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ただのライブ好きOLが、バンドスタッフとして音楽の舞台裏に関わる話

1)はじめに

わたしは今、普通にOLをしながら、2つのインディーズバンドにスタッフとして関わっています。・・・というと、これまで音楽関係の勉強や活動をしてきた人なのかな?と思われるかもしれませんが、

・これまで経験してきた仕事は、教育・人材・福祉など音楽と全く関係のない業界
・学生時代にバンドをやってました!みたいな経験もない
・それどころか、小中高の音楽の授業以外で楽器を触ったこともない
・音楽について専門的に学んだこともない
・当然のことながら、音楽業界の知識も経験も技術も人脈もない

というような人間で、バンドに関わるにあたっては"何の武器も持っていない"人でした。そんなわたしが、スタッフとしてバンドの裏方に携わるようになったのはなぜか?どんなきっかけでそうなったのか?について書いていきたいと思います。

2)仕事漬けの毎日が一変した、あるバンドとの出会い

そもそもわたしが音楽やライブ、バンドにのめり込むようになったのは、2015年の春のこと、コカコーラのテレビCMで流れていた、ゲスの極み乙女。の「私以外私じゃないの」を聴いたことが最初のきっかけでした。

大学時代まではそれなりに色んな音楽を聴いてきて、ライブも行ったりしていたのですが、社会人になって仕事が忙しくなるにつれ、すっかり音楽を聴かなくなり、ライブにも行かなくなっていました。

そんな中、ふとテレビで流れたこの曲がどうしても気になって、YouTubeで調べて辿り着いたのが、ゲスの極み乙女。でした。ちょうどその時期、彼らはツアーで全国を回っていて、岡山で開催されるツアーファイナルのチケットが残っていたので、ふいに行ってみたのが全てのはじまりでした。

そこからもう5年が経つわけですが、彼らの音楽をきっかけにわたしの生活も一変しました。最近のわたしを知る人にとってはそんなにびっくりする話ではないのですが、

・定期的にライブに行く好きなバンドは20組ほど
・ライブ本数は年間100本以上
・推しバンドのために北海道から九州まで遠征する
・遠征で東京に行くのは当たり前。新幹線1時間弱で行ける名古屋と岡山は隣の県(だと思っている)
・交通費節約のために夜行バスをフル活用しすぎて、1週間で5日も夜行バスに乗っていたことも(その時は「あなた家ないんですか?」と友人に言われた)
・Twitterで同じバンド好きの仲間とつながり、全国に友人ができる
・楽器全くやったことないのにドラムを始める

というような、音楽漬け、ライブ漬けの日々を送るに至りました。なぜこんなことになったのか、自分でもちょっと謎ではあるのですが、何の趣味もなく仕事漬けの日々を送っていた頃からは考えられないくらい、プライベートも充実するようになりました。(これだけライブ行きまくってて、ちゃんと仕事してんのか???と思われそうですが、そこはしっかりやりつつ両立してきた…つもりです😅)

そんな風に、わたしの人生がガラッと変わるきっかけをくれたゲスの極み乙女。、そして川谷絵音というミュージシャンには本当に感謝しています。

3)バンド活動にまつわる3つの疑問

そんなこんなで、全国津々浦々のライブハウスに足を運び、有名無名たくさんのバンドを見てきた中で、疑問に感じることがいくつかありました。

(1)バンドマンは忙しい!全部自分たちでやらないといけない何でも屋

まだ売れてなくて、スタッフも付いていないインディーズバンドなんかは特にそうなんですが、バンド活動ってやることがめちゃくちゃ多くて、求められるスキルも幅広いのに、全部自分たちでやらないといけないのです。

楽曲制作やバンドとしての練習だけでも大変なのに、SNSやHPの更新、動画編集やライブ配信、物販の企画から発送作業、ライブハウスやスタジオなど関係者の方とのやりとり、お客さんへの対応etc...これだけ幅広く色んなことを自分たちだけでやるとなると、本来力を入れるべきことに割く時間を確保するのも難しいだろうなあ…と感じていました。

しかも、多くのバンドマンは他に仕事をしながらバンド活動を両立しているので、尚のこと大変なのではないかと思います。

(2)めちゃくちゃいい音楽なのにもったいない!世に知られていないバンドたち

これは昔からよくある話なので目新しい話ではないのですが、実際に自分が色んな(売れてない)バンドのライブに行く中で、この人たちめっちゃいい曲つくって、いいライブしてるのに、なんで全然お客さん入ってないんやろ?と思うことがたくさんありました。

売れる売れないには色んな要素が絡んでくるので、楽曲やライブが全てではないのですが、せっかくこんなにいい曲つくってるなら、もっとたくさんの人に知られてもいいはずなんだけどな、と常々思っていました。

しかも、そういうバンドに限って、広報・PRにあまり力を入れていないバンドが多く、もったいないな〜と思うこともしばしばありました。(とはいえ、前述したようにバンドマンは多忙なので、広報まで手が回せないのは仕方ない面もあるのですが…)

(3)いいバンドの裏にはいいマネージャーがいる!ふつふつと湧き上がる音楽業界への憧れ

特定のバンドに通っていると、そのバンドのマネージャーだったりスタッフの方とお話しする機会もあったりします。その中で、売れていくバンドの裏にはいいマネージャーさんが付いているんだな、ということが分かってきました。

バンドメンバーそれぞれのことをしっかりと理解し、メンタル面も含めて裏で支えつつ、必要な時は前に出てトラブルにも対応し、ファンに対するサービス精神も忘れない…そんなマネージャーさんたちを見ていて、尊敬と憧憬の念を抱いたものです。

バンド好きが高じて音楽業界に入る人が多いことは知っていたので、裏方の仕事に対する憧れや、やってみたい気持ちは常にありました。でも、わたしは、ビジネスパーソンとしてのキャリアは音楽とは別の世界を選んでしまったので、音楽を仕事にするほどのイメージはなく、また、今からそういう世界に入るには、自分でバンドを始めるくらいしか手段がないのかなと思って諦めていました。

4)バンドスタッフをはじめるきっかけ

そんなことをつれづれと考えていたわたしに、昨年、ある出会いが訪れます。

某インディーズバンドのライブに何度か通ううちに、物販に入っていたスタッフの女の子と仲良くなったのですが、後々、その子がスタッフになった経緯をバンドメンバーに聞くと、「将来的にバンドのマネジメントを仕事にしていきたいから物販に入らせて欲しいって言われて入ってもらうことになった」というのです(ちなみに、スタッフやってもらうことに対価は発生していないとのこと)。

「え?ほんまに?そんな感じでスタッフになれるんやったら、わたしもやりたいんですけど!?」

と、その時思いました。「バンドに関われるんなら全然無料でいいし、こっちからお願いしてやらせてもらえるんなら、もはや言ったもん勝ちじゃね?」とも思いました。というのも、そのバンドのスタッフをしていた子は、(あくまで傍から見てですが…)何か特別な技術や経験を持っているわけではなく、バイトをしながらスタッフを掛け持ちしている、ごく普通の女の子に見えたからです。

その後、実際に自分でスタッフをやらせてもらえるバンドを探した時には、思っていたよりも難しかったのですが(次回の記事参照)、少なくともその時は「それならわたしにもできるのでは…!?」と思ったのです。

というのも、わたしも音楽関係の技術や経験はないけれど、社会人としての経験は少なからず積んできたし、今は広報の仕事をしていることもあり、その経験もバンドのPRに生かせる気がしました。何より、これまで色んなライブに行って色んなバンドを見てきたことが、スタッフになった時に生きてくるんじゃないか。自分のやりたいことはこれだ!と、今まで何となく思っていたことが全てつながった瞬間でした。

5)おわりに:音楽の舞台裏へ

そこから、スタッフとして関わらせてもらえるバンドを探し出し、実際に活動し始めたのは今年に入ってから。つい最近のことです。

「なんでスタッフやろうと思ったの?」と聞かれた時にはこう答えているのですが、「消費者では物足りなくなったから」というのが大きな理由の一つです。

スタッフを始めるまでは、お客さんとして、ファンとして、消費者としての音楽との関わり方しか知らなかったです。それまでは、どれだけ関わりたい想いがあっても、特別な技術や経験、人脈がなければ舞台裏には関われない、そう思っていました。

でも、何も持っていない自分であっても、今こうしてバンド活動に関われている。それ自体が本当に嬉しいのです。忙しいバンド活動を裏で支えることができて、自分がいいと思ったバンドを世に広められて、音楽の舞台裏に関わることができるのであれば、それ以上に楽しいことはなくないか?と思いっています。

そして、実際にスタッフをやってみての感想を一言で言うと、
「めっちゃ楽しい!!!!!」
本当にこれに尽きます。

とはいえ、一言では語り尽くせない楽しさがあるので、スタッフとして関われるバンドをどうやって見つけたのか?、スタッフとして今どんなことをやっているのか?という話も含め、次回のnoteでもう少し詳しく書きたいなと思っています。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!次の記事もよろしければどうぞ🙇‍♀️


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