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それしかないわけないでしょう
今年最初の三連休初日は仕事に忙殺されるのがわかっていた。だから、ひとつ仕事を片付けた後、休憩をかねて絵本を一冊手に取った。ヨシタケシンスケさんの「それしか ないわけ ないでしょう」という作品だ。
僕はヨシタケシンスケさんの生粋のファンで、彼が出した絵本はほぼ全て持っていると思う。それでもこの本は買い忘れていて、先日友達からお薦めされるがままに購入したのだった。
「それしか ないわけ ないでしょう」。いいタイトルだ。というか、彼の作品はタイトルがすべていい。なんでも、タイトルとなるキーフレーズを思いついたら、それを軸に妄想を繰り広げてひとつの作品にまとめるらしい。どうりで納得の作風だと思う。
絵本の内容については触れない。それよりもたった一言のタイトルから、思うがままに感じたことを広げていきたい。
小中学生の頃、僕には無限の選択肢があった。そこから一つひとつ、選び取って今がある。だが果たして、「選んだ」といえるほど意識を向けて、大人になった日々を過ごせているだろうか。
僕の仕事は広告という名の何でも屋だ。無限の選択肢を前に悩んでいるクライアントに対して、この未来がきっといいですよ、と納得してもらえるよう説得する仕事だ。大人の仕事とは大抵そんなものだと思う。何かを売りつけるわけだから。
そんな日々を繰り返しているからだろうか。自分がやるべきことはこれ。ランチに行くならこの辺り。「これしかない」を知らず知らず積み重ねて生きてゆく。次第に、人生には正解があるように錯覚していくのかもしれない。
今日だってそうだ。仕事をするしかない。自分がやるしかない。そう思ってパソコンに向かっているけれど、本当は投げ出したっていい。誰かに任せたっていい。それしかないわけないのだから。
切羽詰まった時こそ、別の選択肢を探すこと。結局やるにしたって、きちんと選択すること。それだけで人生に対する責任みたいなものが育まれるように思う。
それしかないわけないでしょう?
ということで、今日は仕事を投げ出してサウナに行ってみた。今年最初のサウナはいい感じでキマッた。でも結局、明日の俺が仕事をすることになるんだよなあと思いながらタバコの煙をくゆらせている。