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投資で成功するための8つのカギ(後編)

今年も鎌倉投信が一年を通じて最も力を入れている催し、「受益者総会®」の季節が近づいてきた。受益者総会とは、「結い 2101」のお客様(受益者)に、「結い 2101」の決算、運用状況をよりよくお伝えするため、また重大な約款変更等の承認事項の説明のため、さらには、受益者、投資先企業、運用者が結ばれる場として、原則として年に一度、投資信託の決算後に定期開催している鎌倉投信独自の取り組みだ。

節目となる今年の第15回受益者総会は、9月14日(土)国立京都国際会館にて対面で開催する。京都での開催は、コロナ禍前の2019年以来5年ぶりとなるので、今からとてもワクワクしている。

総会の運営チームが知恵を絞りたどりついた今回のテーマは、「日本が誇る『いい会社』たち ~これからの日本の輝き方~」となった。このテーマに沿って、鎌倉投信が「いい会社」の個性を見極める評価視点「人・共生・匠」の中から、「人」の強みを生かす理念経営で成長するオンリーワンの会社、世界から注目される「匠」の技を持つグローバルニッチな会社をぜひ皆様に紹介したい。

【HP掲載】https://www.kamakuraim.jp/events/detail/---id-326.html

今年、新NISAがスタートし、個人の資産形成に向けた機運は盛り上がりを見せている。しかし、「自分のお金をいかにふやすか」という自分中心の投資に意識が向きすぎると、一方向にお金が流れやすくなるので、少し気がかりだ。株式市場の過去の歴史を見れば、多くの人が疑いを持つことなく、同じ方向にお金が向かうとき、市場は往々にしてその逆の動きをするからだ。

今回は、仮にそうなったとしても、動揺することのなく資産形成に取り組むための秘訣、「投資で成功するための8つのカギ」の後編を書いてみようと思う。

【目次】
投資で成功するための8つのカギ
① 先入観を解く
② 株価(価格)ではなく価値に投資する
③ 経済法則(複利と分散効果)を利用する
④ 感情を排除する
⑤ シンプルに投資する
⑥ 予測しない
⑦ 投資に期限を設けない
⑧ 投資観を持つ

前回のnoteでは、「投資で成功するための8つのカギ」の①~➂について書きました。

今回は、④~⑧について考えてみましょう。

④ 感情を排除する

世界情勢や経済情勢が目まぐるしく変化するなかで、投資で成功する人が実践していることをとことん突き詰めれば、この1点にあるといってもいいのではないでしょうか。

それが、成功のカギの4つ目、「感情を排除する」です。

成功者は、その時々の感情に流されることなく、決めた投資方針に沿って淡々と投資を実行します。たとえば、金融市場の下落局面で、さらに値下がりするのではないか、といった「不安」から保有する株式などを売却したり、株式相場が盛り上がってくると「乗り遅れまい」という焦りから慌てて購入したりするなど、感情に囚われて取引することはありません。相場付きによって右往左往する投資家がよい成果を生むことはないのです。

「理性は友・感情は敵」を肝に銘じましょう。

⑤ シンプルに投資する

そして、「感情を排除する」ための秘訣が、成功するための5つめのカギ、「シンプルでわかりやすい」投資をおこなうことです。

複雑な投資手法は、複雑であるがゆえに長く続けることが困難です。また、中身がわかりにくい複雑な金融商品は、サブプライムローン問題を発端としたリーマン・ショックを招いたように、当初想定した前提条件が崩れたときに大きなマイナスを被ることはよくある話です。

「シンプルさは成功の要」です。自分が理解できないものには手を出さないことが大切です。

⑥ 予測しない

6つ目のカギは、意外に思うかもしれませんが相場を「予測しない」ことです。もう少し正確にいえば、「予測に左右されない投資の枠組みをつくること」です。

「経済や金融市場の先行きを予測して、お金を増やすのではないのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。しかし、逆なのです。実際のところ、社会情勢や経済情勢がグローバルに複雑に影響し合う状況下で、さまざまな出来事の発生可能性やその程度を予測し、なおかつ金融市場がどのように反応するかを的中させることは、専門家であっても至難の業でしょう。つまり、一貫して投資を継続するリスクに比べ、「的中する可能性の低い予測に賭けること」のリスクの方がはるかに大きいのです。

⑦ 投資に期限を設けない

成功の7つ目のカギが「投資に期限を設けない」です。「予測に左右されない」投資手法の実践例でもあります。

よくお客様から「長期投資の期間とは何年をいうのですか」と質問を受けることがあります。答えとしては、景気サイクルがある程度循環する「10年以上」などが一般的かもしれません。しかし、僕の答えは、「投資に期限を設けない。投資の期間は無期限である」です。なぜなら、投資する会社は、持続的に成長する経営努力を続ける限り、その実体としての価値の増幅に「終わりはない」からです。

投資につきまとう不安感を解消するためには、何よりも長期の視点を持つことが欠かせません。
「今後10年間、株式市場が閉鎖しても喜んで持ち続けることができる株式を買いなさい」これは、世界的に著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏の言葉ですが、このメッセージには、次の3つの意味が込められていると感じています。
l 短期的な株価(価格)変動に一喜一憂してはいけない。
l (目先の業績ではなく)10年後に価値が高まっている会社の株式に着目し、投資する。この間の株価変動を気にすることは、時間の無駄である。
l リターンの元となる投資する会社の価値は、「時間をかけて」成長する。
です。このことを心に留めて投資に向き合いたいものです。

⑧ 投資観を持つ

投資で成功するカギの最後は、意外に思うかもしれませんが、「誠実であり、謙虚である」ということです。

投資には、面白いように、人の価値観や人生観が映し出されます。あくせくする人は投資でも右往左往して失敗するし、謙虚さに欠ける人は、欲と驕りで足元をすくわれます。「変化に動じない投資観を持つ」とは、「一貫した投資姿勢を保っていること」、そして、それを実践するために「自分なりの投資観(軸)を大切にする」ことだと思っています。それを磨くものは、つきつめれば、謙虚さと感謝の精神ではないかと思うのです。

投資観というと少々大げさですが、コツコツと資産形成に取り組む、と心に決めることも立派な投資観といえるでしょう。

「偉大な投資家になるためには、金儲けのテクニックや知識を得るだけでは不足である。個人としての人格を高め育てることを生涯にわたって続けることが必要なのである」米国の独立系運用会社 フランクリン・テンプルトンの創設者「ジョン・テンプルトン」の至言です。

ではなぜ、「個人としての人格を高めること」が、投資の成功につながるのでしょうか。人としての人格を高めるというと敷居が高くなりますが、日頃から心の揺らぎや執着をコントロールすることができるようになれば、値動きに一喜一憂することもなくなるでしょう。

投資が、ただ自分のお金を増やす私利私欲のための手段としてではなく、投資する会社の事業の本質的価値を見定めて応援するといった社会的視座を内包するものに深化することもあるでしょう。結果的に、自分自身が大切にする価値観に沿った投資の軸が定まり、投資家としても成功の可能性を高めることにつながると感じています。

多くの投資家を見るなかで感じることですが、人が長い人生のなかで培ってきた価値観や人生観と、一人ひとりが投資に向き合う姿勢とは無縁ではありません。僕は、投資を含めて、お金について考えることは、「生き方」について考えることにつながると思っています。その命の時間の積み重ねから生まれた大切なお金を、何に使うか、どのように使うかに想いを馳せることで、新たな価値観や人生観にふれたり、深まったりすることもあるでしょう。自分なりの投資観(軸)を持つことは、人を成長させ、さらには「人格を磨く」と感じるのです。

あらためて、投資で失敗しないための「8つのカギ」をまとめてみましょう。

① 先入観を解く
② 株価(価格)ではなく価値に投資する
③ 経済法則(複利と分散効果)を利用する
④ 感情を排除する
⑤ シンプルに投資する
⑥ 予測しない
⑦ 投資に期限を設けない
⑧ 投資観を持つ

ぜひ、心に留めて、投資の成功者になってください。


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