Vol.1|まっすぐはみ出す人たち INA VALLEY FOREST COLLEGE 受講後記
この記事は、
業界もエリアも越境して、森の価値を再発見しよう森に関わる100の仕事をつくると題した伊那谷フォレストカレッジの受講記録です。
次回が待ち遠しいな、と思っていたら、あっという間にオリエンテーションから2週間が経ち、またドタバタしながらの参加に。
前回の内容はこちら▼
12/5(土)に行われた第1回のカリキュラムは、
"森とものづくり自然を生かす「ものづくり」とは"
でした。数あるカリキュラムの中でも一番楽しみにしていた会。
松本剛さん(飛騨の森でクマは踊る)、丸尾有記さん(KITOKURAS)、中村博さん(やまとわ)のそれぞれ森を生業にしつつも立場の違うお三方のお話を聞きました。
全くの素人で、森を仕事にするなんてことは一度たりとも考えたことのない自分からすると、見ること聞くことすべてが新鮮で、一言一言こぼれ落ちないように必死になってかじりついてました。それくら森を生業にする人々がキラキラして見えた。
01 参加者について
伊那谷フォレストカレッジは、日本の森林が抱える課題を解決する、という目的があります。受講者は建築関係の方、行政で林業に関わる方、民間企業で木を材料としたプロダクトを作っているメーカーの方、食品メーカーに務める方、教育関連のお仕事をされている方、子育てママさん、大学・大学院生など実に様々な業種のメンバーです。
受講者は約40名ですが、それ以外に運営陣もバラエティ豊富で、アウトドア、農業、教育など様々な専門家が、自身の領域と"森"のつなげ方をそれぞれの角度からアプローチした知見を惜しみなく話してくれます。
まさに"知の集積"。
(体験から得られた情報というのは、とても密度があり受け取る側としてはとても贅沢な反面、消化に時間がかかるのも事実で時間がいくらあっても足りないという嬉しい悩みもあります)
02 心に残ったこと、学んだこと、感じたこと
本題です。門外漢である自分が、なるほどと思ったことを記します。
以下ご覧の通り、ほぼメモの箇条書きですがご容赦ください。一つでもピンとくるものを見つけていただけたらうれしいです。
・自分の考えとしてアウトプットするには、前提の知識がなさすぎること
何が分からないか?、が分からない
・今自分のいるところで、できることをやる。木は動けないが人は動ける
・森と水は密接な関係がある
※そういえば、昔陸前高田市の広田湾で牡蠣の養殖を営む方にも、同じような話を聞いたことを思い出した。すべてつながってる。
・材木屋は敷居が高い(一般の人にとって接点が少ない)。なので、興味を持ってもらい五感で感じてもらうために木工教室やワークショップを実施、さらには建材としての木の安全安心を伝えるためにマルシェやカフェをやる。(食は万人共通の関心事項、また食材の安心安全も引っかかりやすいキーワード)
・工場を開いて、ファクトリーショップにする取り組み
・ウィンナーを買うのと同じように、木を買ってほしい
・広葉樹の森はまさにVUCA
(扱いづらい、木ごとに形が違うなど)
VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったもの。
https://ja.wikipedia.org/wiki/VUCA
・木の使いみちは、家具・建築が常識。でも、スピーカー、水耕栽培インテリアなどの家電にも使える
・手間がかかって材料として好まれない木材を活かすことで強みや魅力になり得る(だれも扱いたくないと思わないためブルーオーシャン)
・日本の感じで一番多い漢字の偏は「さんずい」ついで「きへん」
wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%8F
※いくつかのサイトを調べた所、違う順位で書かれたサイトもあり。
漢字の分け方により変わるようですが、沼っぽいので割愛
・木偏(きへん)は大きく分けて、(1)木の種類を表す漢字 (2)木を扱うための道具系(3)木でつくられたもの
→漢字の数ひとつとっても、水とか木ってつくづく日本人にとって身近だったことがわかる
・立米(りゅうべ)という単位
03 終わりに
この記事のタイトルでもある"まっすぐはみ出す人たち"、これは講師のお三方のことです。
いや、実際にはお会いしたこともないですし、心外と思われるかもしれないけれど、無心で打ち込んだメモを眺めながら頭の中に残ってる記憶を巡っているとそんな言葉が浮かんできました。
はみ出そうと思ってはみ出しているわけではなく、きっと森の危機、経営やご自身の葛藤などいろんな壁にぶち当たる中で考えに考えた結果、はみ出してた、という印象。
はみ出すというのはもちろんいい意味なんですが、話を聞いてるとその選択しかないよな、と思える無理のない答えなんです。
必然的で、過度に飾る感じもなく、とても自然なんです。
自然を相手にしてるからなのかも知れませんが、そんなところがとても魅力的でした。
04 余談
話のついでに、今回の講師の方々はそれぞれ高知、岐阜(飛騨)、長野をベースでお仕事をされてるんですが、この三県は実は日本の森林率(都道府県面積に対する森林の割合)トップ3なんですね。
テーマからして当然なのかも知れないけど、無知な自分としてはこれだけでテンションが上がってしまいました。
最後の最後に、この記事は他ならぬ自分の学びの記録として書いてます。何年か先に読み返したときに、「あー、この頃はこんなことも知らなかったんだなぁ」と思えることを想像して。