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日本は唯一の社会主義の成功国家

私はずっと日本はある意味で社会主義的だなと思っていましたが、他国の経済学者の中には「日本は唯一社会主義で成功した国だ」と言う人もいるようです。

日本は確かに他の先進国と比べて賃金が低く、その大部分は日々の最低限の生活に消えていきます。中間層以上の欧米人のように大きな家に住んだり、当たり前のように毎年海外にバケーションに行ったりするような生活を送っている人はほんの僅かで、みんな比較的小さな家に住んで、旅行も近場で済ませることが多く、こぢんまりと暮らしています。上流階級や、いわゆる「勝ち組」と言われるような人たちも、累進課税で給与の多くは徴税されて、庶民を圧倒的に突き放すほどの贅沢はできません。

それでも、失業した人や病気の人でも、生産性を生み出せる能力のない人でも、みんな屋根のある家に住んで、安くても美味しいものが食べられ、子供は学校に行って標準的な教育が受けられる。病気になれば医療を受けられる。
この姿はまさに、当初の社会主義が目指していた、平和で平等な姿に近いと思います。日本は、表向きは資本主義でも、実質は、いい意味で社会主義に寄った国家なのです。

海外、特に北米に行くと、資本主義のダークサイドが見れます。病気の人、能力のない人、一度落ちぶれてしまった人は、家を失い、仕事を失い、路上でホームレス生活を送ります。彼らの多くは現実逃避のために薬物に手を出し、一部の街は薬物中毒者のホームレスで溢れています。(カナダでは信じられないことに、政府が薬物の使用を援助しています。その方が社会全体にとって都合がいいのでしょう。)仕事もいつどんな理由でクビになるか分かりません。とにかく、「格差」が激しく、それは生死に関わるほど大きなものなのです。

確かに海外の人は幸せそうに見えることがあります。個人主義で、他人にそこまで気を配ることなく自分の幸せを追求できる。仕事に就けていればプライベートまで贅沢に楽しめるだけの収入を得られて普通に国外のリゾート地にバケーションに行ける。家も庭も大きい。
しかし、それは光と闇が同時に存在する中での、光の部分だけです。

どれだけ対外的によいイメージを植え付けることができても、どれだけ国家全体で経済成長できたとしても、私はこのような社会は空虚に感じます。

華やかさは劣るとしても、お互いにリスペクトし、助け合い、社会保障が充実している、それでいて世界4位のGDPをキープしている。そんな日本は純粋に凄いなと思います。

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