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日本中を家庭円満にする魔法

「日本中の家庭を円満にするには?」

ここ数ヶ月間、ずっと頭をもたげている問い。自己肯定感の高め方の最後の方に少し書いたのだけれど、一度諦めたことを自分にやらせてあげようと思い立ち、昨年11月からボーダレス・アカデミーという社会起業塾に通っている。あと2ヶ月でビジネスプランを練り上げ、あわよくば起業しなければならない。正直覚悟は決まっていないし、起業は目標を叶えるひとつの手段でしかないけれど、その時がきたらそうするのだろうと知るように思う。

昨年の年明けのnoteに書いたようなことがあって、自分のような子供を救いたいとずっと思っていた。もう少し具体的に描けば「親の暴力にさらされて自分の人生を諦める子供」だろうか。子供は親の苛立ちや夫婦喧嘩の手頃なクッション材にされてしまう。そこから抜け出す力も知識も持ち合わせない。これはどうにかしないと、と思いながらも、ずっと自分と家族のことで精一杯だった。ようやく動く準備ができてきたように思う。

最初に思いついた企画は「山村流学」というものだった。以下簡単にまとめると、

●違いを旅する留学「山村流学」
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ひどい親元で子供が我慢できてしまうのは、他のあたたかい家庭を知らないせいだと思う。親にとっても子供と一緒にいすぎてストレスが溜まるなら、お互いが自然と距離を置ける仕組みがあっていい。
そこで夏休みなどの一定期間、日本中の様々な学校を旅するように転校する。を数カ所繰り返す「流学」をすることで、子供が自身の常識がいかに狭いかを体感しながら、自然に癒され、日本中に新しい家族や兄弟ができていく制度をつくりたい。
受験競争が将来を約束しなくなった現代、都会ではなく自然豊かなところで子供を育てたい人も増えてきている。その逆で、都会を経験させたい地方の親もいるだろう。山村流学がクラスのイケてる子も行くようになれば、親元で苦しむ子供達も堂々と流学できるし、親も子供を預かってもらえて自分の自由な時間を増やせるのではないか。
副次的な効果として、いじめ対策にも効果があると思う。あんな狭い世界の中で生きることを強要されるから、いじめなんて下らないことが起きてしまう。

いま読んでもやりたい企画だと思うし、ちょうど一昨日、この企画ができないか地方に住む知り合いに相談してきたところ。実現に向けて今年から色々動ければと思う。

思うのだけれど、「これをライフワークとして起業しますか?」と言われるとどうもしっくりこない。親を置き去りにしているからだろうと、考えるうちに思い至った。

イライラしたい親はいない。毎日夫婦喧嘩して子供に八つ当たりしたい親もいない。何より、子供にとって最高の景色は親の笑顔だと思う。だから親こそ救わなければいけないし、親子ひっくるめて幸せになれることがしたい。そんな魔法みたいな方法をずっと探している。

着想:そもそも性格や価値観の不一致が殺伐とした夫婦関係を生むのでは?
仮説:「夫婦円満予測でマッチングする出会い系アプリ」を浸透させることで、お付き合いや結婚後の円満生活率をアップさせて子供への暴力を未然に防げないか。
疑問:希望的観測がすぎるし、アプローチも理性的すぎる。恋は感情的に落ちるものだから、そんな都合よくいかないのではないか。

着想:共働きで忙しいのに育児家事が大変すぎてイライラするのでは?
仮説:結婚相談所ならぬ「家庭円満相談所」をつくり、各家庭に合わせた仕事・育児・家事の黄金バランスの提示や育児家事代行の仲介をすれば改善しないか。
疑問:問題のある家庭が本当にそんなところに足を運ぶか。お金を払ってまで黄金バランスなんて知りたいか。既存の代行サービスの普及でよくないか。

着想:感情のコントロールとコミュニケーションが下手すぎるのでは?
仮説:結婚出産を機に入る「親の学校」をつくり、誰もが初心者である”親”になるあたっての育児の不安解消や夫婦喧嘩のシミュレーションを出産同期と一緒に行うことで、学校卒業後もつながり合い支え合える仕組みができないか。
疑問:そもそもこの学校に入って通う時点でIQが高く、夫婦円満な家庭になる可能性が高い。やるならば行政や産婦人科などと組んで必須科目化を目指すしかない。

着想:家庭が孤立しすぎて頼れる親族や友達がいないのでは?
仮説:助け合いを前提とした「拡張家族マンション」をつくり、例えば子育て世帯は独身世帯やアクティブシニアに子供の面倒を見てもらう代わり、彼らの食事サポートをする。マンションの共益費を共円満費に変え、住民の助け合い基金として運用する。
疑問:問題を抱えた家庭が本当に引っ越してくるか?いまあるソーシャルアパートメントとの違いは?悪くはないが、やりながら調整し続けるしかない。

着想:関係が悪いのに無理に家族を続けるのは離婚しにくいからでは?
仮説:役所に入籍した日を「結婚契約更新日」に変え、数年に一度家族を続けるかの判断日とすることで離婚のハードルを下げながら、結婚生活の緊張感を高めて互いに敬意を持ちやすくする。子供が生まれた場合のみ、義務教育終了まで契約更新し続けるものとする。
疑問:制度の話なので起業云々の話ではない。個人的な活動として広げてみればよい。

上記のような企画を、もう10個以上は考えた。だけれど、どれも自分の親が本当にやるようには思えなくてボツにした。なんだったら動くのだろう、とあらためて考えたとき、僕が野球をやっていた頃は家族がうまくいっていたことをふと思い出した。

僕の家族はいわゆるステップファミリーで、僕と父は血の繋がりがない。だから父になったとき、僕と距離をどう縮めるかは頭を悩ませたと思う。たぶん彼なりの結論が「自分の好きな野球をやらせてキャッチボールをする」だった。地元の野球チームに連れて行かれ、父はコーチに、母は応援団になった。育児も家事も負担量は減っていないのに、あの頃は健やかで仲のいい家族だったと思う。

自分の好きなことに打ち込むこと。家の外に役割と居場所ができること。親子が趣味仲間になること。僕の言う家庭円満の魔法は「親が自分の趣味に子供を付き合わせる」ことなんじゃないか、というのが最新の仮説となった。ふと思い出すCMがある。

はあ、素晴らしいCM。子供の将来が不安で習い事をさせる親は多いけれど、最近は英会話やプログラミングが多いと聞く。「働いている間に預かってもらえて助かる」という力学も働いている。結果、親子で一緒に過ごす時間はどんどん減り、それが親子関係を殺伐とさせている気もする。

だとしたら「親が自分の趣味に子供を付き合わせる」ことで、親も時間とお金を捻出してくれるのではないか。たとえば旦那が「あんたも育児に参加しなさいよ!」という無言のプレッシャーを奥さんから受けているとすると、旦那はせっかくなら自分の趣味に子供を付き合わせることで好きな時間を確保し、奥さんも納得して旦那と子供を送りだすんじゃないか。(もちろんその逆もあると思う。)

最近の大人はスマホゲームばかりで遊ぶのが下手になっている気もするし、上記のことを本当にやってくれる親は結局、大きな問題を抱えないような気もする。だけど自分の親が唯一動いた切り口でもあるので、この仮説をもう少しだけ信じて、粘って、ブラッシュアップしてみようと思う。

思いついたときは結構アガったんだけどなー。いざ本気でプランを詰め出してからはかなり不安。でも、不安になれるところまでは辿り着けてよかった。

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