【エッセイ】遅れてきた五月病
体がだるい。
朝起きて、ベッドに座ってぼーっとしていたら、
急に首の後ろあたりが、炭酸がはじけるようにシュワシュワしてきた。
え、なんだこれと驚いていると、
次第に、目の前がちかちかしてきて座っていられなくなった。
え…こわい…どうしよう…
最近、何か変なことしたっけ?と思い、いろいろ思い返してみたが、思い当たる点はなかった。
だるさと、頭痛、吐き気が襲ってきて、とてもこわかった。
洗面台におりてうがいをしようとすると、また首の後ろがシュワシュワした。
あ、くるな、と思うと、立っていられなくなり、その場にしゃがみこんでしまった。
これから出勤なのにな…電車の中で気分悪くなったら嫌だなと思いながらも
とりあえず、やっとの思いで身支度を整えた。
お腹が空きすぎて、吐き気があるのかもしれないと思い、
栄養ゼリーを飲んで、痛み止めも飲み、駅へ向かった。
休日なので、乗客は少ない。ただ、薬はまだ効いていない。
まあ、しばらくすれば、治まると思い、角席に座り、目を閉じた。
いつもなら、休日出勤の朝、車窓から見える青々とした田んぼや家々、朝日がとても清々しいと思えるのに、今日は、それどころじゃなかった。
しばらくしても、痛みは治まらなかった。
次の駅で降りて、思い切って会社を休むことを、上の人に連絡した。緊張した。すんなりOKしてもらえてよかった。
あ~ちょっと待てば治ると思って、最寄りから、5つも先の駅にきてしまった…あと少しで会社の最寄りについたのに…
これからまた電車にのって帰るのが少し面倒だった。それに、いつもなら乗り切れるのに、自分が情けなかった。
帰りの電車でも、まだ頭痛がした。帰りの方が、人が少なかった。
1つ空けて隣に、部活の練習着を着た高校生が座っていた。自分も活発な頃があったな、と懐かしくなったと同時に、当時よりも体力が落ちていることを実感し、どこか老を感じた。そんなことを思うと、「まだ20代でしょ」と聞こえる気がした。今は、そんな時代じゃないでしょ、と思う。
自宅の最寄りにつくと、ようやく、薬が効いてきた。
だが、まだ少し頭痛が見え隠れしていた。
もう考えても仕方ないと思い、足早に改札へ向かった。
改札の近くに、4人家族が見えた。すらっとしたブロンズヘアの奥さんらしき人は、ロシア語を話していた。
ふと、5年会っていないロシア人の友人を思い出した。ロシア人は少し悲しい顔をしていると、私の友人は言うが、私はとても美しいと思う。
家が近くなると、次第に痛みは引いていたが、だるさが襲ってきた。これからレポートも出さなきゃなのに…遅れてきた五月病だろうか。
予想外の体調不良に、ついていけなかった。
今日はここまで。ありがとう:)
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