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VR×能×攻殻機動隊~誰もが平等に味わえる表現~

どうも、攻殻機動隊好きミーハー女子の西田(@yuinishida_0918)です。

今回は伝統芸能である能と、最新技術のVRで、GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊を表現するということで舞台を観てきました。

ネタバレになる感想を書きますのでご注意ください!

能・VR・攻殻機動隊の簡単な説明

舞台は声優の下野紘さんの解説から始まりました。

「能」とは

700年近い伝統をもち、世界最古ともいわれる歌舞劇。舞台装置や道具類は極めて簡素に省略され、役柄によって替える面・装束も定型化されている。・・・2008年、能楽はユネスコ世界無形文化遺産に指定されたが、これには世阿弥が作り上げた「夢幻能」の功績が大きい。ーーパンフレットより

「VR」とは

バーチャル・リアリティ(英: virtual reality)とは、現物・実物(オリジナル)ではないが機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系。略語としてVRとも。日本語では「人工現実感」あるいは「仮想現実」と訳される。ーーWikipediaより

VRゲーム実況動画がわかりやすいかなと思って貼りました。

「攻殻機動隊」とは

士郎正宗によりSFアクション漫画。マイクロマシン技術による脳とインターネットの直接接続(=「電脳」化)が進み、身体の一部または全部をサイボーグ技術で高機能化(=「義体」化)した人類が暮らす近未来。凶悪化するサイバー犯罪に対処し、時に攻性の活動にも及ぶ首相直属の非公開組織が「公安9課」(別名「攻殻機動隊」)である。ーーパンフレットより

映画「マトリックス」はこの映画にとても影響を受けているそう!

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伝統芸能×最新技術×SFって、胸熱じゃないですか?
VRはご紹介した動画の通り、ゴーグルをつけるイメージなのですが、今回はゴーグル無しのVR(ゴーストグラム)ということで、どうなるんだろうという期待感もありました。

感想

一番驚いたのが、素子が消えるんです!!
舞台上にいた素子が、いきなりスッと消えるんです!
電脳の世界での出来事を表現しているので、現実離れした演出にしたかったと思うのですが、どうなってんの?と驚きが隠せずでした。

映像なら映像だと判断できると思っていました。
影があったり、背景が透けて見えたり、メガネをかけていないし、役者が2名以上いれば比較もできるし。

1回目に見たときは油断していたので、2回目以降は凝視してたのですが、それでもわかりませんでした。素子が3体に分かれたときなんて、どれが本当に舞台上にいるのかもわからなくなりました

私は2.5次元舞台もよく見に行くのですが、最近はプロジェクションマッピングも取り入れるようになりました。
プロジェクションマッピングを使うとエフェクトが派手になるので、バトルシーンが盛り上がるんですよね。ただ、投影するための背景が必要になるので、絶対映像だってわかります。

ゴーグルを付けないVRということだったので、プロジェクションマッピングみたいなものかなと思っていたのですが、違いました。

背景がない(または見えない)からか奥行を感じるので立体的です。現実か仮想かの区別つかないくらいに。このゴーストグラムという技術だったからこそ、電脳世界に没頭できたのだと思います。

・・・

能は、狂言や歌舞伎よりもお堅いイメージだったのでなんとなく避けていたのですが、今回知っている作品だったのですんなりと楽しむことができました。

約250曲が受け継がれてきているそうなのですが、その曲の中で攻殻機動隊に似ているものを選んで作ったそうです。

「言葉」を大事にしていて、現代語で書かれた台本をバトーを演じられた川口(@ottsumakuttsu09)さんが古語に訳されたとき、攻殻機動隊の世界観を崩さないように言葉選びをされたそうです。

とくに、攻殻機動隊で一番大事な言葉「ゴースト」をそのまま”ゴースト”として訳されたのは、言葉を大事にされたからこそとのこと。

素子の名言「そう囁くのよ・・・私のゴーストが 」が「ただゴーストの、声を聞くのみ」になっていました。

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アフタートークでも印象的なお話があったのでご紹介します。

ゴーストグラムによって、VRはゴーグルをもってる一部の人だけが楽しむものではなく、みんなが楽しめるようになりました。VRゴーグルは高いし何かよくわからんし…と避けている方多いと思うのですが、グッと身近に感じることができます。

能は、経済度外視のエンタメコンテンツです。衣装は能舞台本番で着用するものを使ってるから、かなりお高いらしい。
セリフのテンポもゆっくりで、西洋のミュージカルとは違います。演者が出てくるまでの時間が長いのも特徴です。

音楽でも、サブスクの流行りで前奏が短くなったり、Aメロ(サビまで)が短くなったりしているそう。そうすることで失ってしまう表現があるのではないか。カラオケで前奏長いと嫌だけど、カラオケじゃない楽しめる音楽もいいものがある。

経済に最適化ばかりするのはどうか、と一石投じてみたと語っていました。かっこいい。

まとめ:観に行ってよかった

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最初は「能」というものにそれほど興味がなくて、ただ大好きな攻殻機動隊とVRということでミーハー心がくすぐられてチケットをポチりました。

今回初めて能を観て、日本語や所作の美しさに触れることができましたし、時間を贅沢に使うということができてよかったです。

パンフレット内でVR技術担当の稲見先生のコメントで、この舞台を通して「目の前の世界への疑い」、「存在するって何か?」について考えてほしいというものがありました。

今回触ることはなかったですが、もしあの映像に触ることができて、”触覚”があったとしたら、それは”現実”なのでしょうか?

攻殻機動隊も、全身が義体であると”自分”とは何で判断するのか?記憶すらもデータかもしれないのに、何をもって自分と言えるのか?ということを問うています。原作もぜひ見てください!

おまけ

川口さんがVR能の注釈をブログに書かれていました。
勉強になるしお茶目な一面も見れて楽しかったです。



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