埋まってゆく
あの頃わたしは、激しい損傷を埋めようとしていた。
それはわたしという人間の根幹までボロボロにした。
それをわたしは埋めようとしていた。
急速に癒され、埋まってゆくのを感じていた。
それはそれはひどい暮らしだったのだ、もう。
くだらんところだ、学校なんて。
行かなくてもいいと思う。
逃げ場が無さすぎる。
でもその破壊し尽くされたところを、
彼の優しい愛情でわたしは埋めようとしていた。
ひとりの人間としての尊厳を取り戻そうとしていた。
からっぽのなにかに、愛情がそそがれていくのを感じた。
朝、彼のうちにゆき、夕方まで眠った。
いくらでも眠れた。
彼のいる空間で、眠り続けた。
こんこんと。
学校は行かなかった。