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【エッセイ】わたしのちいさな世界
彼のお母さんから貰った小さなヒメモンステラは半年ほどであっという間に背を伸ばし、今は冬だというのに『太陽に向かって』なのか何なのか、新芽を出し続けている。立派な我が家の顔である。
このヒメモンステラを始めとして、あといくつか観葉植物を育てている。陽が昇ったら葉水をやり、日当たりの良い場所に移動させサーキュレーターを稼働させる。水は3~4日おき。これが終われば朝の家事は終わり。「ほう」っと息を吐きながらデスクの方を見たら、写真の姉と目が合った。悪戯っぽい小悪魔的な微笑みを浮かべている。
写真の姉は何歳くらいだろう。少し考えて20歳とか21歳とかそこらだと推測する。いつまでも大人っぽく見えるのは私が妹だから…なんだろう。
姉の年を追い越して今年で3年目。わたしは28歳になる。
姉が亡くなって12年が経とうとしている。
何となく、シャッターを切った。姉を遠くから撮るつもりでシャッターを切った。
彼に見せると、「新芽だね」と言った。
手前に写りこんだヒメモンステラの新芽の写真だと感じたらしい。
わたしの写真の腕はそれくらいということかと苦笑すると同時に『生きてるものは強いなあ』と姉が肩を落とす様にも感じた。