手仕事の癒し〜祖母の思い出〜
昔の暮らしと手仕事
先日、どんぐり帽子の会に参加して、毛糸を編んでいると、また亡くなった祖母のことを思い出した。
小さい頃、指に毛糸を引っ掛けてリボン状に編む方法を教えてくれたこと。
それは水色の毛糸だった。
棒針もまだ残っているから、その編み方も教わったのだろう。(これは覚えていないけれど)
シルバニアの人形のための洋服もリクエストしたものを作ってくれた。
祖母の古めかしい裁縫箱は缶だった。
母方の祖母も、実にいろいろなものを作っていた。
作る姿は見たことが無いが、出来た作品はたくさん見たし、実際に使ったりもした。
ぬいぐるみ、うわばき袋、給食マット(下に敷くランチョンマット)、木の実やビーズで作ったアクセサリー…。
最近になって、母から聞いて判明したが、数段の引き出しがある小箱も数個、手作りだったらしい。
和風カルトナージュのような。
昭和初期生まれの祖母たちは、実にいろんな手仕事ができたものだ。
今にして思う。
もっとたくさん、教わって身につけておきたかった。
手仕事と言って思い出す、シュタイナー教育に憧れるのも、いろいろなものを手から生み出す感覚を教えてくれるというところが大きい。
2本備わった手の力。
10本の指。
それらを巧みに使いこなして、モノを創造するのはそれ自体がアートのようだ。
自分の身体を信頼して、共に力を合わせ、楽しみ、慈しみ、感謝できたら素敵だ。
手仕事と幸福感
今回、どんぐり帽子の会は、かぎ針編みで、四苦八苦しながらも、途中の分かりやすい部分は一人で編むことができた。
毛糸を触りながら、リズミカルに同じ動きを繰り返していると、なんとも言えない温かい幸福感を感じられた。
目の前の小さな作業に、手先を使って没頭するのは、マインドフルネスにもつながるのかもしれない。
アートセラピーは、絵の具や色鉛筆を使った絵描き、粘土作品作りのイメージがあったけれど、毛糸に関しても通ずるものがあるのかも。
と思って調べたら、欧米では、ニットセラピーという概念があるそうだ。
さまざまな手仕事にセラピー効果があるとしたら、祖母達の時代、人々はもしかして、暮らしの「仕事」をしながら、同時にその疲れも癒していた…
なんてこともあったのかなぁ、と考えた。
慌ただしくなりがちな子育てライフだが、できる範囲で手仕事を取り入れたいと思う。
おすすめの手仕事があれば、ぜひ教えてください。