希望を託す・七夕
7月7日は七夕の日、天の川の両岸に離れ離れになっている彦星と織姫が一年に一度会える日として日本で特別な日とされています。その日は竹に五色の短冊を飾ります。5色(ごしき)とは中国の五行説で万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという自然哲学の思想で、それぞれに「青(緑)、赤、黄、白、黒」の5色が当てはめられています。元々は古代中国からの行事で7月7日は牽牛( アルタイル星)と織姫(ヴェガ星)が会合する夜です。一年に一度のその夜に婦人たちが5色の糸を7本の針の穴に通し、捧げ物を庭に並べて針仕事の上達を祈ったそうです。
七夕とは棚機とも書きます。絹織物の技術(蚕から絹糸をつむいで織物を作る技術)は古代中国からの伝統技術です。この古い時期は月の満ち欠けによる太陰暦だったので、実は7月7日は現在の8月頃。月明かりや星の光によって季節を知り、日々を営みました。月が欠けた天気の良い日には牽牛星や織姫星、天の川も美しく輝いたそうです。現代人は夜空を仰ぎ見るものと思いますが、この時代は盥に水を張って映る星影を見ていたそうです。旧暦7月7日は、昼間は曇っていても夕方になると晴れてきて、夜は月の光が明るくて、沢山の数の星を見ることができ(万葉集)、その明かりで乙女たちは最も美しい絹織物を神様に献上できるよう、祈りながら作ったのでしょう。
さて、こちらは東海岸の夜空です。7月の夏の夜空の北側に大きく青く光るのはこと座のベガ星、南側に光るわし座のアルタイル星、西側に光るはくちょう座のデネブ星 天の川はベガとアルタイルの間を通り、デネブを通ります。日が暮れる頃に三角形は東の地平線より上に昇ります。
真夏の夜空を見ながら、なん億光年の星の命を想像して、自分の生命の小ささを感じます。私たちの現代、希望を削ぐような出来事が連鎖し、不穏が続いています。でも希望は大切。七夕、一年に一度、キラキラ目を輝かしながら短冊にお願い事をする子供達と混じって、大人たちもお願い事でもしませんか?
5色の短冊を選んで、書いて見ましょう。良いことが待っているかもしれません。
木を象徴する「青」成長を願う事
火を象徴する「赤」感謝を込めた願い事
大地を象徴する「黄」誠実と約束を込めた願い事
金属を象徴する「白」規則や正義を守る願い事
水を象徴する「紫」学業を願う事
私は黄色の短冊に願い事をしてみました。