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転職先が決まり、予定より早く勤務が開始しそうなので、病院に薬を貰いに行く
薬が足りないととても困るから
とても身体が痛い。緊張で力んでいた上半身がガチガチに凝り固まって痛い、食いしばった顔が固く腫れていて、ずきずき痛い
今日は随分と気温が下がることを知らなかった。薄着で出てしまった。冷たい向かい風が肌に刺さる、顔を仰ぐ。顔を覆い隠したいのに
日々、身体が痛まなかったら。溢れる不安に泣くことがなかったら。普通に電車が乗れたら、風を切って歩くことが出来たら、心臓が急にバクバクならなかったら。そんな人生はどんなだったのかな、て時々考える。もしかしたら遠い昔に、そういう日々があったのかもしれないけど、遠い昔過ぎてあまり思い出せない。気付いたときには日々身体は痛くて、毎日不安でパニックを起こして、電車は時々乗れなくて、急に動悸が止まらないし、顔を仰ぐ風のことが怖かった
天気予報を見ておけば良かったな、と
置いてけぼりの気分になった。わたしはとてものろまで、世界が廻るスピードに毎日、ついていけなくて、離れて落下して、落下して、しきって戻って来れなくならぬように毎日薬を飲む。世界が廻るスピードに、追いつくまではずっと出来ないけど、全くの離れ離れになっちゃったらそれは大変だとおもうから。きっと、ぶら下がれる程度なのかもしれないけど
病院に着くと、ご希望の診療科の予約時間は終わりました、午後に来てくださいと言われた
主治医以外のつなぎ処方は5錠までしか出せませんと言われた。咄嗟の言葉をすぐ飲み込めないから、貰える5錠で得る安定と、ここまで来るのに必要だった沢山の距離を頭の中で天秤にかけた。多分、正解なのだろうな、と考える。
午後の時間にまた来ます、と、やっと御返事を言えた。
皆んなについてゆけない、ずっとずっと。
こういう気持のことを何と呼ぶのだろう。
孤独感、とか、疎外感、とか、近しいのかもしれないけど、気付いたときにはもうずっと、こんな状態だったから、何かを失ってしまったようなさみしい気持のことを分からない
ママに今日はとても寒いと電話をした。馬鹿ね、安物でも良いから何処かでマフラーを買いなさいと言われた。喫煙所に入って鞄を探るとライターを忘れて来たことに気付いた。煙草を咥えたまま、暫くオヨオヨとしていた。おじさんが貸してくれた。
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