【社会人日記】太陽の光
「ちょっと太陽の光でもあびてきたら?」
仕事の昼休憩に、バタバタと帰宅した母は、窓を開けながらそう放った。
「そうする」と素直に、答えた。
しかし、太陽の光を浴びてきたらなんて、なんでそんなこと言うんだろう?
もしかして、私生気失ってる?
さっきサイコパスドラマ見ていたし・・・
と勝手な妄想をあとに、庭に出た。
最初は太陽の光がまぶしかったが、しばらくすると、
目も開けられるようになった。
空はとても青かった。
今日は雲一つない。
だんだんと日差しの暖かさが心地よくなってきた。
「外も悪くないね」とつぶやいてみた。
素足にあたるそよ風がまだ、冷たかった。
太陽の光をあびると、なんだか充電されたみたいに、エネルギーがわく。
日差しがだんだんと暑くなってきて、家に戻った。
昼ご飯を食べている母に、どうして、外にいくように言ったのか尋ねると、
「ん~。なんかそうした方が良いと思ったから」と言った。
私が考えていたごたごたした変な妄想よりも、ずっとシンプルで、
根拠がないのになぜか、スッと納得できた。
とりわけ理由もないことについて、考えすぎていた自分がおかしくなり、
笑ってしまった。
「私、顔死んでた?」と冗談交じりに聞くと、
「うん」と母も冗談交じりに返してきた。
なんでもないやりとりなのに、心がとても軽くなった。
私はいつも、いらないところで考えすぎる。
母のように、太陽のように、もっとおおらかに流れに身を任せて、
生きたいと思った。