サウジアラビアに行く - 旅のエッセイ
旅が好き。正直、行き先はどうでもいい。
そういえば去年の今ごろ、サウジアラビアの首都リヤドにいたらしい。
サウジを訪れた経緯を辿ると、その2ヶ月前、ヨーロッパ放浪旅の計画を立てていた日に遡る。その日は航空券を予約しようとしていた。
到着地と現地出発地はどこでもいいから、安いチケットを取ろう。自分で言うのもなんだが、私は安いチケットを取るのが上手い。その日も私は破格の旅程を完成させつつあった。
帰りの便はローマ発、東京着。サウジアラビア、インド、ベトナムを経由すると安そうだ。インドとベトナムはずっと行きたかったからぜひ立ち寄るとして、サウジはどうしよう。行きたいと思ったことがない。ドバイはよく聞くけれど、サウジってどんな国だろう。領事館で殺された人いなかったっけ?ちょっと怖い。
チケットを取る前に、トランジットに問題がないかも含め調べてみることにした。
※一応紹介すると、2018年にイスタンブールにあるサウジアラビア総領事館で工作員による記者殺害があった。政治学科に入学した年だったから感度高くて記憶に残っている。
私は国際線で短時間トランジットをすることはほぼない。長時間トランジットにして入国、1泊ほどその国での滞在を楽しむ。
サウジアラビアについて調べると、中々に情報が少ない。そもそもビザが必要みたいだ。ビザの申請方法も、多少の情報があるがちょっと怪しい。
そしてなんと、観光開国は2019年。たったの5年前だった。5年前まで訪れることができなかった国。俄然気になる。候補にもなかったサウジが急に、行きたい国として浮上してきた。
行きたい。この衝動を今のところ止められた試しがない。行くしかない。理由は正直ない。行った人が少ないから、冒険っぽいから、度胸試し。ぜんぶ正解で、ぜんぶ不正解。
とにかく行こうと決めた。あとはどう行くかだ。3日以内の滞在予定だからトランジットビザにしたい。が、それはサウジアラビア航空のチケットを取らないと申請できない。観光発展途上国らしい面倒なルールがあるらしい。結局一般の観光ビザを申請し費用を支払う。その過程でクレカ会社にサウジでの決済を怪しまれ、一時的にクレカ3枚止められたりもした。
ちょっとした問題は起きつつも無事サウジに入国する準備は整い、時は入国に移る。
入国してから出国するまで、恐怖とドキドキと怒りと驚きとワクワクで胸がいっぱいだった。
これからサウジの記事を3本書こうと思っている。
サウジ入国までの流れ、方法、あれこれ
空港からのUberが永遠に来ず、仕方なく乗った白タクで求婚され、ぼられそうになり、たぶん今までで一番恐怖を感じた夜の話
サフランを求めて彷徨っていたら出会った地元女性の話
詳しくはそれぞれの記事で書くとして、簡単に言うとサウジってこんな国。
女性が外にいない。
そもそもあんまり人が歩いていない。
国の施設は立派。けれどやはり人がいない。
暑い。すごく暑い。
乾燥。砂。すごく砂。
けれど暑いときにも食べたいスイーツがたくさん。
交通機関が乏しい。
バスはあるけど英語表記がなく、絶対バス停読めない。
電車地下鉄ない。Uber一択。
開発と未開発がくっきり。
異文化。とにかく違いすぎてワクワク。
男女の考え方。貞操観念。
お酒。食べ物。
全部違って、興味が尽きない。
結論、サウジアラビアは面白い国だった。そもそも面白くない国なんてあるのだろうか。だから行く場所はどこでもいい。そこに行くと決めたときから、面白さは加速度的に形作られいていくものなのだと思う。そういう意味で、面白さは作るものだ。そして面白がるというのはスキルだ。磨けば光る。