見出し画像

「受益者総会」に登壇する「いい会社」(受益者総会 その2)

「今年の夏の暑さは半端ではない。雨の降り方が異常だ。」
この夏は、このような会話をしない日はなかったのではないだろうか。年ごとに気候変動の脅威は強まるばかりだ。

人も会社も環境問題を含めた経済のグローバリゼーションが抱えるリスクにどう向き合えばいいのだろうか。先日ある経営学会で、この点について話をする機会があった。与えられたお題は、「投資の実務からみる『パーパス経営』の可能性と限界 〜企業と投資家はグローバリゼーションが内包するリスクにどう向き合うか〜」だった。

こうした地球レベルの大きな問題を解決するための打ち出の小槌はない。しかし、経済活動の両輪ともいえる「会社経営のあり方」と「投資を含めたお金の循環」が、大局的に観れば問題を解決する力になる。そんな期待を込めて話をさせていただいた。


1.「パーパス経営」とは何か

最近、「パーパス経営」という言葉をよく耳にするようになりました。企業の社会的責任、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)などをベースにした理念経営と実質的な違いはありませんが、どこか社会や未来をよい方向に向かわせようとする響きを語感から感じます。そして、「パーパス経営」という言葉が用いられつつある背景には、会社経営を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中において、より長く、より深い視座を持った経営が求められるようになったことがあるのではないでしょうか。

僕自身は、パーパス経営を(それを標榜しているか否かに拘らず)「自らは何者であり、社会や未来に対してどのような価値を提供する会社かを明確に示し、その社会的目的を達成するために事業を持続的に発展させることを目指した経営」と定義しています。そして、パーパスの効用は、「役職員の内発的動機付けになるのと同時に、会社に関る人との関係資本を豊かにし、結果として、社会全体にその効用を働きかける作用を有する」点にあると感じています。

9月14日(土)に開催する鎌倉投信「結い 2101」の受益者総会®では、そうしたことを実感させる「いい会社」の経営者4名に登壇いただきますので楽しみにしていてください。

2.受益者総会に登壇する「いい会社」

登壇いただく「いい会社」を簡単に紹介しましょう。

第一部:世界が驚く技術力を持つ「いい会社」の登壇者

「株式会社瑞光 梅林 豊志 さん」
瑞光は、大阪府茨木市に本社を置き、紙おむつや生理用ナプキンの製造機をつくるグローバルニッチな「いい会社」です。2030年には日本人の約3人に1人が65歳以上と超高齢化社会を迎える中で、清潔・快適なおむつは、赤ちゃんだけではなく大人にとってもなくてはならないものでしょう。「独創する、技術を深める、開拓する、共生する」の「THE ZUIKO WAY」の精神の下で、お客様の期待を超える技術力をグローバルな中で維持し続ける極意を深掘りしたいと思います。

「日置電機株式会社 岡澤 尊宏 さん」
日置電機は、長野県上田市に本社を置き、世界の様々な国や地域で電気計測器の開発から生産、販売、サービスまでを一貫しておこなっているメーカーです。海外売上比率は60%を超え、さらなる海外展開を視野に入れています。その一方で、地元をとても大事にしていることも日置電機の特徴です。地元に愛される「いい会社」の根底にある「人間性の尊重」と「社会への貢献」のあり方を学びたいと思います。

第二部:人が輝く「いい会社」の挑戦の登壇者

「アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社 金子 和斗志 さん」
アイ・ケイ・ケイは、福岡県福岡市に本部(本社:佐賀県伊万里市)を構え、最高のおもてなしで人を幸せにするゲストハウス型の挙式・披露宴を運営しています。お客様の満足度が高いだけではなく、名門企業がひしめく九州地域で就職したい会社No1に輝くなど、社員が働き甲斐を感じる「いい会社」でもあります。コロナ禍の厳しい経営状況をいかに乗り越えてV字回復に至ったか、そうした環境下で社員がどのような頑張りを見せたかなどの裏話も伺ってみたいところです。

「未来工業株式会社 山田 雅裕 さん」
未来工業は、住宅向けの電気設備資材、給排水・ガス設備資材などの建築資材を製造・販売している会社で、皆さんのご自宅でもきっと未来工業の商品は使われているでしょう。残業なし、おそらく上場会社の中で最も休日が多い、報・連・相は不要、5年に1度は全員で海外旅行にいく、といった社員に優しい経営をおこないながら、社員一人ひとりが「常に考える」主体性を引き出す「いい会社」です。「社員を信じずして経営はできない」山田前社長のこの一言に、こうした社風醸成の原点があるように感じます。「結い 2101」の運用を開始して真っ先に投資を始めた未来工業の進化を伺うのが楽しみです。

3.経済とは世界中の人と人とのつながり

(貨幣)経済とは、お金を介した世界中の人と人とのつながりです。そのつながりを生み出す存在が会社であるといえるでしょう。そして、世界中の一人ひとりのお金の流れの総和が経済であり、その経済のあり方が社会を形づくります。つまり、あなたのお金、あなたが使うお金にどんな想いを込めるか・・・その想いの先に「いい社会」「いい未来」はあります。投資もまた「然り」です。

しかし、受益者総会に登壇する「いい会社」、世界に誇るニッチな技術力を持ち、また、人を幸せにする「いい会社」は、大企業のような知名度はありません。だからこそ、受益者総会では、こうした会社が日本にはたくさんあることを知り、「いい会社」への投資から様々な価値が育まれることを、一人でも多くの人に実感して欲しいと願っています。それが大局的に観れば、社会や未来をよくする力になると思っています。

9月14日(土)受益者総会の場で、受益者とそのご家族の皆様に会えることを心から楽しみにしています。


この記事がよいと感じた方は、「すき」ボタンを押したり、SNSで感想をシェアしてくださると嬉しいです。皆様の反応や感想が鎌倉投信の「わ」を拡げる力になりますし、何よりも筆者の励みになります。

鎌倉投信のメールマガジンでは、noteの最新記事・鎌倉投信の新着情報を隔週でお届けします。ぜひ登録してください。

▶鎌倉投信HP
▶ソーシャルメディアコミュニティガイドライン