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24時間を100%の幸せで満たすために③HSS型HSPスウェーデン移住の可能性を探る

スウェーデンは、人とシステムはすごく好き、日照時間と物流が合わない、
移住は無いけどノマドで訪れたい国というのが結論


毒親育ちあるあるで、
子育て一生懸命になりすぎてバーンアウトしている間、

どこに住むか、どんな家がいいか
というようなことも考えるようになった。


手始めに、国から考えようと思って、スウェーデンへ飛んだ。

美容の専門学校に通っていた時からの友人が住んでいて、
彼女のお宅に1週間ほどおじゃまさせていただいた。


彼女は私と同じ40代前半、数歳下のスウェーデン人のパートナーと、彼との間に小学校低学年と未就学児の子ども2人がいる。

スウェーデンの首都、ストックホルムでのアパート暮らしだ。


彼女は、子育ては自分でしたいタイプ、パートナーは仕事をメインで行い育児は任せたいタイプなので、

彼女はフルタイムの仕事には就かず、フリーランスで美容師、パートナーは鉄道の会社に勤めて大学院生(無料)をしている。


高校生の頃に「就職氷河期」という情報に触れるたび、

「私たちは、日本で生きていくことを期待されていない。
国は、私たちの年代に仕事の機会を提供する意思がない。
だったら、移民として生きていける国、福祉が手厚い国に行く」

と、家庭科か社会科で習った福祉国家スウェーデンになんとなく憧れを抱いて、自分が移住している姿を想像していた。


20年越しの願いが叶い、
実際にスウェーデンでの日常を体験させてもらってみて、

この国は本当に合理的で賢い人達が政治をしているんだなと思った。

なんでそう思ったかというと、

親の状況(経済力、ネイティブか移民か等)が、子どもの学び、成長に影響を及ぼしにくくする仕組みが作られているからだ。

まず、朝食は家で食べさせてもいいし、学校や幼稚園についてから用意されたものを食べてもいいという選択肢がある。
→親忙しさや精神的金銭的な余裕のなさといったコンディションがこどもの栄養補給に影響する割合が小さい。

午前中に1回おやつタイムがある。
→朝あまり食べてきていない子もそこで栄養補給できるため、それ以降の授業に集中することができる。

文房具、ノートといった学校で使う勉強道具は全て学校で支給されるため、親が買う必要がない。
→親のコンディションの勉強への影響を小さくしている。


また、性的虐待への対応もすばらしい。
子どもたちは幼稚園、保育園に入った段階で、プライベートゾーンについての歌をまず覚えることになる。
保護者からの性的虐待を子ども自身が防ぐために、
防げなかったとしても、おかしいと思えるように、後に誰かに話せるように、
私の身体のなかで他の人が触ってはいけないところがあるという歌を
繰り返し繰り返し聞かせていくそうだ。

で、そんな教育を受けた子どもたちと私の友人との間で
どんなことが起こったかというと…

トイレで息子のおしりをふいてあげている時に、
お風呂で息子の身体を洗ってあげている時に、
「STOPP!!そこは僕のプライベートゾーンなんだよ!」
と何度も子どもからNOを突き付けられたそうだ。

多分、大多数の親の本音は、『自分で尻拭けないくせに何いってんの???衛生を自分で保てるようになってからNOと言ってくれ』じゃないかな。

一部の逸脱する親を防ぐために、
幼少期から全員に刷り込んでいく取り組みを採用しているということに、
本気で性的虐待をなくしたい意志を感じて感動した。


また、この『主張を自然にする』ことも、素晴らしい教育の賜物。

友人夫婦と話していると、小学生の長男が『僕はこう思ってね!』とどんどん会話に入ってくる。

『どうやって育てたの?すごいいいね』

と友人に伝えると、

『これは、保育園の先生達が仕込んでくれたつていうか、そういう方針で子育てしてくれるんだよね。自分だと難しかったからホントありがたい。』

と言っていた。


一方、いいところばかりでもない。
Amazonのようなサービスは無く、荷物の届きは遅いらしい。
友人は週に何回か30分かけてガラガラを引いて、食料品の買い出しに行く。米とか醤油とかトイレットペーパーとかなかなか大変だと思う。

ダウンタウンでも渋谷や原宿のような雰囲気はなく、
有名な商業施設に入ると、
数十年前の日本にタイムスリップしたかのような感覚があった。

多分物流は、日本の大都市の便利さに慣れている人には、物足りなさそうだなって感じた。

街の雰囲気も、空港から電車に乗って窓から見えた景色が、
「ちょっとものがなしい」かんじがした。

建物も、観光地以外は、資本主義の国感があまり感じられず、質素な感じがあった。


また、友人が力説していたのは、医療。
日本は、自分で食べられなくなっても、昏睡状態になっても、本人や家族が望めば、最大限の医療を提供してきた。
それが、今の現役世代の生活苦の一因なんだが。

友人は、「スウェーデン人は自分で食べられなくなったら死ぬときだと思ってるんだよね。」と言っていて、
日本のような至れり尽くせりの延命処置は一般的ではないようだった。

また、医療へのアクセスも、「本当にやばい時以外は基本的に鎮痛薬を飲んでやり過ごすのが普通」と言っていて、日本の、ちょっと気になるという理由ですぐ医師に診てもらえる体制とはかけ離れているらしい。

友人が、
「介護が必要になった時、施設で本当にちゃんと面倒をみてもらえるんだろうかって思っちゃうよね」、「流行り病でたくさん人が死んだから今もトラウマになってる人いるんだよ」
と話しているのを聞いて、うーんって思う。

先の流行り病では、日本とスウェーデンは真逆の対策をした。
弱者を守ろうと対策し、本来なら別の感染症で死ぬ運命の人まで生き残り、流行り病の再流行の可能性を残した日本。
「死ぬ運命の人は死ぬ」と初期からすごい勢いで人口を減らし、あらかた淘汰されたスウェーデン

このスウェーデンの合理性を垣間見て、

「私は合理的な考えは大好きだけど、一方で日本の医療体制に甘やかされてきたから、生き死にがかかる場面で合理的な考え方ができるかっていわれると、わかんないなぁ。介護の現場のしんどさは日本と変わらないのかも…」と思った。


基本的に寒くて暗い国、家で過ごす時間が長いので、
お酒に溺れてアル中になる人の数が多く、
お酒屋さんは土日だけ営業で、その時は長蛇の列ができるらしい。


子どもを育てる、老後を穏やかに過ごすにはいい国だと思う。
若者はおそらくほかの華やかな都市をもつ国に目が行くだろうなとも思った。

寒い、暗い、日照時間が短いというところを、
ちゃんと長期間暮らしてみて、自分の鬱々した感じを丁寧に感じてみた方がいいと思った。

自分の中で行けそうなのであれば、
合理的な思考の人たちに囲まれて暮らすことができるので
とてもいいと思う。


あと、気になったのが年金。

自分で稼いだ分を自分で受け取る方式なので、
専業主婦とかだと、多分老後が厳しい。

自分で稼いで生きていくぞと決めている人向けの国だとも思った。


私は、年金の面で難しそうだなというのが第一印象。
スウェーデンで生活したいなら、まず雇われないといけないけど、スウェーデン語がネックになる。

スウェーデン人と結婚してという手段もなくもないが、
そもそも私が結婚がすきじゃない。

そして、SAMBOという結婚以外の選択肢があるスウェーデンで
あえて結婚したいという人と、話が合うわけもない。

ゆうじんが、『こっちの人はほんとすぐ別れるんだよ。相手がスウェーデンに移住してきても、気持ちがなくなったからつてすぐ別れたって話もほんとよく聞くから、ほんとこわい。』と話していて、

結婚もいろんなカタチがあるけれど、人生をともに歩むパートナーを見つけて結婚という形をとるのと、恋愛感情95%+残りは移住の打算という形とでは、多分結果が大きく違うんだろうなあ

となんとなく思った。


私の中で、「うん、ないな」っと思えたのは収穫。
「スウェーデン移住じゃない」ということがわかって、日本に帰ってきた。



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