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フランス南西部、中世の街で食べたきのこのオムレツ
外出制限でどこにも行けないとなると、過去の旅行を振り返ったりしたくなるもの。今日は、1ヶ月くらい下書きに入っていて、写真を探す余裕ができたときに書こうと思っていた旅行記を。
私の場合、旅行は基本、飲んで食べることがメインなので、旅を思い返す際は必ず食べ物が絡んでくる。
秋口に入り、マルシェにずらっと並ぶきのこたちを見て思い出したのが、フランス南西部の小さな街で食べたきのこのオムレツだ。
左のオレンジっぽいのがジロール茸、右の巨大なのがセップ茸
あれは、5年前の夏のこと
夏のバカンスシーズン、フランス人は3週間ほど連続でがっつり休暇を取るが、私の場合は2つに分けて、毎年2箇所ヨーロッパのどこかを訪れていた。
2015年の夏休み、1箇所めは以前noteにも書いたプローチダ島。
2箇所めが、フランス南西部、山間部の街を巡る旅。
訪れた街は、2つ。最初の街が Sarlat-la-Canéda(サルラ=ラ=カネダ)だ。
位置関係はこんな感じ
このあたりはペリゴール地方と呼ばれるのだが、特に自然豊かで、言わずと知れた食材の宝庫。フランス的ご馳走、フォアグラやトリュフ、鴨、セップなどが名産品。
私の好きな映画のひとつ、『大統領の料理人』。
主役の女性シェフがペリゴールの出身で、映画の中でも主人であるミッテラン大統領のために地元のトリュフやセップをわざわざパリまで取り寄せたりしていた。
出てくる料理がそれはもう美味しそうで、いつか真似っこしたいと思っている。
よかったらご覧あれ。
サルラは中世以降、宗教都市として発展したが、17世期のフロンドの乱で衰退。
そして戦後、フランスの各都市では近代化が進み過去の美しい記念物たちは次々に破壊されていったが、1962年8月に施行されたマルロー法(景観規制法)で奇跡的に救われた。この法律によって国内最初に景観保護地域の復興が行われたのはサルラだったのである、とのこと。
出典元のWikipediaはこちら。
どおりで、街全体がまるで歴史で習った中世の街のイメージのままのような気がしたわけだ。
そしてこのサルラ、TGV(フランス版新幹線)も通っていなければ、移動手段は車がメインになるので日本人的にはかなりマイナーなところ。でも、フランス人やイギリス人にとても人気のある観光地。
Otto氏レコメンドもあり、生後半年足らずのみるぅを引き連れて訪れることにした。
パリからサルラへ
パリ、オーステルリッツ駅から、TGVではなく、Intercité(アンテルシテ、特急)に揺られること約5時間。
終点の、ラグビーの強豪で有名なBrive-la-Gaillarde(ブリーヴ・ラ・ガイヤルド)まで。
幼いうちから長旅をさせよ
ブリーヴから車で1時間くらい南下して、サルラへ到着。
何もない、言い換えると一面に広がるネイチャー
まずは、街の景観から
3泊くらいしたのかな、Otto氏は仕事だったので、日中はみるぅと街中を散策。
街の入り口らへんだった気がする
うわー、この小さな街に、すごい人
街並みはこんな感じで
なんかのパフォーマンスに集まった人・人・人
街の中心部、リベルテ広場
子どもたちが群がっているのがこのあたりのシンボル、鴨の像
俺も子どもなので、隙をみてパチリ
何を背景にしても絵になる
白い人たちに絡まれるうちの白
旅先のお楽しみ、マルシェの様子
旅の際は必ずマルシェ(食材市場)、なければスーパーマーケットに立ち寄ることにしているのだが、こちら美食地方だけあって、とても楽しかった。
この大きな黒い扉の中が、週に何度か開く屋内マルシェ
きましたフォアグラ
こちらにもフォアグラと、トリュフ
外のマルシェはどこから湧いてきたんだ?ってくらい人・人・人
よほど買って帰ろうか迷ったにんにく
ヌガーも名産っぽいよ>おいたん
レストランでの美味しい思い出
さて、本番の食。一部をご紹介。
天気にものすごく恵まれたので、テラスが気持ちいい
鴨を頼んだらもれなく付け合わせがたくさんついてきて感動
全部美味しかった
また別日には、前菜にフォアグラ
これこれ、きのこのオムレツ
他のレストランでも食べた
バカンスは、イタリアやスペインに飛ぶことが多かったけど、フランス国内も魅力的な場所がたくさんだ。結局移住してきちゃったし、国内をもっと知りたいものだな。
旅の思い出の味を、パリで
というわけで本題。
今日は、サルラで食べた追憶のきのこのオムレツといこう。
オムレツといえば、BGMはこれですね。
すき焼きもしゃぶしゃぶも叶わない♪
サルラで食べたのはたしかセップのオムレツだったけど、セップは高いのでジロールとシャンピニオン・ド・パリにて。まあきのこに変わりはないから・・・。
日本で作るなら、エリンギとかしめじとか舞茸とか、もれなくフランスのスーパーでは手に入らないきのこたちを適当に混ぜてやっても絶対美味しい。
ジロールは適当に切る、というか舞茸みたいに手でほぐして、シャンピニオンは薄切りに。
まずきのこたちをたっぷりバターとにんにくでソテー。
バターとにんにくの焼ける匂いを嗅いでいると、どうしても醤油をたらしたくなるのが日本人。
これだけで食べてしまってもまったく問題ない。というか食べたい。
オムレツ液。2人分で卵5個。
ひとつかみの溶けるチーズとスプーン1杯分の生クリームを入れて、塩胡椒。ちょうどシブレット(あさつきみたいなやつ)があったので刻んで入れた。パセリとか万能ネギとかでもいいし、いれなくても全くOK。
バターをケチらずフライパンで熱して、オムレツ液を一気に流し入れる。
火は強火に近い中火。速攻
大きくお箸でかき混ぜる。
レアNGなOtto氏分はガッチリ火を通さなくてはならないので、あとは放置。
大体火が通ってきたら、先ほどソテーしておいたきのこを半分にのせる。
よっこらせとオムレツを半分に折り返してできあがり。
サラダとじゃがいものソテーを添えよう。
私の分は、もれなく半熟のとろっとろを目指すので、早めにきのこのせからの半分折り。
ちょっと破れてるけど、いい感じの半熟感。
組み合わせからしてどう転んでも美味しくできないはずがないのだが、予想どおりとても美味しい一皿に仕上がった。外に出られない分、過去の旅の思い出と食いしん坊な舌の記憶でエア旅行を楽しんだ気分だ。
サルラの次は、第2の都市へ。
同じくフランス南西部の、カトリックの巡礼で有名な絶景の街を訪れたのだが、それはまた、別の機会に。
最後に、サルラのホテルで激写した、うちの子の悶絶系かわいい動画はこちらからどうぞ。
noteの投稿シェアにしか使ってないtwitterの新たな使い道がわかってうれしい(笑)
うちの子、生後半年。自らの姿を目にしたときの反応。 pic.twitter.com/KShFZ6bu49
— ymimij (@YuiMilou) November 19, 2020
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