることの意味を、
我々に教えてくれている。」
希望の光とはいったいなんなのか
分からなくなっている今の時代こそ
この写本が誰かの胸に届いてくれたらと願う。
ベリツェのために。
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この写本の翻訳を、快く協力してくださった
地方分館ベリツェ上等研究官 ヴィルトール・ドヴァイユ氏に
この場を借りて心より感謝申し上げます。
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